
株式会社リコー AIサービス事業部
リコーグループのAI事業中核を担う組織で、リコーデジタルサービスビジネスユニット内に位置する。本部長は梅津良昭。1980年代から続くAI研究の蓄積を背景に、マルチモーダル大規模言語モデル(LLM)と業務特化型AIエージェントを自社開発している。提供サービスは社内ドキュメント検索「RICOH デジタルバディ」、ノーコードAIアプリ構築の「Dify導入支援」、機密データを社内に留めたまま運用できる「RICOH オンプレLLMスターターキット」など。2023年3月にはGPT-4o相当の独自LLMを公開し、損害保険ジャパンとの保険業務特化マルチモーダルLMM共同開発が経済産業省GENIACに採択された。東京都港区品川シーズンテラスのRICOH BUSINESS INNOVATION LOUNGE TOKYO(BIL TOKYO)を拠点に経営層との対話型ワークショップを展開。北陸地域では石川県産業DX推進セミナーに講師を派遣するなど、中小企業のDX支援にも踏み出している。
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株式会社リコーのAIサービス事業本部は、リコーデジタルサービスビジネスユニット内に置かれた組織だ。本部長は梅津良昭が務めている。同氏は対外発信の中心人物でもあり、ソーシャル経済メディアNewsPicksの対談企画や日経クロステック Special誌のインタビューなどを通じて、リコー流のAI導入支援を語ってきた。前身となるAIインテグレーションセンター時代から組織再編を経て、現体制では生成AI領域のプロダクト開発と顧客への導入伴走を一気通貫で担う。所在地は東京都港区港南1丁目2-70の品川シーズンテラス18階。同フロアには価値共創拠点「RICOH BUSINESS INNOVATION LOUNGE TOKYO(以下、RICOH BIL TOKYO)」が併設されており、経営層を招いたワークショップやプロトタイピングの場として機能している。 中核サービスは三系統に整理できる。一つ目は社内ドキュメント検索の「RICOH デジタルバディ」で、マニュアルや議事録、設計資料といった非構造データを横断的に参照し、現場担当者の問い合わせ業務を肩代わりする。二つ目は「Dify導入支援」だ。OSS のノーコードAIアプリ構築基盤 Difyを企業環境に組み込み、業務部門が自前で対話型アプリを設計できる状態まで持ち上げる。三つ目は「RICOH オンプレLLMスターターキット」。クラウドにデータを送れない金融・製造領域に向けて、高セキュリティとコスト抑制を両立したオンプレミス型LLM運用環境をパッケージ提供する。これらに加え、図面やグラフを解釈できるマルチモーダルLLM、業務手順を自動化するAIエージェントの開発・提供も行っている。 強みの源泉は、1980年代から続くAI研究の歴史にある。2015年に画像認識領域での深層学習研究を本格化し、2023年3月には自社製の大規模言語モデルを公開した。最新モデルはOpenAIのGPT-4o相当の精度を備えつつ、推論コストと電力消費を抑えた設計だと公表されている。マルチモーダルLLM領域では、テキストだけでなく図表や設計図といった企業固有の「読み解きが難しい」資料に対応する点が差別化要素だ。社内に蓄積された属人的なノウハウ、いわゆる「秘伝のタレ」を機械可読な知識資産へと再構築する—この思想が、各プロダクトの設計を貫いている。 代表的な共創事例として、損害保険ジャパン株式会社との保険業務特化マルチモーダルLMM共同開発がある。本プロジェクトは経済産業省が主導する生成AI開発加速プログラム「GENIAC」に採択され、2025年3月に共同発表された。文書や図表を活用して保険契約業務の効率化を狙う取り組みである。グループ内では、リコーITソリューションズが「AI経営」と銘打ち、経営層の意思決定にAIを共創パートナーとして組み込む実装を2025年12月に開始した。またリコーグループ全体で「世界140万社」と表現される顧客接点があり、AIサービス事業本部はその基盤の上にエンタープライズ提案を積み上げている。 対応業種は幅広い。製造業では図面理解と熟練者ノウハウの継承、金融保険では契約書類の自動解析、エネルギーや建設では現場ドキュメントの構造化が主な切り口となる。事務領域では議事録要約や社内Q&A対応、経営領域ではVOC(Voice of Customer)分析を起点とした業務改善・経営戦略の高度化を支援している。「AI迷子」に陥った企業—何から始めればいいか分からない状態の企業—に対し、PoCで終わらせず成果につながる導入パスを描くスタンスを対外的に打ち出してきた。 向いている企業像は明確だ。第一に、自社のドキュメント資産を活かしたいが情報セキュリティ上クラウド型生成AIを使いにくい企業。オンプレLLMスターターキットの設計思想が刺さる。第二に、現場ごとに業務要件が異なり、汎用SaaSでは細かい運用に乗らない製造業や金融機関。Difyベースのカスタム構築が現実解になる。第三に、属人的な熟練ノウハウを次世代へ継承したい中堅・中小企業である。北陸エリアでは石川県主催の産業DX推進セミナーに本部長クラスが講師として登壇する関係性が公表されており、地域中小企業への伴走にも前向きな姿勢を示している。 IT導入補助金や ものづくり補助金の認定支援機関に登録されているかどうかは、公開情報の範囲では明示的に確認できない。一方でリコーグループは中小企業向けDX支援の文脈で自治体や経済団体と連携した実績を持つため、補助金活用を前提とした案件相談に対しては窓口対応している可能性が高い。具体条件はリコー公式の問い合わせフォーム経由で確認するのが確実な手順だ。
