この記事のポイント Cortex(内部開発者ポータル)の使い方・料金を徹底解説。サービスカタログ、スコアカード、オーナーシップ管理の機能。Backstage・Port・OpsLevelとの比較も。

この記事の要点

  • Cortexとは何か、内部開発者ポータル(IDP)の役割
  • サービスカタログ・スコアカード・インシデント管理の機能
  • 料金プランと導入条件
  • セットアップ手順とGitHub/PagerDuty連携
  • Backstage・Port・OpsLevelとの比較
  • 導入に適した組織の条件

30秒で結論

Cortexは内部開発者ポータル(IDP)を提供するSaaSで、マイクロサービスの所有者・依存関係・品質スコアを一元管理できます。料金体系はStarterの無料枠と有料プラン(Team/Enterprise)で構成されますが、サービス数に応じた具体的な金額は公式サイトで要問い合わせです(2026年5月時点)。SpotifyのBackstage(OSS)と比べてSaaSとして管理画面で完結し、非エンジニアでも操作しやすいのが強みです。マイクロサービスが50以上ある組織で特に効果を発揮します。

Cortexとは

Cortexは2020年に設立されたサンフランシスコのスタートアップが提供する内部開発者ポータル(Internal Developer Portal, IDP)です。シリーズBで$35Mを調達しており、DoorDash、TripAdvisor、Grammarly等の企業が導入しています。

内部開発者ポータルとは

マイクロサービスアーキテクチャを採用する企業では、サービス数が100を超えると「誰がどのサービスを所有しているか」「このサービスのAPIドキュメントはどこか」「デプロイ頻度やSLOはどうか」といった情報が散逸します。

内部開発者ポータルは、これらの情報を1箇所に集約し、開発チームの生産性を向上させるツールです。

主な機能

  1. サービスカタログ — 全サービスの一覧・オーナー・依存関係・ドキュメントを集約
  2. スコアカード — サービスの品質をスコア化(テストカバレッジ、デプロイ頻度、SLO準拠率等)
  3. インシデント管理連携 — PagerDuty・OpsGenie連携でオンコール情報を表示
  4. カスタムルール — 「本番サービスにはREADMEが必須」などのルールを定義し、準拠度を可視化
  5. API統合 — GitHub、GitLab、Datadog、AWS、GCP等から自動でデータ取得

料金プラン(2026年5月時点、公式参照)

プラン月額料金サービス上限主な機能
Starter無料枠あり(要問い合わせ)公式参照カタログ、基本スコアカード
Team要問い合わせ公式参照カスタムスコアカード、インテグレーション
Enterprise要問い合わせ無制限SSO、監査ログ、SLA保証

※具体的な金額・サービス上限は公式 cortex.io で見積もり取得が必要です(2026年5月確認)。

コスト目安

サービス数に応じた具体的な金額は公式 cortex.io で見積もりを取得してください(2026年5月時点、料金体系は要問い合わせ)。

Backstage(OSS)との比較

SpotifyがOSSとして公開したBackstageは無料ですが、セットアップと運用に相当なエンジニアリング工数が必要です。

CortexBackstage
料金公式要問い合わせ無料(OSS、自社インフラ・保守工数別途)
セットアップ時間数日〜(規模次第)数週間〜(規模・要件次第)
運用コストSaaSの月額のみインフラ・保守体制次第(小規模は兼任で運用する組織も、大規模では専任を置く組織もある)
プラグイン開発不要(GUI設定)TypeScript開発が必要
カスタマイズ性
日本語対応

50サービス以下・エンジニア20名以下 → Cortex(セットアップの早さ優先) 100サービス以上・プラットフォームチームあり → Backstage(カスタマイズ性優先)

セットアップ手順

Cortexのセットアップ連携フローを示す構成図

1. アカウント作成

cortex.io でアカウントを作成。Starterプランなら即時利用可能。

2. GitHub連携

Settings → Integrations → GitHub → Install GitHub App

Cortex GitHub Appをインストールすると、リポジトリ情報が自動で取り込まれます。

3. サービス定義ファイルの追加

各リポジトリのルートに cortex.yaml を配置します。

要点 (30秒で読める答え): Cortexはサービスカタログ、スコアカード、オーナー管理を統合するSaaS型内部開発者ポータル(IDP)です。料金は公式で要問い合わせで、SaaSとしてBackstageより短期間で導入しやすいのが特長です(2026年5月時点)。

Cortexのエンティティ記述子は OpenAPI 3.0.1 形式を拡張し、x-cortex-* フィールドでサービス情報を定義します。最小例は以下のとおりです(フィールド名・必須項目は更新される可能性があるため、必ず公式ドキュメントの Entity Descriptor 仕様を最新版で確認してください)。

# cortex.yaml
openapi: 3.0.1
info:
  title: User Service                 # サービス表示名
  description: ユーザー管理サービス
  x-cortex-tag: user-service          # Cortex内でのサービス識別子(一意)
  x-cortex-type: service              # エンティティ種別
  x-cortex-git:                       # Gitリポジトリ連携
    github:
      repository: myorg/user-service
  x-cortex-owners:                    # オーナーチーム
    - type: group
      name: backend-team

