
Canva AI vs Figma AI違いと選び方|無料枠・料金・用途別の最適解 (2026年版)
この記事のポイント Canva AIとFigma AIは「どちらが優れているか」で比べるツールではない。出力するものが違う。完成したSNS投稿・バナー・資料が欲しいならCanva AI、アプリやWebの画面設計を反復したいならFigma AI。両方の業務を持つチームは併用が正解だ。
「Canva AIとFigma AI、どっちを契約すべき?」——この問いの立て方そのものが、たいてい遠回りの原因になる。両者はAIでデザインを速くする点では共通しているが、吐き出す成果物のレイヤーがまるで違う。片方は印刷・投稿できる完成物、もう片方は開発に渡す画面の叩き台だ。
Canva AI はプロンプトから配布可能なクリエイティブを一画面で仕上げる。Figma AI は既存のUI設計ワークフローにAIを差し込み、ワイヤーフレーム生成やレイヤー整理を短縮する。同じ「デザインAI」でも、想定ユーザーが広報担当とプロダクトデザイナーで分かれる。
2025年から2026年にかけて、両社の料金体系は大きく動いた。Figmaは2025年3月にシート別課金へ刷新し7月にIPO、Canvaは値下げで月額のハードルを下げた。古い比較記事の料金感はもう当てにならない。最新の分岐点を先に押さえておこう。
結論:完成物がほしいならCanva、画面を設計するならFigma

成果物が「配布・公開するクリエイティブ」ならCanva AI、「アプリやWebサービスの画面設計」ならFigma AIを選ぶ。これが一行の結論だ。
SNS投稿・プレゼン資料・バナーを短時間で量産したい広報担当や中小企業はCanva AIが圧倒的に速い。UI/UXを反復しながらプロダクト画面を設計するデザイナーやプロダクトチームはFigma AI一択だ。両者は競合ではなく、作業のレイヤーが異なるツールと捉えたほうが選択を間違えない。
迷うのは「両方やる」小規模チームだけだろう。その場合の答えも後半で出す。
一目でわかる比較表

詳細に入る前に、判断の軸となる項目を一覧にした。料金とAI出力の性質が最大の分岐点になる。
| 比較項目 | Canva AI | Figma AI |
|---|---|---|
| 料金体系 | freemium(無料枠あり) | freemium(AI本格利用はProfessional $15/月〜) |
| 無料プランのAI | 月次クレジット制で利用可 | 試用範囲に制限 |
| AI出力レイヤー | 完成クリエイティブ(画像・動画・資料) | UIワイヤーフレーム・画面案の叩き台 |
| 主機能 | Magic Design・Magic Write・Magic Media | First Draft・レイヤー整理・翻訳・画像生成 |
| 学習コスト | 低(デザイン未経験でも操作可) | 中(Figma操作の習熟が前提) |
| 日本語UI | 対応 | 対応(AIプロンプトは英語推奨の機能あり) |
| 想定ユーザー | 広報・マーケ・個人・中小企業 | UI/UXデザイナー・プロダクトチーム |
表の通り、選択の決め手は「何を出力したいか」に尽きる。料金の数字より、成果物の性質で先に絞り込むほうが速い。
Canva AIは何が得意か

Canva AIの本質は、素材探しから初稿完成までを同じ編集画面で終わらせる導線にある。デザイナーがいなくても、見栄えのする配布物が出せる。
中核は3つのMagic機能だ。Magic Designはプロンプトや画像からデザイン案を一気に提示する。Magic Writeは見出しや本文のコピーを生成する。Magic Mediaはテキストから画像・動画を作る。これらをテンプレートに差し込めば、SNS投稿やバナーが配布可能な状態まで到達する。
強みは速度と再現性だ。ブランドキットに色・フォント・ロゴを登録しておけば、誰が作っても一定の品質に揃う。属人化しがちな販促物の内製を、チーム全員に開放できる。
一方で弱点もはっきりしている。独自性の高いビジュアルや、緻密なUI設計には向かない。テンプレートの枠を超えた表現を求めると、途端に窮屈になる。「速く・それなりに」が得意で、「唯一無二」は苦手だと理解しておきたい。
Figma AIは何が得意か

