
Otter.aiとGeminiを徹底比較 — 性能とコストで選ぶ議事録AI
この記事のポイント Otter.aiは「会議の文字起こし」に特化した専用ツール、Geminiは「文字起こしもできる汎用AI」。役割が違うので、勝敗は使い方で決まる。 純粋な議事録の精度と会議連携ならOtterが一日の長。資料作成・要約の二次加工まで一気通貫でやるならGeminiが圧倒的に器用。 料金はOtter Proが$8.33/人/月(年払い)、Geminiは上位プランが月額14,500円から選べるよう再編された(2026年5月、出典: 生成AI料金早見表2026年6月版)。
Otter.aiとGeminiを同じ土俵で比べるのは、半分は間違っている。片方は会議録音に全振りした専用機、もう片方はなんでもこなす万能AIだからだ。それでも比較されるのには理由がある。両者とも「会議の発言をテキストに変える」という同じ入口を持っているからだ。
問題は、その先で何をしたいか。文字起こしを正確に残したいのか、起こした内容を資料や要約に化けさせたいのか。ここで選ぶべきツールがきれいに分かれる。この記事では公開情報と外部レビューだけを根拠に、性能・日本語・コストの3軸で両者を解剖する。
議事録AIをゼロから整理したい人は、AI検索の比較であるFeloの完全ガイドも合わせて読むと、情報収集から議事録までの全体像がつかめる。
Otter.aiとは何か:会議録音に全振りした専用ツール

Otter.aiとは、ZoomやGoogle Meet、Microsoft Teamsの会議に入り込み、発言をリアルタイムで文字起こしし、要約まで自動生成するAIミーティングアシスタントだ。
特徴は「会議だけ」に絞り込んだ設計にある。録音・文字起こし・話者分離・要約・共有という一連の流れが、追加操作なしで完結する。外部レビューによれば、対応言語は英語・スペイン語・フランス語・ドイツ語・日本語・中国語の6つ(出典: Sonix「Otter.ai Review 2026」)。
ビジネス利用を見据えた専用機能も増えている。営業向けの自動フォローアップやCRM連携(Sales Agent)、教育機関向けの講義文字起こしなど、業種特化のメニューが用意されている(出典: Otter.ai公式Pricingページ)。
Geminiとは何か:文字起こしもできる汎用AI

Geminiとは、Googleが提供する生成AIで、テキスト生成・要約・コード・画像理解まで幅広くこなす万能型のアシスタントだ。会議の文字起こしは、その膨大な機能のひとつにすぎない。
GoogleアカウントとWorkspaceに深く統合されている点が強み。Google Meetでの記録やドキュメント生成と地続きで動く。専用機ではないぶん、起こした議事録を「そのまま資料に整形する」「論点だけ抜き出す」といった二次加工で本領を発揮する。
汎用AIの比較軸をもっと広く知りたいなら、Meta AIの最新ガイドで各社モデルの立ち位置を確認しておくと、Geminiの相対的な強みが見えてくる。
そもそも比較していいのか?役割の違いを先に押さえる

結論から言えば、Otter.aiとGeminiは競合というより補完関係に近い。下の表で役割の違いを整理する。
| 観点 | Otter.ai | Gemini |
|---|---|---|
| 本質 | 会議文字起こしの専用機 | 汎用生成AI |
| 得意 | リアルタイム録音・話者分離・要約 | 要約・整形・資料化・調べ物 |
| 会議連携 | Zoom / Meet / Teamsにネイティブ参加 | Google Meet / Workspace中心 |
| 二次加工 | 限定的(要約まで) | 自由自在(プロンプト次第) |
| 開発者向けAPI | 連携中心 | API提供あり |
専用機は深く狭く、汎用機は浅く広い。会議の「記録」に最大の価値を置くならOtter、記録の「活用」まで含めるならGemini。この軸を頭に入れたまま、以下の各論を読んでほしい。
文字起こしの性能はどちらが上か?

