この記事でわかること
- Atlassian Intelligenceとは何か、どの製品で使えるか
- JiraのAI機能(チケット要約、自動分類、スプリント提案)
- ConfluenceのAI機能(文書要約、AI検索、ドラフト生成)
- 料金プランとAI機能の利用条件
- セットアップ手順(管理者向け)
- Notion AI・GitHub Copilotとの比較
30秒で結論
Atlassian Intelligenceは、Jira・Confluence・Bitbucket等のAtlassian製品に組み込まれたAI機能群です。Premiumプラン以上(1ユーザーあたり月額$8.15〜)で利用可能。Jiraではチケットの自動要約・分類・スプリント計画の提案、Confluenceでは文書の要約・検索・ドラフト生成ができます。既にAtlassian製品を使っているチームなら、追加コスト最小でAI機能を活用できるのが最大のメリットです。

Atlassian Intelligenceとは
Atlassian Intelligenceは、2023年に発表されたAtlassian製品横断のAI機能です。OpenAIのGPTモデルとAtlassian独自のモデルを組み合わせて動作します。
対応製品は以下の通りです。
- Jira Software — チケット管理、スプリント計画
- Confluence — ドキュメント管理、ナレッジベース
- Jira Service Management — ITサービスデスク
- Bitbucket — コードレビュー、プルリクエスト
- Compass — 開発者ポータル
他のAIツールとの違い
ChatGPTやClaudeのような汎用AIと異なり、Atlassian IntelligenceはAtlassian製品のデータ(チケット、ドキュメント、コード)に直接アクセスして回答を生成します。「先月のスプリントで最も多かったバグのカテゴリは?」のような社内データに基づく質問に答えられるのが強みです。
JiraのAI機能
チケット自動要約
長いコメントが付いたチケットを開くと、AI要約ボタンが表示されます。クリックすると、議論の要点・決定事項・未解決の論点を箇条書きで要約。100件以上のコメントが付いたチケットでも、30秒で全体像を把握できます。
自動分類・ラベリング
新しいチケットが作成されると、AIが自動でコンポーネント・優先度・チームを提案します。設定から「Auto-classify」を有効にすると、提案だけでなく自動でラベルを付与することも可能。
スプリント計画支援
バックログからスプリントに入れるべきチケットをAIが提案。チームのベロシティ、依存関係、優先度を考慮して最適なスプリント構成を提示します。
JQL自動生成
自然言語で「先月クローズしたP1バグを表示」と入力すると、対応するJQLクエリを自動生成。
# 自然言語 → JQL変換例
「先月クローズしたP1バグ」
↓
priority = "Highest" AND type = Bug AND status = Done
AND resolved >= startOfMonth(-1) AND resolved <= endOfMonth(-1)

ConfluenceのAI機能
文書の自動要約
長いConfluenceページの上部に「AI Summary」ボタンが表示されます。クリックすると、ページの要点を3-5行で要約。新メンバーのオンボーディングや、大量のドキュメントを読む必要がある場面で時間を大幅に節約できます。
AIドラフト生成
新しいページを作成する際、「AIで下書き」を選択すると、指定したトピックについてAIがドラフトを生成します。議事録、設計ドキュメント、手順書など、テンプレートに沿った下書きを数秒で作成。
AI検索(Atlassian Rovo)
Atlassian Rovoは、Confluence・Jira・Slackなど複数のツールを横断して検索するAI検索機能です。自然言語で「先週のデザインレビューの結論は?」と聞くと、関連するConfluenceページやJiraチケットから回答を生成します。
文体変換
既存のテキストを「フォーマル」「カジュアル」「簡潔」「詳細」に変換できます。社内向けのメモをクライアント向けに書き換える場面などで便利です。

