
【2026年最新】Amazon Q Developer完全ガイド|使い方・料金・Kiro CLIとの違いを徹底解説
AWSが提供するAIコーディングアシスタント「Amazon Q Developer」は、コード補完からセキュリティスキャン、レガシーコードの自動アップグレードまでこなすオールインワンツールです。2026年にはCLI版の後継として「Kiro」ブランドが登場し、エコシステムが大きく変わりました。この記事では、料金・使い方・競合比較をすべて網羅します。
この記事でわかること
- Amazon Q Developerの全機能と料金プラン(Free / Pro)
- VS Code・JetBrainsでの具体的なセットアップ手順
- Kiro IDE・Kiro CLIとAmazon Q Developerの関係と違い
- GitHub Copilot・Cursorとの料金・機能比較
- AWS開発者が得られる独自のメリット
30秒で結論
- 無料で始めたい → Amazon Q Developer Free(Builder IDだけでOK、AWSアカウント不要)
- チームで本格導入 → Pro($19/ユーザー/月、約2,850円)でセキュリティスキャンとエージェント無制限
- CLI派 → Kiro CLI(Q CLIの後継、無料枠あり)に移行すべき
- AWS以外もガッツリ使う → GitHub Copilot($10/月〜)やCursor($20/月)と併用も選択肢
- AWSインフラの操作・トラブルシュートに強いのはQ Developerだけの独自優位
Amazon Q Developerとは?AWSが本気で作ったAIコーディングアシスタント

Amazon Q Developerは、AWSが2024年に正式リリースしたAIコーディングアシスタントです。もともとは「Amazon CodeWhisperer」という名前で提供されていましたが、2024年4月にAmazon Qブランドに統合されました。
単なるコード補完ツールではありません。主な機能は以下の4つです。
1. IDE内コード生成(リアルタイム補完)
VS Code、IntelliJ IDEA、Visual Studio、Eclipse、JetBrains系IDEで動作します。Python、Java、JavaScript、TypeScript、C#、Go、Rustなど主要言語をサポートしており、コード補完はFreeプランでも無制限で利用できます。
2. Amazon Q Agent(自律型エージェント)
「この Lambda 関数に Favorites API を追加して」のようなプロンプトを入力すると、エージェントがリポジトリを分析し、計画を立て、コードを書き、テストまで実行します。Freeプランでは月5回、Proでは無制限(フェアユース)です。
3. コード変換(Code Transformation)
Java 8→Java 21、.NET Framework→.NET 8といったレガシーコードの自動アップグレードが可能です。依存関係の解決からシンタックスの書き換えまで自動化されるため、数ヶ月かかるマイグレーションが数日で完了するケースもあります。
4. セキュリティスキャン
OWASP Top 10に基づく脆弱性スキャンを実行し、修正コードまで提案します。Freeで月50回、Proで月500回以上のスキャンが可能です。
Amazon Q Developerの料金プラン|Free vs Pro の違い

Amazon Q Developerの料金体系はシンプルです。個人向けのFreeと、チーム・企業向けのProの2プラン構成になっています。
料金比較表
| 項目 | Free | Pro |
|---|---|---|
| 月額料金 | $0 | $19/ユーザー(約¥2,850) |
| 認証方式 | AWS Builder ID | IAM Identity Center |
| コード補完 | 無制限 | 無制限 |
| セキュリティスキャン | 月50回 | 月500回以上 |
| エージェント(機能開発) | 月5回 | 無制限(フェアユース) |
| コード変換 | 制限あり(1,000行/月) | フルアクセス(4,000行/月、超過$0.003/行) |
| カスタマイズ(RAG) | 不可 | 社内コードベースで学習可能 |
| 管理者コントロール | なし | ポリシー管理・SSO対応 |
Freeプランで十分なケース
個人開発者やフリーランスなら、Freeで十分実用的です。コード補完は無制限ですし、月5回のエージェント呼び出しも「週1回の大きめタスク」に使えば足ります。AWSアカウントすら不要で、Builder IDだけで始められるのは大きなメリットです。
Proに上げるべきタイミング
以下のいずれかに該当するなら、Proへの移行を検討してください。
- チームで利用し、セキュリティポリシーの管理が必要
- 社内リポジトリをコンテキストとして学習させたい(RAGカスタマイズ)
- レガシーJavaや.NETのマイグレーションを本格的に進めたい
- エージェント機能を月5回以上使いたい
$19/ユーザー/月(約¥2,850)は、GitHub Copilot Business($19/ユーザー/月)と同水準です。AWS環境での開発が中心なら、Q Developer Proの方がコストパフォーマンスが高くなります。
Amazon Q Developerの使い方|VS Codeでの設定手順

セットアップは5分で完了します。ここではVS Codeでの手順を解説しますが、JetBrains系IDEでも基本的な流れは同じです。
ステップ1: 拡張機能のインストール
VS Codeを開き、拡張機能マーケットプレイスで「Amazon Q」を検索してインストールします。
# コマンドパレットからもインストール可能
code --install-extension amazonwebservices.amazon-q-vscode
ステップ2: Builder IDでサインイン
インストール後、サイドバーに「Amazon Q」アイコンが表示されます。クリックして「Use for free with Builder ID」を選択し、ブラウザでサインインします。