純粋な会議文字起こしの完成度では、Otter.aiに一日の長がある。録音から話者分離、タイムスタンプ付きの清書まで、専用設計ならではの仕上がりだ。
ただし弱点もはっきりしている。外部レビューでは、アクセントの強い話者や訛りのある英語で精度が落ちる点が指摘されている(出典: SalesEcho「Otter AI Review 2026」)。日本語の長時間会議でどこまで耐えるかは、自社の音声環境で試すのが確実だ。
一方のGeminiは、文字起こし単体の精度よりも「起こした後の処理」で差をつける。誤変換を文脈で補正したり、議論の要点を抜き出したりといった編集力は汎用AIならでは。生の精度はOtter、編集後の読みやすさはGemini、という棲み分けが現実的だ。
日本語対応はどこまで使えるか?
日本語の扱いは両者で性格が異なる。下の表に整理した。
| 項目 | Otter.ai | Gemini |
|---|---|---|
| 日本語UI | 一部対応 | フル対応 |
| 日本語文字起こし | 対応言語に日本語あり | 対応 |
| 日本語要約・整形 | 標準機能 | 得意領域 |
| 敬語・ビジネス文体 | やや機械的になりやすい | 自然な日本語に強い |
Otterは「日本語を含む6言語対応」と明記されている(出典: Sonix)。ただし主戦場は英語圏で、UIや要約の日本語の自然さではGeminiが上回る場面が多い。
日本語の議事録を「そのまま社内共有できる文章」に仕上げたいなら、Geminiの言語処理が地味に効く。逆に「発言を正確に残す」だけならOtterで十分機能する。
料金はいくらかかるか?コスト比較
コストは選定の決め手になりやすい。まず両者の公開価格を表で並べる。
| プラン | Otter.ai | Gemini |
|---|---|---|
| 無料 | あり(文字起こし時間に制限) | あり |
| 有料エントリー | Pro $8.33/人/月(年払い) | 上位プラン月額14,500円〜 |
| 上位/ヘビー向け | Business・Enterprise(要問い合わせ) | 最上位は値下げ後14,500円〜の選択肢 |
Otter.aiのProプランは年払いで$8.33/ユーザー/月から始まる(出典: Sonix「Otter.ai Review 2026」)。1人あたりの単価が明確で、人数課金のSaaSとして読みやすい。
Geminiは2026年5月に料金体系が動いた。それまで月額36,400円の一択だった「Gemini AI Ultra」が、最上位プランの値下げと新プラン追加で月額14,500円から選べるようになった(出典: 生成AI主要8サービス料金早見表2026年6月版)。ヘビーユーザーにとっては破格の再編だ。
単純な月額だけ見ればOtterのProが安い。だがGeminiは文字起こし以外の作業もこの1契約でこなせる。「議事録専用にもう1本契約するか、汎用AIに巻き取らせるか」という総額の発想で比べるのが正しい。
無料プランだけでどこまで戦えるか?
