ステアリングベクトル (Steering Vector)
読み: すてありんぐべくとる
最終更新: 2026-07-22・AI PICKS編集部
定義
ステアリングベクトルとは、LLMの内部活性化に特定方向のベクトルを加算し、出力のトーンや安全性、話題傾向などを追加学習なしに制御する技術のこと。
ステアリングベクトル (Steering Vector)とは — 詳しく解説
ステアリングベクトルは、LLMの中間層における活性化パターンから特定の概念(丁寧さ、拒否傾向、特定の話題など)に対応する方向ベクトルを抽出し、推論時にそのベクトルを加算・減算することでモデルの出力特性を調整する手法とされる。fine-tuningのように重みを更新せず、プロンプトのように出力形式に依存しないため、軽量な制御手段として研究コミュニティで注目されている。2026年時点の実運用では、抽出したベクトルが想定外の副作用を他タスクの性能に及ぼすケースが報告されており、現場では単一ベクトルの適用前に複数タスクでの回帰評価を行う運用が広く採用されている。また商用LLM APIの多くはステアリングベクトルの注入機能を公式提供していないため、独自に重みへアクセスできるオープンウェイトモデル(Llama系など)での活用が中心となる。コスト面では追加学習が不要な分fine-tuningより低コストとされる一方、ベクトル抽出・評価には相応の実験工数がかかるため、選定時は「軽量な行動調整で十分か」「安全性クリティカルな用途か」を基準に、プロンプトエンジニアリングやfine-tuningとの使い分けが検討されている。
ステアリングベクトル (Steering Vector)の使用例
- 「丁寧さ」に対応するベクトルを正方向に加算すると、同じ質問でも回答の口調がより丁寧に変化するとされる。
- 「拒否傾向」ベクトルを負方向に加算すると安全対策が弱まりうるため、悪用防止の観点で慎重な検証が必要とされる。
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