AI研修に 使える 助成金| 人材開発支援助成金 (事業展開等 リスキリング 支援コース)の 使い方 【2026年度】
AI研修の費用は、人材開発支援助成金の事業展開等リスキリング支援コースで一部を取り戻せます。ただし令和8年8月の改正で、汎用的なプロンプト研修は対象外になりました。厚生労働省の資料で確認した数字だけで、使い方を整理します。
2026年10月時点の情報です。最新の支給要領は厚生労働省・労働局で確認してください。
人材開発支援助成金 (事業展開等 リスキリング 支援コース)とは
人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)とは、新規事業の立ち上げなどの事業展開や、社内のDX化・GX化に伴って、社員に新しい分野の知識と技能を身につけさせる訓練を計画どおりに行った会社に、訓練経費と訓練中の賃金の一部を助成する厚生労働省の制度です。
生成AIを業務に取り入れる研修は、このコースに当てはまるケースが多くあります。ポイントは、受講者の職務に直結した内容であること。どの業務にAIを使うかまで研修で扱うと対象になりやすく、汎用的な使い方だけを教える研修は対象外です。
| 経費助成 | 中 |
|---|---|
| 賃金助成 | 1人1時間1,000円 |
| 対象の訓練 | OFF-JT・ |
| 計画届 | 訓練開始日の |
| 支給申請 | 訓練終了日の |
| 期限 | 令和8年度末 |
( )内は中小企業以外の事業主。出典はページ末尾の厚生労働省の資料(2026年10月6日に編集部が確認)。
助成金を 受けられる 会社
次の要件をすべて満たす事業主が対象です- 雇用保険の適用事業所の事業主であること(受講者は雇用保険の被保険者)
- 労働組合などの意見を聴いて事業内職業能力開発計画を作り、社員に周知していること
- 職業能力開発推進者を選んでいること
- 研修を受けさせている期間も、受講者に賃金を適正に支払っていること
- 審査に必要な書類を整備し、5年間保存していること
- 事業展開等実施計画(様式第1-3号)を作ること
中小企業かどうかは、主たる事業ごとに「資本金の額」か「企業全体で常時雇用する労働者の数」のどちらかが基準以下かで決まります。たとえばサービス業は資本金5,000万円以下または100人以下、その他の業種は3億円以下または300人以下です。
対象に なる AI研修・ ならない AI研修
令和8年8月3日以降の計画届から、線引きがはっきりしました対象になる訓練は、OFF-JT(通常の業務と分けて行う研修)で、実訓練時間が10時間以上あり、次のどれかに当てはまるものです。
- 1. 事業展開に伴い、新しい分野で必要になる専門的な知識・技能を身につける訓練
- 2. 社内のDX化・GX化を進めるうえで、関連する業務に必要な専門的な知識・技能を身につける訓練
- 3. 企業内の人事・人材育成の計画に基づき、3年以内に就く予定の職務に必要な知識・技能を身につける訓練
生成AIの研修は2のDX化で組むことが多くなります。8月の改正で、職務に間接的にしか関係しない内容や、職種を問わず共通して必要な内容は、DX化の研修でも対象外になりました。厚生労働省が示した例は次のとおりです。
- 対象
営業担当者が、
生成AIで 商品提案書の 構成案・ 文章を 作り、 直し方を 学ぶ研修 営業の具体的な業務に直結し、学んだ内容をそのまま使えるため対象(厚生労働省の例示)。
- 対象外
生成AIを
使う ための、 汎用的な プロンプトの 作り方を 学ぶ研修 特定の業務への具体的な適用を伴わない汎用的な内容のため対象外(同)。
- 対象外
DXの
概念、 デジタル技術の 概要、 データ活用の 考え方を 学ぶ研修 共通知識の習得にとどまり、業務に直接適用される内容ではないため対象外(同)。
- 対象外
社内で
使う ツールや システムの 操作方 法だけを 習う 研修 既存のアプリ・システムの操作方法を習得するだけの訓練や、自社で使う機器の操作説明は対象になりません。
同じ内容でも、誰が受けるかで判断が変わります。CO₂排出量の算定手順を学ぶ研修は、その業務を担当する人なら対象、人事や営業の人なら対象外という例も示されています。受講者の選び方まで研修会社と詰めてください。
助成額と 上限
経費は1人1訓練あたりの限度額があります| 実訓練時間 | 中小企業 | 中小企業以外 |
|---|---|---|
| 10時間以上 | 30万円 | 20万円 |
| 100時間以上 | 40万円 | 25万円 |
| 200時間以上 | 50万円 | 30万円 |
- ・上の表は経費助成の限度額(1人1訓練あたり)。eラーニング・通信制は中小企業15万円、大企業10万円です。
- ・賃金助成は1人1訓練あたり1,200時間が上限です。
- ・助成の対象になる受講は、1人につき1年度3回まで。うちeラーニングは1回までです(8月3日以降の計画届)。
- ・1事業所が1年度に受けられる助成額の上限は1億円です。
試算: 中 小企業が 20名に 10時間の AI研修を した 場合
研修費は仮の数字です前提は、中小企業が社員20名に、オンラインのライブ形式で実訓練時間10時間の研修を受けさせ、研修費の総額が200万円(1人10万円)だった場合です。全員が受講時間の要件を満たし、審査で全額が認められたものとして計算しています。
| 経費助成 | 200万円 × 75% = 150万円1人あたり7.5万円で、限度額の30万円に収まります |
|---|---|