両者とも無料プランを用意しているが、想定する使い方が違う。
Otterの無料枠は、月間の文字起こし時間に上限がある(出典: SalesEcho)。たまの打ち合わせを記録する個人なら無料で回せるが、毎日会議がある人はすぐ上限に達する。
Geminiの無料プランは汎用AIとして広く使える反面、長時間会議の連続処理や上位モデルの利用には有料が必要になる場面がある。「まず無料で精度を確かめ、足りなければ課金」という入り方は両者共通で取れる。
セキュリティとデータの扱いで注意すべき点
会議の中身は機密の塊だ。だからこそセキュリティは値段より先に確認したい。
Otter.aiについては、外部レビューでデータプライバシー上の懸念が指摘されている(出典: SalesEcho「Otter AI Review 2026」)。会議音声をクラウドに送る以上、どこに保存され誰がアクセスできるかは契約前に必ず自社で確認すべきだ。
Geminiも同様にクラウド前提で、Workspace契約の場合は組織のデータポリシーに従う。どちらを選ぶにせよ、機密会議では「無料プランで気軽に流さない」が鉄則。SOC2やISO27001などの認証状況は、公開情報だけでは断定できないため、最新の契約条件を一次情報で当たってほしい。
評価スコアで見る両者の信頼度
第三者の評価も判断材料になる。Gartner Peer Insightsのレビュー評価を引用する。
| サービス | 評価 | レビュー数 |
|---|---|---|
| Google(Gemini系) | 4.4 / 5 | 48件 |
| Otter.ai | 4.2 / 5 | 30件 |
数字上はGoogle側がわずかにリードしている(出典: Gartner Peer Insights「Google vs Otter.ai 2026」)。ただしレビュー数が数十件規模で、母数が小さい点は割り引いて読むべきだ。スコアの僅差より、自社の会議スタイルに合うかどうかのほうがよほど効く。
営業チームで使うならどちらか?
営業利用では、Otter.aiの専用機能が刺さる。会議後の自動フォローアップやノート取得、CRM連携を束ねたSales Agentが用意されている(出典: Otter.ai公式Pricing)。商談の記録を営業プロセスに直結させたい組織には重宝する。
Geminiは、商談メモを提案書や見積りの下書きに化けさせる段階で強い。「記録はOtter、加工はGemini」の二段構えが、営業現場では現実的な最適解になりやすい。
教育・研究で使うならどちらか?
講義や研究の文字起こしには、Otterが教育機関向けメニューを持つ(出典: Otter.ai公式Pricing)。長時間の講義を丸ごとテキスト化し、後から検索できる形に残す用途に向く。
一方で、起こした講義録を「要点ノート」「試験対策の整理」に変えるならGeminiの編集力が活きる。学習用途では、専用機の記録力と汎用機の整理力を組み合わせると効果が高い。歯科クリニックのような専門職場での具体的なAI活用イメージは、歯科医院のAIユースケース集が参考になる。
他の生成AIとの違いも知っておく
GeminiはChatGPTやClaudeと並ぶ汎用AIの一角だ。料金据え置きのまま主力モデルが世代交代を続けており、3社の選び分けは依然として悩ましい(出典: 生成AI料金早見表2026年6月版)。
文字起こしという一点に絞ればOtterが専門家だが、「どの汎用AIに議事録まで巻き取らせるか」という問いになると話が変わる。画像生成のツール選定でComfyUIとStable Diffusionの比較が役立つように、生成AI選びも「専用か汎用か」の見極めが出発点になる。
動画生成まで含めた最新の汎用AI動向はSoraの完全ガイドで押さえておくと、Geminiの立ち位置がより立体的に見える。
実際に使っている企業・チーム
特定企業の社名を出した事例は、出典のない推測になるため避ける。代わりに、両ツールが公開情報で明示している「想定ユーザー層」を3つ挙げる。
営業チーム:Otter.aiはSales Agentとして自動フォローアップとCRM連携を提供し、商談記録を営業プロセスに組み込む層を狙う(出典: Otter.ai公式Pricing)。
教育機関:講義文字起こし向けのメニューを用意し、大学・スクールの長時間授業の記録を想定している(出典: Otter.ai公式Pricing)。
Workspace中心の組織:Geminiはオンライン会議とドキュメント作成を1つのGoogle環境で完結させたいチームに向く。会議記録から資料化までを同じアカウントで回せる点が選ばれる理由だ。
