
Webflow vs Difyは、そもそも比較するものじゃない
この記事のポイント Webflow は「コードを書かずにWebサイトを作る」ツール、Dify は「コードを書かずにAIアプリを作る」基盤。検索で並べて比較されがちだが、最終的に手元に残る成果物が違う。サイトが欲しいならWebflow、社内チャットボットやRAGアプリが欲しいならDify。料金はWebflowが月$14前後から、Difyは無料で着手できる。
「Webflow vs Dify」で検索する人の多くは、たぶん途中で気づく。この2つは競合していない。
Webflowはコーポレートサイトやランディングページを、デザイナー品質でコードなしに組み上げるツール。Difyは社内文書を読ませたチャットボットや、複数のLLMを切り替える業務アプリを画面操作で作る基盤。どちらも「ノーコード」「AI」という看板を掲げているせいで同じ棚に並べられるが、作るものが根本的に別だ。
だから本記事の答えは最初に出る。作りたいのがWebページなら一択でWebflow、AIアプリならDify。迷いようがない、と言いたいところだが、実際は「自社サイトにAIチャットを載せたい」のような中間ニーズで混乱する人が多い。その場合の現実解も後半で示す。
30秒でわかる結論

作るものが「見せるWebサイト」ならWebflow、「動くAIアプリ」ならDify。これがほぼすべてだ。
- 見栄えのいいサイト・LP・ブログを自分で運用したい → Webflow
- 自社データを読ませたチャットボット・社内ツールを作りたい → Dify
- コストを最優先、まず無料で触りたい → Dify(オープンソースで$0着手)
- エンジニアがいない非IT部門で完結させたい → 用途次第。サイトはWebflow、簡単なAI業務ツールならDify
両方を同時に使うパターンもある。Webflowで作ったサイトに、Difyで作ったチャットボットを埋め込む。これは競合ではなく分業だ。
Webflowとは:ノーコードWeb制作の最上位

Webflowは、HTML/CSSの構造をビジュアル画面で直接いじれる「プロ向けノーコード」だ。ドラッグ操作の手軽さと、コードに近い細かさを両立している点が他のサイトビルダーと違う。
WixやSTUDIOが「テンプレを埋める」発想なのに対し、Webflowは「ボックスとスタイルを自分で組む」発想に近い。だから自由度が圧倒的に高く、その代わり最初の学習でつまずきやすい。BoxモデルやFlexbox、CMSコレクションといったWeb制作の概念をある程度理解しないと、思った通りに動かない。
機能の中心は3つ。ビジュアルデザイン編集でレイアウトとアニメーションを作り込み、CMSで記事や事例を構造化して管理し、ホスティングまで一気通貫で完結する。近年はAIによるコピー生成やSEO改善提案も同じ環境に統合されつつあり、「作って→公開して→改善する」が1つのツールで回る。
向いているのは、ブランド表現にこだわる制作会社・マーケ担当・デザイナー。逆に「とにかく早く安く1ページ」なら、Webflowはオーバースペックだ。
Difyとは:ノーコードのLLMアプリ開発基盤

Difyは、生成AIを使ったアプリを画面上で組み立てるオープンソースのプラットフォームだ。チャットボット、社内FAQ、文書分析ツール、ワークフロー自動化などをコードほぼゼロで構築できる。
最大の特徴はRAG(検索拡張生成)を標準で備えていること。自社のPDFやマニュアルをアップロードすると、AIがその内容を根拠に回答するようになる。「ChatGPTに自社の業務知識を教え込む」イメージに近く、これがDifyを社内ツールの定番にしている理由だ。
加えて、複数のLLMを切り替えられる。OpenAI、Anthropic、Googleなど複数モデルを用途別に使い分け、コストと精度のバランスを取れる。プロンプト管理・ワークフロー設計・運用ログの確認まで1画面で完結するので、エンジニアでなくてもアプリの中身を把握しやすい。
オープンソースなので、自社サーバーに展開して機密データを外に出さない運用も可能。クラウド版なら無料枠ですぐ試せる。BubbleやZapierが「アプリ・自動化全般」なのに対し、DifyはあくまでLLMアプリに特化している。
主要機能を3軸で比較

