CureAppとは

CureAppは、医療機器として薬事承認を取得した「治療用アプリ(DTx:デジタルセラピューティクス)」を開発する日本企業だ。ニコチン依存症治療補助アプリ「CureApp SC」と高血圧症治療補助アプリ「CureApp HT」を提供し、医師の処方に基づき患者が日々の行動変容を進める仕組みを構築している。診察室外での生活習慣管理という従来の医療では手の届きにくかった領域に、AIによるパーソナライズドな介入を組み込む点が特徴で、医療機関・製薬企業・保険者向けのソリューションとして位置づけられる。

主要機能

1. 高血圧症治療補助アプリ(CureApp HT):2022年4月に薬事承認、同年9月に保険適用された国内初の高血圧治療アプリ。患者の血圧・体重・食事・運動データを記録し、AIが生活習慣改善のための個別ガイダンスを24時間提供する。

2. ニコチン依存症治療補助アプリ(CureApp SC):禁煙外来で処方される治療用アプリで、CO呼気濃度測定器と連動。離脱症状のタイミングに合わせたメッセージで再喫煙率を低減する。

3. 医師向けダッシュボード:患者の記録データをリアルタイムで可視化し、診察時の判断材料を提供。1患者あたり数十分かかる生活指導の準備時間を数分に圧縮できる構造になっている。

4. 治験エビデンスに基づく介入設計:ランダム化比較試験で有効性を検証した上で薬事承認を取得しており、エビデンスの裏付けがある。

編集部の検証メモ

公開されている保険適用情報と論文データを比較検討した結果、CureApp HTは『Hypertension Research』掲載の費用対効果分析で、従来治療と比べて優れた費用対効果が見込まれるとの結果が出ている。海外DTx企業(Pear Therapeutics、Akili等)の多くが事業継続に苦戦するなか、国内保険償還を取得した数少ない事例である点が差別化要因だ。導入医療機関にとっては、生活指導にかかる医師・看護師の工数を月あたり数時間規模で圧縮でき、患者あたりの治療継続率向上による中長期的な医業収益への寄与も期待できる。

想定ユーザー

高血圧・ニコチン依存症の患者を多く抱える内科・循環器内科・禁煙外来の医療機関、生活習慣病領域でデジタル介入を検討する製薬企業や健康保険組合に向いている。一方、エンタープライズ向け汎用AIツールやSaaSを探している一般企業のユースケースには合致せず、あくまで医療現場での処方を前提とした製品である点に留意が必要。