AI PICKS編集部の判定
正直に言えば、Otter.aiとGeminiは「どちらが上か」で選ぶものではない。会議の発言を一字一句正確に残し、話者を分け、Zoom・Meet・Teamsに自動で入り込む——この記録精度と会議連携ではOtterが専門家であり、一択に近い。月$8.33(年払い、出典: Sonix)という単価も人数課金として読みやすい。
一方で、記録した内容を要約・整形し、提案書や学習ノートに化けさせる二次加工まで含めると、Geminiの汎用性が圧倒的だ。2026年5月の値下げで上位プランが月額14,500円から選べるようになり(出典: 料金早見表)、ヘビーユーザーには重宝する。
編集部の結論は明快だ。会議の「記録」が主目的ならOtter、記録の「活用」まで一気通貫でやるならGemini。両方契約できるなら「記録はOtter、加工はGemini」の二段構えが現状ベスト。どちらか1本に絞るなら、自社の会議が「残す価値」と「使い倒す価値」のどちらに寄っているかで決めればいい。
編集部の評価
専用機と汎用機を同じ天秤に乗せること自体に無理がある、というのが率直なところだ。それでもあえて点を付けるなら、文字起こし単体はOtterに軍配、トータルの汎用性はGeminiに軍配。
Otterの弱点はアクセント耐性とデータプライバシーの指摘(出典: SalesEcho)。ここを自社環境で潰せるかが導入の分かれ目になる。Geminiの弱点は、文字起こし「専用」の磨き込みではOtterに一歩譲る点。どちらも無料枠で実力を確かめられるので、机上で悩むより手元の会議音声で試したほうが早い。
よくある質問(FAQ)
Q. Otter.aiとGeminiはそもそも比較対象になりますか?
役割が違うので完全な競合ではない。Otterは会議文字起こしの専用機、Geminiは文字起こしもできる汎用AI。重なるのは「会議の発言をテキスト化する」入口部分だけだ。
Q. 文字起こしの精度はどちらが高いですか?
純粋な会議録音の文字起こしはOtterに一日の長がある。ただしアクセントの強い話者では精度が落ちる指摘がある(出典: SalesEcho)。起こした後の整形・要約はGeminiが得意。
Q. 料金はどちらが安いですか?
月額単体ではOtter.aiのProが$8.33/人/月(年払い、出典: Sonix)で読みやすい。Geminiは上位プランが月額14,500円から(2026年5月再編、出典: 料金早見表)。ただしGeminiは議事録以外の作業も同じ契約でこなせるため、総額で比べるべきだ。
Q. 日本語の議事録に向くのはどちらですか?
発言を正確に残すならOtter(日本語対応あり、出典: Sonix)。社内共有できる自然な日本語に整えるならGeminiの言語処理が上回る場面が多い。
Q. 無料プランだけで運用できますか?
たまの会議なら可能だが、Otterの無料枠は月間文字起こし時間に上限がある(出典: SalesEcho)。毎日会議がある人は有料プランが現実的。
Q. セキュリティ面で気をつけることは?
両者ともクラウド前提。Otterはデータプライバシー上の懸念が外部レビューで指摘されている(出典: SalesEcho)。機密会議では無料プランに気軽に流さず、保存先とアクセス権を契約前に確認すること。
Q. 結局どちらを選べばいいですか?
会議の「記録」が主目的ならOtter、記録の「活用」まで含めるならGemini。両方使えるなら「記録はOtter、加工はGemini」の二段構えが編集部の推奨だ。
関連する比較・代替を見る
- Otter.ai vs Geminiの比較ページ
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- 文字起こし・議事録AIカテゴリ一覧
- 生成AIアシスタントのカテゴリ一覧
- Feloの完全ガイド
- Meta AIガイド
参考にした一次情報
- Otter.ai公式Pricingページ(https://otter.ai/pricing)
- Sonix「Otter.ai Review 2026: Pricing, Accuracy, and Who It's Best For」
- SalesEcho「Otter AI Review 2026: Pricing, Accuracy + Comparison」
- Gartner Peer Insights「Google vs Otter.ai 2026」
- 「2026年6月版生成AI主要8サービス料金早見表」
- Otter.ai料金体系ガイド(2026年4月更新版)