Builder IDの作成はメールアドレスだけで完了します。AWSアカウントのクレジットカード登録は不要です。
ステップ3: コード補完の確認
任意のファイルを開いてコードを書き始めると、自動的にインライン補完が表示されます。Tabキーで受け入れ、Escで却下します。
# 例: Pythonでlambda_handler を書き始めると...
def lambda_handler(event, context):
# Amazon Q が自動でDynamoDBアクセスや
# レスポンス生成のコードを提案してくれる
ステップ4: チャットとエージェントの利用
サイドバーの Amazon Q パネルからチャットを開始できます。コードの説明、リファクタリング提案、バグ修正など、自然言語で指示できます。
/dev この関数にエラーハンドリングとリトライロジックを追加して
/dev プレフィックスを付けるとエージェントモードになり、複数ファイルにまたがる変更を自律的に実行します。
Kiro IDE・Kiro CLIとの関係|何が変わった?
2025年後半にAWSは「Kiro」ブランドを発表しました。Amazon Q Developerとの関係を整理します。
Kiro IDEとは
Kiro IDEは、VS Codeベースのスタンドアロンエディタです。Amazon Q DeveloperのIDE拡張機能とは別の製品で、「Spec駆動開発」という独自のワークフローを搭載しています。
仕様書(Spec)を先に定義し、それに基づいてAIがコード・テスト・ドキュメントを生成するアプローチが特徴です。
Kiro CLIとは
Kiro CLIは、Amazon Q Developer CLIの後継です。既存のQ CLIのワークフロー、サブスクリプション、認証はそのまま引き継がれます。
# インストール(macOS)
brew install --cask kiro-cli
# または直接ダウンロード
curl -fsSL https://kiro.dev/install.sh | bash
# ログイン
kiro-cli login
主な変更点は以下の通りです。
- コマンド名:
q→kiro-cli(qも引き続き動作) - ツール名の簡略化:
fs_read→read,execute_bash→shell - 設定パス:
~/.aws/amazonq→~/.kiro(旧パスからの自動コピーあり) - Autoエージェント搭載(複数モデルのインテリジェントルーター)
Kiroの料金プラン(クレジット制)
| プラン | 月額 | クレジット/月 | 対象 |
|---|---|---|---|
| Free | $0 | 50 | お試し・学習 |
| Pro | $20(約¥3,000) | 1,000 | 一般的な開発者 |
| Pro+ | $40(約¥6,000) | 2,000 | ヘビーユーザー |
| Power | $200(約¥30,000) | 10,000 | 大規模エージェントワークフロー |
クレジットの消費量はモデルによって変わります。Autoエージェント(デフォルト)は1.0x、Claude Opus 4.6は2.2x、Haiku 4.5は0.4xです。超過時は$0.04/クレジットで追加購入も可能です。
Q DeveloperとKiroの使い分け
- IDE拡張(VS Code/JetBrains)でコード補完 → Amazon Q Developer(従来通り)
- CLI でターミナルからAI開発 → Kiro CLI(Q CLIの後継)
- Spec駆動のプロジェクト開発 → Kiro IDE
Q Developerの利用者は焦って移行する必要はありません。既存のサブスクリプションや認証はKiro CLIでもそのまま使えます。
GitHub Copilot・Cursorとの比較|どれを選ぶべき?