Figma AIの価値は、既存のFigmaワークフローにAIが自然に乗る点にある。新しいツールを覚えるのではなく、いつもの作業が速くなる。
目玉はFirst Draftだ。説明文を入力すると、編集可能なワイヤーフレームや画面案を生成する。ゼロから箱を並べる手間が消える。加えて、レイヤー名の自動整理、仮テキストの一括置換、UI文言の書き換えや翻訳、画像生成・背景削除まで、定型作業をFigma内で完結できる。
強みはデザインシステムとの連携だ。生成された画面もコンポーネントとして管理でき、プロトタイプのインタラクションまでつなげられる。プロダクトの一貫性を保ったまま、初期案づくりを高速化する。
弱点は明確で、Figmaを使っていない人には恩恵がほぼない。AIプロンプトに英語が推奨される機能もあり、操作習熟が前提になる。デザイナー以外には敷居が高いツールだ。
料金で見る分岐点
無料で試すだけならどちらも入口はあるが、本格運用すると性質が分かれる。Figma AIはProfessionalプラン($15/月〜)以上で実用域に入る設計だ。
Canva AIは無料プランでもAI機能を月次クレジットの範囲で触れる。クレジットを使い切ると有料プラン(Canva Pro)への誘導がかかる仕組みだ。少量の販促物なら無料枠で回る場面も多い。
Figmaは2025年3月にシート別課金へ刷新した。役割ごとに必要なシートが分かれるため、「とりあえず全員に配る」と費用が膨らみやすい。AIを本格的に使うデザイナーだけ上位シートにする運用が現実的だ。
料金とクレジット上限は変動が大きい。最新の正確な数値は、必ず両社公式のPricingページで確認してほしい。ここでの数字は2026年時点の目安だ。
用途別・どちらを選ぶべきか
実際の業務シーン別に、編集部の推奨を示す。自分の作業に近いものを当てはめてほしい。
SNS投稿・販促バナーを週次で量産したい → Canva AI。Magic Designで案を出し、Magic Mediaで画像を作り、テンプレートに差し込むだけで配布状態に届く。Figmaの出力は叩き台どまりで、投稿用の仕上げには別作業が要る。
新規SaaSの画面設計とプロトタイプ → Figma AI。First Draftが説明文から編集可能なワイヤーフレームを出し、インタラクションまで足せる。Canvaはコンポーネント管理を伴うUI設計には向かない。
社内資料・営業プレゼンを短時間で → Canva AI。テンプレートとMagic Writeで、文章生成からレイアウトまでデザイナー不在で進む。プレゼン向け素材の充実度はCanvaに分がある。
ブランドの一貫性を保った画面の継続改善 → Figma AI。デザインシステムと連携し、定型作業を削りながら品質を揃えられる。
両方やる小規模チームはどうするか
販促物の量産とプロダクト画面設計の両方を抱えるチームは、無理にどちらかへ寄せる必要はない。役割で使い分けるのが最も現実的だ。
具体的には、Canva AIを広報・マーケの配布物に、Figma AIを画面設計に充てる。前者はデザイン未経験のメンバーにも開放でき、後者はデザイナーの反復作業を短縮する。両者の守備範囲が重ならないため、併用しても無駄が出ない。
コストが気になるなら、まずCanva AIの無料枠とFigmaの無料プランで両方を回してみるといい。実際に詰まったレイヤーだけ有料化すれば、過剰契約を避けられる。
デザインAIの全体像をつかみたい場合は、関連する画像生成AIのカテゴリやデザイン系ツールの比較も併せて見ておくと選択の精度が上がる。
編集部の評価
Canva AIは「デザイナーがいない組織」にとって破格の存在だ。素材探しから初稿までを一画面で終える導線は、内製化のハードルを劇的に下げる。ただし独自性や本格デザインを求めると物足りなく、そこは正直イマイチな領域として割り切るべきだ。
Figma AIは、すでにFigmaを使うプロダクトチームには重宝する。First Draftの叩き台生成とレイヤー整理だけで、初期工程の時間が目に見えて減る。逆にFigma非利用者には恩恵が乏しく、このツール単体で導入する理由は薄い。
総じて、両者を同じ土俵で優劣を競わせるのは筋が悪い。「完成物か、設計の叩き台か」——欲しい成果物を先に決めれば、答えは自動的に出る。比較で消耗するより、自分の出力レイヤーを見極めるほうが早い。
よくある質問(FAQ)
Q. Canva AIとFigma AI、初心者にはどちらがおすすめ?
デザイン未経験ならCanva AI一択だ。テンプレートとMagic機能で、操作を覚える前に成果物が出せる。Figma AIはFigmaの操作習熟が前提で、初心者には敷居が高い。
Q. Figma AIは無料で使える?
無料プランでも試用範囲でAI機能に触れられるが、本格的な利用はProfessionalプラン($15/月〜)以上が前提になる。継続的にFirst Draftやレイヤー整理を使うなら有料化が現実的だ。
Q. Canva AIで作った画像は商用利用できる?
規約上は商用利用が可能だが、生成素材には別途ライセンス条件が付く場合がある。配布・販売前に、必ず最新の利用規約と該当素材のライセンスを確認してほしい。
Q. 両方契約すると無駄になる?
業務が販促物と画面設計の両方にまたがるなら無駄にならない。守備範囲が重ならないため、Canva AIを配布物、Figma AIを設計に充てる併用が合理的だ。
Q. Figma AIのプロンプトは日本語で書ける?
UIは日本語対応だが、AIプロンプトは英語が推奨される機能がある。日本語でも動く場面は増えているものの、精度を求めるなら英語入力を試す価値はある。
Q. SNS投稿の量産にFigma AIは使える?
向いていない。Figma AIの出力はあくまで叩き台で、投稿用の仕上げ素材には別途加工が必要だ。SNS量産はCanva AIのほうが圧倒的に速い。
