Recursion AIとは
Recursionは細胞画像の大規模解析と機械学習を組み合わせ、新薬候補の探索期間を従来比で大幅に短縮する米国の上場AI創薬企業。自社ラボで週単位に生成される数百万枚規模の細胞画像から、疾患メカニズムや薬効を計算的に絞り込み、製薬企業の前臨床パイプラインを加速する。研究開発リーダーやライセンス提携担当者が、ハイスループット表現型スクリーニングを外部活用したい場面で検討対象になる。
主要機能
- フェノミクス・プラットフォーム: 数十ペタバイト規模の細胞画像と遺伝子摂動データを基盤として保有し、化合物の作用機序を高次元の「マップ」に変換
- AI分子マッピング: 化合物・遺伝子・疾患の関係性を埋め込みベクトル化し、人手で数ヶ月かかる候補絞り込みを数日単位に短縮
- BioHiveスーパーコンピュータ: NVIDIA DGXクラスタを自社運用し、学習・推論を内製化することで外部クラウド依存を排除
- 大規模パートナーシップ: バイエル、ロシュ、ジェネンテックなど世界的製薬と数十の共同プログラムを推進し、複数の臨床候補を実装
編集部の検証メモ
公開IR資料と提携発表を比較検討した限り、InsitroやAtomwiseが分子構造ベースのアプローチを取るのに対し、Recursionは表現型ベース(細胞の見た目から逆算)に特化している点が差別化軸。従来の創薬で候補化合物が前臨床に到達するまで4-6年かかる工程を、同社の公表事例では概ね18ヶ月程度に圧縮しており、製薬企業から見れば年間数十億円規模の研究費圧縮余地がある。一方、商業ライセンスは個別交渉かつ料金非公開で、中小バイオテックには事実上アクセス困難である点は留意したい。
想定ユーザー
製薬大手の研究開発部門、希少疾患領域でフェノミクス探索を外注したいバイオテック、新規モダリティのIP提携を探す投資ファンドに向く。一方、社内に独自の細胞ライブラリを保有しすでに自走している企業や、ターゲットが既知で最適化フェーズに入っている個別案件にはオーバースペックで不向き。