下の表は、検索でいちばん多い「料金・できること・学習コスト」を軸に並べたもの。同じ行に並んでいても、目的が違う点に注意してほしい。
| 項目 | Webflow | Dify |
|---|---|---|
| 作るもの | Webサイト・LP・ブログ | AIチャット・RAGアプリ・業務ツール |
| 料金体系 | freemium(無料枠+月$14前後〜の有料) | オープンソースで$0着手、クラウドは無料枠+有料 |
| 主機能 | ビジュアル編集・CMS・ホスティング・AIコピー | RAG・プロンプト管理・ワークフロー・複数LLM切替 |
| AIの役割 | サイト制作の補助 | アプリの中核エンジン |
| 学習コスト | 高め(Web制作の概念理解が必要) | 中(テンプレから着手可、ただしLLM理解は要) |
| 日本語UI | 画面は基本英語 | 画面は基本英語 |
| セルフホスト | 不可(SaaS) | 可能(OSS版) |
| 向くユーザー | デザイナー・マーケ・制作会社 | エンジニア・業務部門・社内ツール担当 |
要するに、Webflowは「成果物=公開サイト」、Difyは「成果物=社内外で動くAI」。料金だけ見ればDifyが無料で有利に見えるが、そもそも作るものが違うので料金比較自体に意味は薄い。
料金で選ぶなら:無料で触れるDify、運用込みのWebflow
コスト最優先ならDifyが入りやすい。オープンソース版は自前環境で$0、クラウド版にも無料のサンドボックスがある。まず触ってから判断できるのは大きい。
ただし注意点がある。Difyは本体が無料でも、裏で動くLLMのAPI料金は別途かかる。OpenAIやAnthropicの従量課金が、使うほど積み上がる。「Dify=完全無料」と思い込むと、月末のAPI請求で慌てる。
一方Webflowは、無料枠でデザインの練習はできるが、独自ドメインで公開するには有料プランが要る。月$14前後からのSiteプランが実質スタートライン。ただしこの料金にはホスティングが含まれるので、WordPress+サーバー+保守を別契約する場合と比べれば、トータルでは割安なこともある。
なお両ツールとも価格改定が頻繁だ。Webflowは2026年5月にプラン体系を簡素化した経緯もある。正確な最新価格は必ず公式ページで確認すること。本記事の金額はあくまで目安だ。料金が動きやすいツール選びの考え方は、Webflow と Dify 各ツールページの最新情報も併せて見てほしい。
用途別の選び方
ここからは具体的なシーン別に。自分の状況に近いものを探してほしい。
ブランドサイト・LPを制作会社品質で作りたい
Webflow一択。ドラッグでレイアウトとアニメーションを詰められ、CMSで事例や記事を構造化管理できる。AIコピー生成やSEO改善も同じ環境で回るので、制作から運用改善まで途切れない。Difyはサイト制作ツールではないので、そもそも候補に入らない。
社内FAQボットを自社文書で動かしたい
Dify一択。RAGで社内マニュアルを読ませ、プロンプトとワークフローを画面で組み、運用ログまで一画面で追える。非IT部門が手元データに合わせてFAQ対応を内製したいケースで強い。Webflowはこの用途の道具ではない。
複数のAIモデルを比較しながら業務ツールを試したい
Difyが向く。モデルを用途別に切り替えてテストから公開まで同じ環境で行え、テンプレから着手できるので初心者でも始めやすい。WebflowのAI機能はサイト制作補助が中心で、汎用LLMアプリの基盤ではない。
サイトにAIチャットを載せたい(中間ニーズ)
これが一番多い混乱ポイント。答えは「両方使う」。サイト本体は Webflow で作り、AIチャット部分は Dify で作って埋め込む。競合する2択ではなく、役割分担だと捉えると一気にすっきりする。
学習コストの現実
Webflowは「自由だが難しい」、Difyは「テンプレで入れるが奥が深い」。どちらも初日でマスターはできない。
Webflowは見た目の自由度が高い分、Web制作の構造を理解しないと崩れる。「なぜ要素がここに来るのか」がCSSの仕組みに依存するため、デザイン未経験者は最初の数日でつまずきやすい。逆に一度概念を掴めば、表現力は他のサイトビルダーを大きく上回る。
Difyはテンプレートから始められるので最初のハードルは低い。チャットボットの雛形を選んで文書を入れれば、数分で動くものができる。ただし精度を上げる段階で、プロンプト設計やRAGのチューニング、モデル選定といったLLM特有の知識が必要になる。「動かす」は簡単、「使える品質にする」はそれなりに学ぶ。
どちらも公式UIが基本英語という共通の壁がある。日本語の解説記事は両方とも豊富なので、独学のハードルはそこまで高くない。
編集部の評価
率直に言って、この2つを「vs」で並べる構図自体が、検索キーワードの都合で生まれた幻だと考えている。実際の利用者が両方を天秤にかけて悩む場面はほとんどない。
その上で評価するなら——Webflowはデザイン自由度において圧倒的。STUDIOやWixでは作れない作り込みができ、制作会社が業務で使うだけの実力がある。学習コストの高さは正直なところ初心者には重いが、超えた先のリターンは大きい。
Difyは「無料で自社AIを試せる」という入口の広さが破格。RAGが標準装備で、複数モデルを切り替えられる柔軟さは社内ツールの内製化で重宝する。ただしLLMのAPI料金が別建てになる点を見落とすと痛い目を見るので、コスト試算は最初にやっておくべきだ。
結論として、選ぶ基準は「料金」でも「AI対応」でもなく、作りたい成果物が何か。それさえ決まれば、迷う余地はない。両ツールの詳細スペックは Webflow と Dify の各ページで確認できる。
よくある質問(FAQ)
Q. WebflowとDifyは何が違い、どちらを選ぶべきですか?
Webflowはデザイン性の高いサイトやLPをノーコードで制作・運用するツール、DifyはAIチャットボットやLLMアプリを構築する基盤です。Webサイトが欲しいならWebflow、AIアプリが欲しいならDifyと、作る成果物で選べば迷いません。
Q. Webflowで社内FAQボットやAIチャットボットは作れますか?
Webflowはサイト制作が主用途で、LLMアプリ構築の基盤ではありません。自社文書を読ませたFAQボットや問い合わせ自動化を作りたい場合は、RAGとプロンプト管理に対応するDifyが適しています。サイトに載せたい場合はDifyで作って埋め込む形になります。
Q. DifyはブランドサイトやLP制作に使えますか?
使えません。DifyはAIアプリ開発に特化したツールで、レイアウトやCMS、SEOを含むWebサイト制作の道具ではありません。デザインを作り込んだサイトやLPが欲しい場合はWebflowを選んでください。
Q. 料金が安いのはどちらですか?
着手コストはDifyが有利で、オープンソース版なら$0、クラウドにも無料枠があります。ただしDifyは裏で動くLLMのAPI料金が別途かかります。Webflowは独自ドメイン公開で月$14前後〜の有料プランが必要ですが、ホスティング込みです。最新価格は必ず公式で確認してください。
Q. 初心者でも使えますか?
どちらも初日でマスターはできません。WebflowはWeb制作の概念理解が要る分やや難しく、Difyはテンプレから着手できますが精度向上にLLMの知識が必要です。両方とも画面は基本英語ですが、日本語の解説記事は豊富です。
