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広報のAIツール比較5選|月725円から始める業務別の使い分け (2026年版)
この記事のポイント
「広報でもAIを使ってくれ」と役員に言われた翌朝、入力欄を開いたまま10分固まる。あるあるです。
止まる理由はツール選びではありません。どの仕事をAIに渡すかが決まっていないからです。プレスリリースの執筆、記者の下調べ、SNSの展開文、想定Q&A。この4つは求められる力がまるで違います。同じ1本に全部やらせれば、必ずどこかが崩れる。
ここでは主要5本を業務ごとに割り当て直します。料金の組み方と、情報が漏れる落とし穴まで。
広報向けAIツールとは?|汎用型とリサーチ型で設計思想が真逆
広報向けAIツールとは、プレスリリース執筆・メディアリサーチ・SNS運用・想定Q&A作成といったPR業務を生成AI(文章や画像を作るAI)に肩代わりさせるソフトの総称です。大きく汎用型とリサーチ型の2つに分かれ、得意分野が正反対に振れています。

汎用型は会話しながら文章を組み立てるタイプ。ChatGPT・Claude・Geminiがここに入ります。それらしい日本語を作るのは圧倒的にうまい反面、事実確認は苦手です。
リサーチ型は検索して出典付きでまとめるタイプ。FeloとGensparkが代表格です。どこから拾った情報かを示してくれる代わりに、敬語だらけの日本語プレスリリースを書かせると文章が硬くなります。
ここが最初の分かれ道。「調べる仕事」と「書く仕事」を同じ道具でやろうとした瞬間、どちらかの品質が落ちます。
では、広報の業務そのものはどう割れるのか。
広報の仕事を4つに割る|調べる・書く・広げる・答える
広報の実務は「調べる」「書く」「広げる」「答える」の4領域に分解できます。AIが本当に効くのは前半2つ、つまり白紙から書き始める時間と、情報を集めて並べ直す時間です。

判断と関係づくりは人の仕事のまま残ります。記者と信頼を積むのも、炎上の火加減を読むのもAIにはできません。
業務ごとのAIの効き方と担当ツールを並べます。
| 業務領域 | 具体的な作業 | AIの効き方 | 向いているツール |
|---|---|---|---|
| 調べる | 競合の発表、業界データ、記者の担当領域 | 出典付きで集める。下調べの時間が縮む | Felo / Genspark |
| 書く | プレスリリース、媒体別の書き分け | 下書きまで。最終稿は人の手 | Claude / ChatGPT |
| 広げる | X・LinkedIn・自社ブログへの展開 | 1本の原稿から複数版を量産 | ChatGPT / Gemini |
| 答える | 想定Q&A、社内ヒアリングの要約 | 抜け漏れの洗い出しに強い | Gemini / Claude |
つまり、AIに渡すのは「素材づくり」と「量産」の2工程だけ。ここを切り分けておくと、ツール選びの迷いがほぼ消えます。
配信先が増えたことも背景にあります。PR TIMES、@Press、自社サイト、note、X、LinkedIn。同じ発表を6か所に最適化して出すなら、トーンを6通り書き分ける必要がある。手作業なら半日が飛びます。
比較表|広報向けAIツール5本の料金・無料枠・得意分野
料金・無料枠・強み・弱みの4軸で5本を並べました。各社の公開情報をもとにしています。

| ツール | 有料の目安 | 無料枠 | 強み | 弱み |
|---|---|---|---|---|
| ChatGPT | 月20ドル(Plus) | あり | 汎用性。SNS向けの書き分けが速い | 長文で文体がぶれる |
| Claude | 月20ドル前後(Pro)/年額契約で約17ドル | あり | 日本語の敬語と長文の一貫性 | リアルタイム検索が弱い |
| Gemini | 月725円(Google AI Plus)/月2,900円(Google AI Pro) | あり | Gmail・ドキュメントとの連携 | 出力が冗長になりがち |