| 賃金助成 | 1,000円 × 10時間 × 20名 = 20万円 |
| 助成の合計 | 170万円 |
| 研修費の | 200万円 − 150万円 = 50万円賃金助成の20万円は、研修中に払う賃金の一部に充てられる分です |
同じ条件で大企業なら、経費助成は200万円 × 60% = 120万円、賃金助成は500円 × 10時間 × 20名 = 10万円です。研修費は先に全額を払い、助成は審査のあとに入ります。資金繰りは立て替え前提で組んでください。
計画届から 支給申請までの 流れ
締切は訓練開始の1か月前。日程はそこから逆算します- 01
社内の
前提を 整える 計画届より前職業能力開発推進者を選び、事業内職業能力開発計画を作って社員に周知します。どちらも計画届を出す日までに必要です。
- 02
研修の
中身と 対象者を 決める 計画届の締切より前どの職務の、どの業務に使う研修かを決めます。汎用的な内容だけだと対象外になるので、カリキュラムの段階で業務との結びつきを書けるようにします。
- 03
計画届を
労働局へ出す 訓練開始日の6か月前〜1か月前職業訓練実施計画届(様式第1-1号)、事業展開等実施計画(様式第1-3号)、対象労働者一覧、カリキュラムなどを管轄の労働局へ。電子申請にはGビズIDが要ります。
- 04
研修を
実施し、 費用を 払う 訓練期間中通学制・オンラインのライブ研修は、受講時間が実訓練時間の8割以上の人が対象です。訓練中も賃金を適正に払い、研修費は支給申請までに全額払います。
- 05
支給申請
訓練終了日の翌日から2か月以内支給申請書(様式第4-2号)と必要書類を労働局へ。審査のうえ支給・不支給が決まります。計画届を出したことで支給が約束されるわけではありません。
よく ある 失敗
どれも支給されない理由として資料に書かれています計画届が
訓練開始の 1か 月前を 切った 提出期間を過ぎた計画届に基づく訓練は支給対象になりません。研修会社と日程を決める前に、労働局への提出日から逆算します。
汎用的な
プロンプト研修・ リテラシー研修だけで 組んだ 令和8年8月3日以降の計画届では、特定の職務に直結しないDX・GX化の研修は対象外です。受講者の職務と、研修で扱う業務を対応させます。
eラーニングを
同じ 社員に 年度内に 2回以上 入れた 8月3日以降の計画届に基づくeラーニングは、1人につき1年度1回までです。eラーニングは経費助成のみで、賃金助成はありません。
休憩や
オリエンテーションを 引くと 10時間を 下回った 食事休憩と移動時間は実訓練時間に入りません。開講式やオリエンテーションは1回の計画届で累計60分まで、小休止は1日累計60分までです。
研修会社から
返金や キャッシュバックを 受けた 負担額が実質的に減る支払いを受けると、研修費を全額負担したことになりません。「実質無料」をうたう提案は、厚生労働省も注意を呼びかけています。
時間外・
休日に 研修を して、 割増賃金を 払っていない 所定労働時間外や休日に受講させる場合は、割増賃金を含めて賃金を払う必要があります。また、時間外・休日の時間は賃金助成の対象になりません。
もう 1つの 候補: 人への 投資促進コース
研修の型によっては、こちらが合うこともあります人への投資促進コースは、高度なデジタル人材を育てる訓練、大学院での訓練、社員が自発的に受ける訓練、定額制(サブスクリプション型)の研修サービスなどを対象にしたコースです。全社員向けの生成AI研修よりも、エンジニアの専門的な育成や、受け放題型の研修サービスを使う場合に検討します。
| 訓練の種類 | 経費助成 | 賃金助成(1時間) |
|---|---|---|
| 高度デジタル人材訓練 | 75%(60%) | 1,000円(500円) |
| 定額制訓練 | 60%(45%)賃金要件などを満たすと75%(60%) | なし |
( )内は中小企業以外。要件はコースごとに異なり、高度デジタル人材訓練には対象になる訓練の条件があります。詳しくは厚生労働省の人への投資促進コースの資料で確認してください。
申請書類は 誰が 作るか
助成金の申請書類の作成や提出の代行は、社会保険労務士の業務です。自社で書類を作るか、社会保険労務士に依頼するかを、計画届の前に決めておきます。研修会社の中には、助成金の要件に沿ってカリキュラムや受講記録を整えてくれる会社もあります。
よく ある 質問
AI研修と助成金について、よくいただくご質問Q. AI研修に 使える 助成金は どれですか?+-

Q. 生成AIの プロンプト研修は 対象に なりますか?+-

Q. いつまでに 何を 出せばいいですか?+-

Q. eラーニングの AI研修でも 使えますか?+-

Q. 助成金は いくら戻りますか?+-

Q. 申請書類の 作成や 代行も お願い できますか?+-

Q. 研修会社の 紹介は 有料ですか?+-

出典 (厚生労働省)
- 厚生労働省「人材開発支援助成金」(制度ページ・各コースの資料)
- 事業展開等リスキリング支援コースのご案内 詳細版(令和8年8月3日版)
- 事業展開等リスキリング支援コースのご案内 詳細版(令和8年4月8日版)
- 事業展開等リスキリング支援コース改正:令和8年8月3日からの変更点について
2026年10月6日に編集部が確認。支給要領は年度途中にも改正されます。申請前に最新の資料と管轄の労働局で確認してください。
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