4. スコアカードの設定

GUI上でスコアカードを作成します。

例:Production Readinessスコアカード

  • READMEが存在する(+10点)
  • テストカバレッジ80%以上(+20点)
  • デプロイパイプラインが設定済み(+15点)
  • オーナーが設定されている(+10点)
  • アラートルールが設定済み(+15点)
  • APIドキュメントが公開済み(+10点)
  • 依存関係が最新(+20点)

活用パターン

サービス所有者と品質スコアの可視化イメージ

パターン1:サービスオーナーシップの明確化

「このサービスの担当者は誰?」がSlackで毎日飛び交うチームに。Cortexに全サービスのオーナーを登録しておけば、検索一発で担当チーム・オンコール担当者がわかります。

パターン2:品質の底上げ

スコアカードで「本番リリース前に満たすべき基準」を定義し、スコアが低いサービスを可視化。チーム間の健全な競争が生まれ、全体の品質が底上げされます。

パターン3:オンボーディング高速化

新メンバーが「このサービスは何をしていて、誰が担当で、APIはどこにあるか」をCortexだけで把握可能。ドキュメントが散在している問題を根本解決します。

IDP 4社比較

特徴CortexBackstagePortOpsLevel
提供形態SaaSOSSSaaSSaaS
無料プラン無料枠あり(要問い合わせ)完全無料無料枠あり(要問い合わせ)なし
有料プラン要問い合わせ無料(運用コスト別途)要問い合わせ要問い合わせ
セットアップ1-2日2-4週間1-2日3-5日
スコアカードプラグインで可
ワークフロー自動化
日本語対応
コミュニティ

AI PICKSの独自評価

AI PICKSでは、500以上のAIツールを独自の評価基準でスコアリングしています。外部レビュー・SNSバズ・トレンド指数・サイト人気度・プロダクト品質の5軸で総合評価しています。

GitHub Copilotの総合スコア: 90点 / 100点満点

  • ユーザー評価: 4.5点(3245件のレビュー)

編集部の検証メモ

検証の観点

内部開発者ポータル(IDP)は組織のマイクロサービス規模・既存ツールチェーン・運用体制によって最適解が大きく変わります。今回は公開情報をもとに以下3軸で整理しました。

  1. 導入コスト — セットアップの手間と料金体系
  2. 拡張性 — プラグイン・カスタムルール・API連携の柔軟性
  3. 運用負荷 — 非エンジニアでも扱えるか、自社運用の必要性

公開情報からの比較整理

項目CortexBackstagePortOpsLevel
提供形態SaaSOSS(セルフホスト)SaaSSaaS
料金(公式参照)要問い合わせ無料(運用コスト別途)無料枠あり要問合せ
セットアップ管理画面で完結YAML/コード中心ノーコード構成可管理画面で完結
日本語UI非対応非対応非対応非対応
カスタマイズスコアカード中心プラグインで自由ブループリント方式スコアカード中心

※料金・無料枠は変動するため、導入前に各公式サイトで最新情報の確認が必要です。

編集部の総合判断

  • マイクロサービス50以上で運用工数を最小化したい組織 → Cortex。SaaSかつスコアカード中心の設計で、プラットフォームエンジニアが小規模でも回しやすい構成です。
  • OSSで自由にカスタマイズしたい・予算より自社制御を優先する組織 → Backstage。プラグインエコシステムが豊富な反面、専任チームが必要になります。
  • ノーコードで素早く立ち上げたい組織 → Port。ブループリント方式でモデリングが柔軟、初期導入のハードルが低い構成です。

選定の際は、公式の料金ページと機能リストを最新版で確認することをおすすめします。

よくある質問(FAQ)

Q. Cortexはコードを書かずに使えますか?

基本機能はGUI操作のみで利用可能です。サービスカタログの閲覧、スコアカードの確認、検索はすべてブラウザ上で完結します。ただし、cortex.yaml の設定ファイルをリポジトリに追加する作業はエンジニアが行う必要があります。

Q. マイクロサービスでなくても使えますか?

はい、モノリスアーキテクチャでも利用可能です。リポジトリ単位・チーム単位でサービスを定義できるため、「バックエンド」「フロントエンド」「インフラ」のような粒度でも管理できます。ただし、マイクロサービスが50以上ある組織で最も効果を発揮します。

Q. セキュリティは大丈夫ですか?

SOC 2 Type II認証を取得しています。データの暗号化(転送中・保存時)、SSO、監査ログ、IP制限などのセキュリティ機能が揃っています。Enterpriseプランではカスタムデータ保持ポリシーも設定可能です。

Q. Datadog・PagerDutyとの連携はどう動きますか?

Datadogからはサービスのメトリクス(レイテンシ、エラー率、スループット)を自動取得し、スコアカードの評価に使えます。PagerDutyからはオンコールスケジュール・インシデント情報を取得し、各サービスの「現在の担当者」をリアルタイム表示します。

Q. 導入に反対する人がいる場合はどう説得しますか?

最も効果的なのは「インシデント発生時に担当者を見つけるまでの時間」を計測して見せることです。多くの組織では、担当者特定に平均15-30分かかっています。Cortex導入後はこれが数秒になります。この時間短縮×インシデント件数で年間コストを算出すると、ROIが明確になります。

Q. Backstageから移行できますか?

Backstageの catalog-info.yaml の構造は cortex.yaml と類似しているため、変換は比較的容易です。Cortex公式にもBackstageからの移行ガイドが用意されています。

関連記事