AIコーディングツールは群雄割拠です。主要3ツールを料金・機能で比較します。
料金比較
| ツール | 無料プラン | 個人有料 | チーム向け |
|---|---|---|---|
| Amazon Q Developer | あり(補完無制限) | Pro $19/月(約¥2,850) | Pro同額 |
| GitHub Copilot | あり(制限付き) | Pro $10/月(約¥1,500) | Business $19/月 |
| Cursor | あり(制限付き) | Pro $20/月(約¥3,000) | Business $40/月 |
機能比較
| 機能 | Amazon Q Developer | GitHub Copilot | Cursor |
|---|---|---|---|
| コード補完 | ◎ | ◎ | ◎ |
| チャット | ◎ | ◎ | ◎ |
| エージェント | ◎(自律型) | ◎(Copilot Workspace) | ◎(Composer) |
| セキュリティスキャン | ◎(標準搭載) | △(別途Advanced Security) | × |
| コード変換 | ◎(Java/. NET特化) | × | × |
| AWS統合 | ◎(ネイティブ) | △ | △ |
| 対応IDE | VS Code, JetBrains, Eclipse等 | VS Code, JetBrains等 | Cursor専用 |
こんな人にはAmazon Q Developer
- AWSインフラの構築・運用が日常業務
- レガシーJava/.NETのマイグレーションが控えている
- セキュリティスキャンをコーディングフローに組み込みたい
- AWSアカウントなしで手軽にAI補完を試したい(Freeプラン)
こんな人にはGitHub Copilot
- GitHubとの連携を最重視する
- 月$10で始めたい(個人の場合、最安)
- GitHub Actions との統合やPRレビュー支援が欲しい
こんな人にはCursor
- 単一IDEで完結させたい
- Composerでマルチファイル編集を多用する
.cursorrulesでチームのコーディング規約をAIに学習させたい
正直なところ、2026年のAIコーディング市場は「どれも優秀」です。クラウドがAWS中心ならQ Developer、GitHub中心ならCopilot、IDE体験を最優先ならCursorが最適解。併用しているチームも少なくありません。
Amazon Q Developerの実践的な活用テクニック
AWS CLIトラブルシューティング
Q Developerは AWS の各サービスに精通しています。CloudWatch のエラーログを貼り付けて「この Lambda のタイムアウトの原因を分析して」と聞くだけで、具体的な対策を提示してくれます。
# Q Developer チャットでの例
「このCloudFormationテンプレートをCDK v2のTypeScriptに変換して。
既存のリソースはインポートする想定で。」
セキュリティスキャンの自動化
コミット前にセキュリティスキャンを走らせるフローが便利です。
# VS Code のタスクに登録する例
# .vscode/tasks.json
{
"label": "Q Security Scan",
"type": "shell",
"command": "echo 'Amazon Q: Run Security Scan from Command Palette'"
}
コマンドパレットから Amazon Q: Run Security Scan を実行すると、開いているプロジェクト全体をスキャンし、脆弱性を一覧表示します。
コード変換の実行
Java 8プロジェクトをJava 21に変換する例です。
# コマンドパレットで実行
Amazon Q: Transform Code
# または チャットで
「このプロジェクトをJava 8からJava 21にアップグレードして」
変換エージェントが依存関係の解決、非推奨APIの置き換え、テストの修正までを自動で行います。大規模プロジェクトでは、変換計画をレビューしてから実行を承認するステップがあるため安心です。
よくある質問(FAQ)
Q: Amazon Q DeveloperとAmazon Q Businessの違いは?
A: Amazon Q Developerはソフトウェア開発者向けのコーディングアシスタントです。Amazon Q Businessは企業の業務全般(社内ドキュメント検索、データ分析、タスク自動化)を支援するツールで、対象ユーザーが異なります。
Q: AWSアカウントがなくても使える?
A: はい。FreeプランはAWS Builder ID(メールアドレスだけで作成可能)で利用でき、AWSアカウントのクレジットカード登録は不要です。
Q: GitHub Copilotから乗り換えるメリットは?
A: AWSが開発の中心なら大きなメリットがあります。AWS固有のコード提案品質、セキュリティスキャンの標準搭載、コード変換機能はQ Developer独自の強みです。ただし、GitHubとの連携はCopilotの方が優れているため、環境に応じて判断してください。
Q: Kiroに完全移行すべき?Q CLIはいつまで使える?
A: 現時点ではQ CLIのコマンド(q)は引き続き動作します。ただし新機能はKiro CLIに追加されていくため、中長期的にはKiro CLIへの移行がおすすめです。設定ファイルはインストール時に自動コピーされるため、移行コストはほぼゼロです。
Q: 日本語でチャットできる?
A: はい、日本語での質問・指示に対応しています。ただし、コード生成のコメントや変数名は英語で出力されることが多いです。
Q: 生成されたコードの著作権はどうなる?
A: Amazon Q Developerが生成したコードは、利用規約上ユーザーが自由に使用できます。Proプランでは、オープンソースコードの引用フィルター機能があり、ライセンスが必要なコードの混入リスクを軽減できます。
Q: オフラインで使える?
A: いいえ。Amazon Q Developerはクラウドベースのサービスのため、インターネット接続が必要です。ローカルLLMを使いたい場合はOllamaなどの別ツールを検討してください。
Q: 対応プログラミング言語は?
A: Python、Java、JavaScript、TypeScript、C#、Go、Rust、Ruby、PHP、Kotlin、Swift、Scala、Shell(Bash)など、主要言語のほぼすべてに対応しています。特にPythonとJavaはAWSサービスとの連携コード生成の品質が高いです。
