Grammarlyの精度が低いと感じたら試す設定見直しとプロンプト改善5つ

Grammarlyの精度が低いと感じたら試す設定見直しとプロンプト改善5つ

この記事のポイント Grammarlyの提案が的外れに感じる原因は、ツールの性能不足よりも「設定を初期値のまま使っている」「指示文が曖昧」の2つに集中しています。 文書の目標設定、英語方言の固定、指示文の型、提案の取捨選択ルール、使う場所の変更。この5つを見直すだけで、赤線の当たり方は目に見えて変わります。 無料版とProで何が違うのか、日本語の文章に使えるのか、他ツールとどう役割を分けるのかまで、判断材料をまとめました。

英文メールに赤い下線が並ぶのに、直しても直しても「なんか違う」。あるいは提案どおりに書き換えたら、元の文より不自然になった。その違和感は、あなたの英語力の問題ではありません。Grammarlyが「誰に向けた、どんな文章か」を知らないまま採点しているだけです。

設定画面を3分いじると、同じ文章に対する指摘が入れ替わります。ここが出発点。


そもそもGrammarlyの精度とは何を指すのか?

そもそもGrammarlyの精度とは何を指すのか?

Grammarlyの精度とは、書いた英文に対する指摘が「実際に直すべき箇所と一致している割合」のことです。スペルミスの検出率だけを指すものではありません。

Grammarlyの指摘は、大きく4つの層に分かれます。層ごとに得意不得意がはっきり違うので、「精度が低い」と感じたとき、どの層で外しているかを切り分けると原因が絞れます。

各層の性質を整理したのが下の表です。

指摘の層内容外れにくさずれたときの主因
スペル・タイポ綴り間違い、重複語ほぼ外さない固有名詞を辞書登録していない
文法・句読点時制、冠詞、カンマ高い英語方言の設定違い
明瞭さ・簡潔さ冗長表現、受動態中程度文書の目標設定が未指定
トーン・言い回し丁寧さ、フォーマル度低い読者と目的を伝えていない

つまり、上の層ほど機械的で安定し、下の層ほど「文脈を知らないと判断できない」領域になります。そして不満が出るのは、たいてい下2つ。ここが設定とプロンプトで動く部分です。

Grammarly全体の機能を先に押さえておきたい場合は、Grammarlyの基本ガイドを眺めてから戻ってくると、以降の話が早く入ります。


Grammarly icon
Grammarly無料プランあり

Grammarlyは、英文の文法・スペル・句読点を確認し、読みやすさや意図したトーンまで整えるAIライティング支援ツールです。入力中の文章に対して誤りの指摘、明確で簡潔な表現への書き換え、フォーマルさや親しみやすさに合わせたトーン調整をGmail、Google Docs、Microsoft Wordなどの作業画面で提案します。生成AI機能では、メール、レポート、記事のアイデア出しや下書き作成、既存文の長さ・表現のリライトにも対応します。英語でのビジネスコミュニケーション、学術文書、海外向けコンテンツを正確かつ自然に仕上げたい個人やチームに向いています。

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精度が低いと感じる5つの原因を切り分ける

精度が低いと感じる5つの原因を切り分ける

不満の内容によって、打つ手はまったく変わります。原因の当たりをつけてから設定を触ってください。

よくある症状と、その裏側にある原因の対応表です。

症状疑うべき原因対処
正しいはずの綴りに赤線が出る英語方言が米英で混在方言を固定して辞書登録
「もっと短く」ばかり言われる目標設定が未指定読者と目的を設定
提案どおりに直すと堅苦しくなるフォーマル度の初期値トーンをCasual寄りに
AI生成の書き換えが的外れ指示文が1行で終わっている役割と制約を足す
専門用語を毎回直される個人辞書が空用語を辞書に追加

上から順に、設定変更だけで消える症状と、書き手側の指示文を直す必要がある症状に分かれます。前者は5分、後者は書き方の習慣づけ。

原因が見えたところで、具体的な5つの改善に入ります。


改善1: 文書の目標設定を毎回合わせる

Grammarlyには「この文章を誰に向けて、どんな目的で書くか」を宣言する設定(Goals)があります。ここが空欄だと、汎用の一般文書として採点されます。

たとえば同じ英文メールでも、社内の同僚に送る依頼と、初めて連絡する取引先への提案では、直すべき箇所が正反対になります。前者で「please be advised that」は硬すぎ、後者で「wanna」は論外。Grammarlyはこの区別を、設定からしか知りようがありません。