料金プラン
| プラン | 月額/ユーザー | AI機能 |
|---|---|---|
| Free | 無料(10ユーザーまで) | ❌ AI機能なし |
| Standard | $8.15〜 | ❌ AI機能なし |
| Premium | $16〜 | ✅ Atlassian Intelligence全機能 |
| Enterprise | 要問い合わせ | ✅ 全機能 + 高度なセキュリティ |
重要: AI機能はPremium以上のプランでのみ利用可能です。Standard以下では使えません。
コスト計算例
| チーム規模 | Standardの月額 | Premiumの月額 | AI機能の追加コスト |
|---|---|---|---|
| 10人 | $82 | $160 | +$78/月 |
| 50人 | $408 | $800 | +$392/月 |
| 100人 | $815 | $1,600 | +$785/月 |
Notion AIとの比較
| Atlassian Intelligence | Notion AI | |
|---|---|---|
| 月額/ユーザー | $16〜(Premium込み) | $10〜(Plus + AI $10) |
| 主な用途 | 開発・IT運用 | ドキュメント・ナレッジ管理 |
| AI検索 | Rovo(横断検索) | Q&A(Notion内のみ) |
| コード連携 | Bitbucket連携 | なし |
| 日本語対応 | ○ | ○ |
開発チーム(Jira使用中) → Atlassian Intelligence一択 非エンジニアチーム → Notion AIの方が使いやすい

セットアップ手順(管理者向け)
1. 組織レベルでAIを有効化
admin.atlassian.com → 組織設定 → Atlassian Intelligence → 有効化
組織管理者のみが実行可能です。
2. 製品ごとに有効化
Jira・Confluenceそれぞれで個別に有効化が必要です。
Jira設定 → Features → Atlassian Intelligence → ON
Confluence設定 → Features → Atlassian Intelligence → ON
3. データの利用範囲を設定
AIがアクセスできるプロジェクト・スペースを制限できます。機密性の高いプロジェクトはAIアクセスをOFFにするのが推奨。
4. ユーザーへの通知
AIが有効になると、各製品のUIにAIボタンが自動表示されます。利用ガイドを社内Confluenceに作成しておくとスムーズです。
活用事例
ケース1:リモート開発チーム(50名)
課題: スプリントレビューで毎回2時間かかる。過去のチケットの経緯が分からず、同じ議論を繰り返す。
Atlassian Intelligence導入後:
- チケット要約でレビュー時間が50%短縮(2時間→1時間)
- JQL自動生成で分析レポート作成が5倍速に
- 新メンバーのキャッチアップ時間が70%削減
ケース2:ITサービスデスク(Jira Service Management)
課題: 同じ質問への回答を毎日10件以上手動で作成。
導入後:
- AIが過去の解決策を自動提案(解決時間40%短縮)
- 自動分類で適切なチームへの振り分けが90%正確に

よくある質問(FAQ)
Q. Atlassian Intelligenceのデータはどこに送られますか?
AIの処理はAtlassianのインフラ内で行われ、OpenAIにデータが送られる場合もAtlassianのAPI経由で匿名化されます。OpenAIがユーザーデータをモデルのトレーニングに使用することはないと明言されています。
Q. 無料プランやStandardプランでは一切使えませんか?
はい、Atlassian IntelligenceはPremium以上のプランでのみ利用可能です。ただし、Premiumの14日間無料トライアルでAI機能を試すことは可能です。
Q. 日本語で使えますか?
はい、AI要約・AI検索・ドラフト生成は日本語に対応しています。JQLの自然言語変換も日本語入力に対応。ただし英語の方が精度が高い場面もあります。
Q. 既存のJira/Confluenceのデータを学習しますか?
組織内のデータ(チケット、ドキュメント)にアクセスして回答を生成しますが、モデル自体のトレーニングには使用されません。RAG(検索拡張生成)の仕組みで動作しています。
Q. SlackやTeamsとの連携は?
Atlassian RovoはSlackとの連携に対応しており、Slack内からAtlassianのデータを検索できます。Microsoft Teamsとの連携も進行中です。
Q. GitHub Copilotとは何が違いますか?
GitHub Copilotはコードの自動補完に特化したツールです。Atlassian Intelligenceはプロジェクト管理・ドキュメント管理のAI機能であり、コード補完機能はありません。Bitbucketのプルリクエスト要約はできますが、コード生成はCopilotの領域です。両方を併用するのが理想的です。