得意分野
提供サービス
社内に散在するマニュアル・議事録・設計資料などのドキュメントを横断検索し、現場の問い合わせ対応を肩代わりする生成AI活用型の社内ナレッジ検索サービス。「企業の知」の再活用を狙うリコーのAI戦略における中核プロダクトの位置づけだ。
OSS のノーコードAIアプリ構築基盤 Difyを企業環境に組み込み、業務部門が生成AI/LLM/APIを自前でつなぎ、独自ワークフローやアプリケーションを設計できる状態まで支援する。情シス専任者なしでも運用可能な内製化フェーズへ橋渡しする。
クラウドへ機密データを出せない金融・製造・公共領域に向けたオンプレミス型LLMパッケージ。高セキュリティ、低コスト、高性能、活用の自由度の4要素を兼ね備えるとされ、導入から運用までの伴走を含めて提供される。
テキストに加え図面・グラフ・帳票画像を読み解くマルチモーダル大規模言語モデルを自社開発し、業界特化型LMMの共創プロジェクトも展開する。経産省 GENIAC 採択の保険業務特化LMMは代表例である。
対話インターフェースを通じて業務手順を自動化するAIエージェントを開発・提供する。人手不足と技術伝承という製造業共通の課題解決を狙い、誰でも直感的に扱える設計を志向している。
東京都港区品川シーズンテラス18階に置かれた価値共創拠点で、リコーのExecutive Briefing Centerに位置付けられる。経営層を招いた対話、ワークショップ、プロトタイピングを通じて、AI導入の初期構想から実装計画までを共同で描く場として運営されている。
よくある質問
Q. 株式会社リコー AIサービス事業部 とはどんな会社ですか?
正式にはリコーデジタルサービスビジネスユニット内の「AIサービス事業本部」で、本部長は梅津良昭。1980年代から続くリコーのAI研究の流れを汲み、2023年3月に独自のLLMを公開した。生成AIプロダクト開発と企業への導入支援を一体で担う組織であり、東京都港区品川シーズンテラスの RICOH BIL TOKYO を拠点としている。
Q. 対応している業種は?
製造業、損害保険を含む金融、エネルギー、建設、ITサービスなど幅広い領域に対応する。図面・帳票・議事録といった非構造データの解析を得意とするため、設計図面や契約書類を扱う業務が多い業種との相性がよい。グループの顧客基盤は世界140万社とされ、エンタープライズ案件のほか北陸地域中小企業への支援実績も公表されている。
Q. 他社と比較した強みは?
公開情報の範囲では他社との直接比較は確認できない。一方で、自社製のマルチモーダルLLM/LMMを保有し、GPT-4o相当の性能を低消費電力で実現したと公表している点、Dify導入支援とオンプレLLMキットを組み合わせて「クラウドに出せないデータ」案件にも対応できる点、損保ジャパンとのGENIAC採択共創事例を持つ点は固有の特徴と言える。
Q. 費用感は?
公開情報の範囲では具体的な料金体系は明示されていない。RICOH デジタルバディ、Dify導入支援、オンプレLLMスターターキットいずれも、利用規模・データ量・要件に応じた個別見積もりとなる前提で案内されているため、リコー公式サイトの問い合わせフォームを経由した見積依頼が現実的な経路だ。
Q. 問い合わせ方法は?
リコー公式サイト(https://www.ricoh.co.jp)の各サービスページ、特に「仕事のAI」紹介ページ(https://www.ricoh.co.jp/products/concept/ai-for-work)から問い合わせ可能。経営層向けの対話を希望する場合は、東京都港区品川シーズンテラス18階の RICOH BUSINESS INNOVATION LOUNGE TOKYO 経由でのワークショップ相談ルートも案内されている。
Q. IT 導入補助金 / ものづくり補助金 の認定支援機関ですか?
公開情報の範囲では認定支援機関としての登録有無は確認できない。ただしリコーグループは自治体や経済団体と連携した中小企業DX支援の実績を持ち、石川県産業DX推進セミナーへの講師派遣も行っている。補助金活用を前提とした個別相談については、リコー公式の問い合わせ窓口で最新状況を確認するのが確実だ。
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