設定できる主な項目は次の4つです。

  • Audience(読者): 一般 / 専門知識あり / 専門家
  • Formality(フォーマル度): カジュアル / 中立 / フォーマル
  • Domain(分野): 学術 / ビジネス / メール / 創作など
  • Intent(意図): 伝える / 説明する / 説得する / 語る

論文のドラフトならAudienceを専門家、Domainを学術に。カジュアルなSlackメッセージならFormalityをカジュアルに。この2つを合わせるだけで、「明瞭さ」層の指摘が半分近く入れ替わります。

地味に効くのがIntentです。説得が目的の文章で「受動態を避けろ」の指摘が減り、代わりに主張の弱い言い回しが拾われるようになります。

新規ドキュメントごとに設定はリセットされます。癖として、書き始める前に開く。


改善2: 英語の方言とフォーマル度を固定する

アカウント設定の英語方言(American / British / Canadian / Australian)が実態と合っていないと、正しい綴りが延々と赤線になります。

colourcolororganiseorganizetravellingtraveling。どれも間違いではなく、方言の違いです。日本の英語教育は米式が中心なので、初期値がイギリス英語のままだと違和感が出続けます。逆に、取引先がイギリスやオーストラリアの企業なら、米式に固定していると相手の表記を毎回否定されます。

方言設定の選び方の目安を整理します。

相手・提出先推奨する方言設定影響が出る典型例
米国企業、米国系ジャーナルAmericanorganize, center, analyze
英国・EU圏の企業Britishorganise, centre, analyse
カナダ企業Canadiancolour + analyzeの混合
豪州・NZ企業AustralianBritish寄りだが一部独自

つまり、送り先が変わったら設定も変える。文書ごとに相手が違う人ほど、ここの見直しで指摘のノイズが減ります。

もうひとつ、固有名詞と社内用語は個人辞書に登録してください。自社製品名やコードネームを毎回タイポ扱いされると、本当に見るべき赤線が埋もれます。赤線が多すぎて全部無視する状態は、精度がゼロなのと同じです。


改善3: プロンプトは「役割・読者・制約」の3点セットで書く

Grammarlyの生成機能に「Make this better」とだけ打ち込んでいませんか。ここが的外れな書き換えの最大の供給源です。

プロンプト(AIへの指示文)は、指示が短いほど平均的な出力に寄ります。平均的な英文は、たいていあなたの文脈から外れています。

指示文の型を変えるだけで結果がどう変わるか、比較したのが下の表です。

悪い指示文何が起きるか直した指示文
Make this better無難で長い文に膨らむRewrite for a busy client. Under 80 words. Keep the deadline sentence.
Fix grammar語順まで勝手に変えるFix only grammar and articles. Do not change vocabulary or sentence order.
Make it professional定型句だらけになるMake it polite but direct. No filler phrases like "I hope this email finds you well."
Summarize要点がずれるSummarize into 3 bullets for a non-technical manager.

要するに、AIに「何をしないか」を伝えた指示文ほど当たります。禁止条件は精度を上げる最短ルートです。

書くときに入れる要素は3つだけ覚えてください。

  • 役割: 誰として書き換えるか(例: an editor for a B2B SaaS newsletter)
  • 読者: 誰が読むか(例: a first-time customer in Japan)
  • 制約: 語数、残す文、変えてはいけない用語

日本語で考えた条件を英語の指示文にするのが面倒なら、条件だけ日本語で書いて英語部分を英文で渡す形でも通ります。完璧な英語の指示文である必要はありません。

指示文の設計をもっと詰めたい人は、ChatGPTとGrammarlyの使い分け記事に汎用的な型の話をまとめてあります。


改善4: 提案を全部受け入れない習慣をつくる

精度の体感を一番下げているのは、実は「全部受け入れボタン」です。

Grammarlyの提案には、明確な誤りの修正と、好みの範囲の書き換えが混ざっています。前者は受け入れて問題ありません。後者を機械的に反映すると、文章から書き手の癖が抜け落ちて、平坦な英語になります。読み手には「AIが書いたな」と伝わります。

判断基準はシンプルにできます。

提案の種類対応理由
スペル、時制、冠詞受け入れる客観的な誤り
重複語、抜け語受け入れる見落としの補完
受動態を能動態に内容次第学術文では受動態が適切な場面がある
語彙をシンプルに保留専門読者には物足りなくなる
文の分割・結合保留リズムが崩れることがある

