SAP Jouleは、SAPが提供する、基幹業務のためのAIアシスタントとAIエージェントの製品群です。役割と業務プロセスを理解する「Joule アシスタント」と、特定の業務を実行する「Joule Agents」の2層で構成されています。
主な機能
利用者が達成したいことを自然言語で伝えると、Joule アシスタントがどのエージェントを使うべきかを判断し、Joule Agentsがデータの分析、アクションのトリガー、システムとの対話、ワークフローのステップ実行といった個々のタスクを進めます。エージェントはJoule スキルや他のエージェント、サードパーティーのアプリケーションからツールを選んで計画を実行し、結果を振り返って推奨事項をまとめます。SAP Knowledge GraphとSAP Business Data Cloudを土台にしているため、SAPの業務データとプロセスの関係を踏まえて動く点が特徴です。Model Context Protocol (MCP) とAgent2Agent (A2A) プロトコルにも対応し、SAP以外のシステムをまたぐ処理も扱えます。
独自エージェントと管理
標準のエージェントで足りない業務には、Joule Studioで目標とする成果を平易な言葉で書いてカスタムエージェントを作れます。ローコードとプロコードの両方に対応し、LangChainやLlamaIndexなどのフレームワークも使えます。SAP AI Agent Hubでは、カスタムやサードパーティーを含むすべてのエージェントを一元的なダッシュボードで管理し、ガバナンスや導入状況のKPIを確認できます。
料金と前提
料金は公開されておらず、問い合わせかデモ依頼から導入を検討する形です。各エージェントには固有のIDが付与され、利用者の権限の範囲内でしか処理を実行しません。リスクの高いプロセスでは人間による明示的な承認が必要になるなど、統制を前提にした設計です。SAP製品をすでに使っている企業が、その上で業務を自動化するための製品と考えるとわかりやすいでしょう。