| Felo | 月2,099円(Pro) | あり | 日本語リサーチと出典表示 | 書く機能は限定的 |
| Genspark | 月20ドル前後 | あり | 調べる→まとめる→資料化が一本 | 上位プランは割高 |
つまり、全部入りは存在しません。汎用ならChatGPT、文章品質ならClaude、社内資産との連携ならGemini、日本語の下調べならFelo、調査から資料化までならGenspark。この5分割が2026年時点の現実です。
料金で見逃せないのがGoogle AI Plusの月725円。5本のなかで最安の有料入口です。Googleドキュメントに社内資料が溜まっている会社なら、費用対効果は破格。
無料枠についても補足を。Geminiは無料版でも画像生成・編集、ディープリサーチ、Canvas、Gems、NotebookLMが使えます。かなり太っ腹な構成。いきなり課金せず、まず無料版で自社の原稿を1本流してみるのが正解です。
では、業務ごとにどれを当てるのか。
プレスリリースの下書きはどのAIに任せるべき?|Claudeが一択の理由
プレスリリースの下書きはClaudeです。理由は日本語の敬語が崩れにくいこと、そして2,000字を超えても文体が一定に保たれること。
プレスリリースの日本語は独特です。「〜いたしました」「〜の運びとなりました」といった型が決まっていて、ここが半端だと配信前に広報部長から赤が入ります。ChatGPTは途中で「です・ます」と「である」が混ざることがある。Claudeはここが安定しています。
渡す材料はこの4つで足ります。
- 発表の事実(何を、いつ、誰に)
- 数字(金額・件数・日付。ここは絶対に人が用意する)
- 引用コメント(社長・責任者の生の言葉)
- 過去のリリース2本(トーンの見本として)
過去のリリースを一緒に渡すのが効きます。自社の型を読ませてから書かせると、赤入れの量が目に見えて減る。
注意点が1つ。AIは数字を勝手に作ります。「前年比130%」のような具体的な数字を、指示していないのに書いてくることがある。これがAIがそれっぽい嘘をつくこと(ハルシネーション)です。数字だけは必ず1つずつ原本と照合してください。
書けたら、次は配る相手を調べる番です。
メディアと記者を調べるならどのツール?|Feloが日本語で強い
メディアリサーチはFelo。日本語の検索結果を出典付きでまとめる精度が、この用途では頭ひとつ抜けています。
調べたいのは主にこの3つ。
- 自社の領域を担当している記者は誰か
- その媒体が最近どんな切り口の記事を出しているか
- 競合が直近でどんな発表をしたか
Feloに投げるときは「◯◯業界SaaS記事2026年」のように業界と期間を区切ります。ぼんやり「AI記者」と投げても使えるものは返ってきません。
出典リンクが付くのが一番の価値です。返ってきたURLは必ず開いて中身を見る。AIの要約だけで記者にメールを送ると、担当が変わっていて空振りします。

調査から企画書づくりまで一気に走らせたいならGensparkという選択もあります。1回の指示で調べて、表にまとめて、スライドまで作る。広報企画を役員に上げる場面で重宝します。
集めた情報を社内で回すなら、次の話が効いてきます。
社内資料と混ぜて答えさせる|Geminiの土俵
想定Q&Aと社内ヒアリングの要約はGeminiが向いています。理由はGoogleドキュメント・スプレッドシート・Gmailを直接読みに行けるから。
広報の情報源は社内に散らばっています。開発の仕様書、営業の議事録、過去の問い合わせ対応。これを毎回コピペしてAIに貼るのは現実的じゃない。
Geminiなら「このドキュメントを読んで、記者から突っ込まれそうな質問を20個出して」で済みます。ファイルを開かせるだけ。
想定Q&Aは、聞かれたくない質問こそ先に出させるのがコツです。
- 競合と比べて何が弱いのか
- 価格の根拠は何か
- 過去の不具合との関係はあるか
- 数字の出し方は妥当か
AIは忖度しません。人が書くと無意識に避ける質問を、平気で並べてきます。 ここが人の会議より優れている点。
弱点は出力の冗長さ。「500字以内」「箇条書きで」と長さを毎回指定してください。指定しないと3倍の量が返ってきます。
料金の話に戻ります。
広報のAIツールは月いくらから始められる?|月725円から始めて必要になったら足す
最安の入口はGoogle AI Plusの月725円です。ここから始めて、足りない仕事が見えたら1本足す。この順番が失敗しません。
ひとり広報と少人数チームで、現実的な組み合わせを並べます。
| 体制 | 組み合わせ | 月額の目安 | 想定する使い方 |
|---|---|---|---|
| ひとり広報・試用中 | Gemini無料+ Felo無料 | 0円 | まず自社の原稿を1本通してみる |
| ひとり広報・本格運用 | Claude Pro単体 | 約3,000円 | 書く仕事が業務の大半 |
| 2〜3人チーム | Google AI Plus + Claude Pro | 約3,700円/人 | 書く+社内資料連携 |
| 発表が週1本以上 | 上記+ Genspark | 約6,700円/人 | 企画書と資料まで作る |
つまり、いきなり3本契約する必要はありません。まず1本、Google AI Plusの月725円から。書く仕事が中心なら最初の1本はClaude Proの月3,000円台になります。足りない部分がはっきりしてから足す。
年払いの割引にも触れておきます。Claudeは年額契約で月17ドル相当まで下がります。1年使うと決めているなら年払いが得。ただし、広報のツールは半年で最適解が変わる世界です。最初の1年は月払いで様子を見るのが無難でしょう。
APIの料金にも一言。OpenAIの現行世代GPT-5.6は、中位のterraが入力100万トークン(AIが扱う文字のかたまり)あたり2ドル、出力12ドルという公式提示です。ただ広報業務でAPIを直接叩く場面はほぼありません。月額プランで十分です。
料金より怖い落とし穴が、次の話です。
解禁前の情報をAIに貼っても大丈夫?|学習データ除外の確認手順
ここが広報でAIを使う上で最大のリスクです。解禁前のプレスリリースを個人向けプランに貼ると、会話がモデルの改善に使われる可能性があります。
主要3本の考え方はこう整理できます。
| プラン種別 | 学習利用の扱い | 広報での判断 |
|---|---|---|
| 個人向け無料 | 設定次第。既定でオンの場合あり | 解禁前情報は貼らない |
| 個人向け有料 | 設定でオフにできることが多い | 設定を確認してから使う |
| 法人向け(Team/Business等) | 既定で学習に使われない設計 | 解禁前情報を扱うならここ |
やることは3つだけです。
- 契約中のプランの設定画面を開き、学習利用の項目を確認する
- オフにできるならオフにする
- オフにできないなら、解禁前情報は貼らない運用に決める
そして社内ルールを1枚にまとめてください。「解禁前は法人プランのみ」「固有名詞は伏せ字」といった線引きを、口頭ではなく文書で。広報が漏らしたら、その時点で発表そのものが飛びます。
もう1つ。AIが作った文章をそのまま配信するのも危険です。数字と固有名詞の照合は人の最終確認を必ず挟む。この2段構えが崩れると、事故は必ず起きます。
導入の順番に進みます。
導入の進め方|2週間で回るようにする現実的な段取り
いきなり全業務をAIに寄せると、必ず途中で止まります。1業務ずつ乗せるのが現実的です。
2週間で組む段取りを置いておきます。
| 期間 | やること | 判断ポイント |
|---|---|---|
| 1〜3日目 | 無料版で過去のリリース1本を再現させる | 自社の型を再現できるか |
| 4〜7日目 | 1本課金してメディアリサーチを回す | 下調べ時間が実際に減ったか |
| 8〜11日目 | SNS展開文を6媒体分作らせる | 赤入れが半分以下になるか |
| 12〜14日目 | 学習除外設定と社内ルールを文書化 | 解禁前情報の線引きが明文化されたか |
つまり、最初の1週間は「本当に速くなるか」の検証に使う。ここを飛ばして全社展開すると、使われないツールの契約だけが残ります。
効果の測り方も決めておいてください。測るのは1つで十分です。プレスリリース1本にかかる時間。導入前に3本分の実績を記録しておくと、比較ができます。
編集部の評価|5本とも無料枠で判断できる
公開されている料金と機能から見た、率直な評価です。
Claudeは、ひとり広報にとって一択です。日本語の敬語と長文の一貫性という一点で、プレスリリース業務との相性が抜きん出ています。リアルタイム検索の弱さは、リサーチをFeloに分ければ問題になりません。
Geminiは月725円という価格が破格。Google Workspaceを使っている会社なら、社内資料との連携だけで元が取れます。出力の冗長さは指示で抑えられるので、致命傷ではありません。
Feloは日本語リサーチ専用機として重宝します。書く機能は限定的なので、これ1本で完結させようとすると正直イマイチ。役割を絞れば強い。
ChatGPTは汎用性が圧倒的な代わりに、広報業務に限れば「一番になる場面」が少ないのが実情です。すでに社内で使っているなら追加契約は不要でしょう。
Gensparkは調査から資料化までの一本通しが強み。ただし発表が月1本のチームには過剰です。週1本以上出す体制になってから検討すれば十分。
5本とも無料枠を持っています。なかでもGemini・Felo・ChatGPTは無料のまま実務量をこなせる幅があり、課金前に自社の原稿で判断がつきます。判断材料を無料で取れるのに、いきなり課金する理由はありません。
よくある質問(FAQ)
Q. 広報のAIツールは結局どれを最初に入れるべきですか?
ひとり広報ならClaudeです。広報業務の重心が「書く」にあるうえ、日本語の敬語が崩れにくいから。Google Workspaceが社内の中心なら、月725円のGoogle AI Plusから始めてGeminiを試す手もあります。
Q. 無料版だけで広報業務は回せますか?
下調べと下書きの初稿までなら回せます。GeminiとFeloは無料枠がしっかりしていて、まず試すには十分。ただし解禁前の情報を扱うなら、学習利用の設定を確認するか、法人向けプランに上げてください。
Q. AIが書いたプレスリリースをそのまま配信していいですか?
だめです。数字と固有名詞は必ず人が原本と照合してください。AIは指示していない数字を作ることがあります。「前年比◯%」のような数字が勝手に入っていないか、1つずつ確認する。ここは省略できません。
Q. リサーチ型と汎用型、両方契約する必要はありますか?
発表が月1本程度なら1本で足ります。週1本以上出すなら、書く用とリサーチ用の2本体制が効率的です。組み合わせても1人あたり月3,700円前後。人件費と比べれば安い投資です。
Q. 社内で使うときのルールはどこまで決めるべきですか?
最低限、「解禁前情報をどのプランなら貼っていいか」の1点だけは文書にしてください。口頭ルールは必ず破られます。あわせて、AI出力を配信する前の照合担当者も決めておくと事故が減ります。
次に読むならこれ
社内の文書管理までAIに寄せたいなら、生成AIの導入手順を整理した記事を読むと、広報だけでなく部門横断の設計が見えてきます。ツール単体の比較より、全社でどう配るかの話が先に決まっている方が、広報の導入もスムーズです。
各ツールの公式サイト(一次情報)
料金・機能・対応範囲は各社公式が一次情報です。本記事は公開時点の公開情報に基づきますが、最新かつ正確な条件は必ず各公式ページで確認してください。
- ChatGPT — 公式サイト(AI PICKSの詳細)
- Claude — 公式サイト(AI PICKSの詳細)
- Gemini — 公式サイト(AI PICKSの詳細)
- Felo — 公式サイト(AI PICKSの詳細)
- Genspark — 公式サイト(AI PICKSの詳細)