上2つは自動で、下3つは自分の目で。この線引きを決めておくと、赤線の量に振り回されなくなります。

同じ提案を繰り返し却下すると、その種類の指摘は出にくくなっていきます。無視した回数が設定に反映される仕組みなので、序盤に丁寧に却下しておくほど後が楽になります。ここが育てる部分。


改善5: 使う場所を変えると指摘の質が変わる

同じ文章でも、ブラウザ拡張で書いているときとデスクトップアプリに貼り付けたときで、拾われる指摘の細かさが変わります。

Webエディタ上では、他サイトの入力欄の挙動に合わせて動くため、長文の文脈を追いきれない場面があります。段落をまたぐ一貫性のチェック(用語の揺れ、時制の統一)を期待するなら、専用のエディタ画面に貼り付けたほうが結果は安定します。

環境ごとの向き不向きを整理しました。

使う場所向いている作業弱点
ブラウザ拡張メール、フォーム入力長文の文脈判断が弱い
デスクトップアプリレポート、論文ドラフト起動と貼り付けの手間
モバイルキーボード短文の返信提案の表示数が限られる
Word・Docs連携提出前の最終確認動作が重くなる場合あり

つまり、短文はどこでもよく、長文は専用画面に持ち込む。これだけで「文脈を読んでいない」系の不満はかなり減ります。


無料版とProで精度は変わる?

変わります。ただし、変わるのは「文法検出の正しさ」ではなく「提案の踏み込み具合」です。

Grammarly公式の料金ページによると、無料プランでもスペル・文法・句読点のチェックとトーン検出が使え、AIプロンプトは月100回まで利用できます(2026年8月時点)。基本的な誤りの検出は無料版で十分に機能します。

有料のProは、年間払いで月12ドル、月払いだと月30ドル。年払いと月払いで2.5倍の差があるため、続ける前提なら年払い一択です。Enterpriseは要問い合わせで、専用サポートや機密モードといった管理機能が付きます。

プランごとの違いを、精度の観点だけで整理します。

項目FreePro
スペル・文法・句読点ありあり
トーン検出ありあり
AIプロンプト月100回拡張
高度な書き換え提案限定的あり
盗用チェックなしあり

つまり、赤線の正しさを求めるだけなら無料版で足ります。書き換え案の質と回数に投資する価格だと考えるのが実態に近いです。

月100回のAIプロンプトを毎月使い切っているなら、有料化の判断ラインを超えています。使い切っていないなら、まだ設定とプロンプトの改善で伸びしろがあります。

料金とプラン構成は変わりやすいので、契約前に公式サイトで最新の金額を確認してください。


日本語の文章には使えるのか?

使えません。Grammarlyの校正対象は英語で、日本語の文章を貼り付けても意味のある指摘は返りません。

ここを誤解したまま「精度が低い」と感じているケースが一定数あります。日本語の誤字脱字や表記ゆれを直したいなら、日本語校正に特化したツールを併用するのが正解です。

日本語側の選択肢としては、AI editor Shodoのような国産の文章校正ツールがあります。英語はGrammarly、日本語はShodo、と分けるのが素直な構成です。両者の性格の違いはGrammarlyとShodoの比較記事で詳しく扱っています。

日本語で下書きして英訳する流れなら、DeepL Writeを英訳後の推敲に挟むと、Grammarlyに渡す前の英文の質が上がります。元の英文が壊れているほど、校正ツールの提案は的外れになります。入力の質が出力の質を決めるのは、どのツールでも同じ。


AI検出のスコアはどこまで信じていい?

参考値として見るに留めるのが安全です。判断の根拠にはしないでください。

AI生成らしさを判定する機能は、原理的に「よく使われる言い回しの多さ」を測っています。テンプレ的な英文を書く非ネイティブの文章が、人間が書いたものでもAI判定されることがあります。逆に、AIに書かせた文章を数カ所書き換えるだけでスコアは下がります。

提出物の合否をこのスコアで決める運用は危険です。使うなら、「自分の文章が平均的すぎないか」を確認するチェック用途に限定してください。固有の事実、具体的な数字、自分だけが知っている経緯を足すと、スコアも読み応えも同時に上がります。


それでも直らないときの役割分担

設定とプロンプトを直しても不満が残るなら、Grammarlyに求めている仕事が範囲外の可能性があります。

Grammarlyが得意なのは表層の校正です。文章の構成を組み替える、主張の弱さを指摘する、事実関係を検証する。この3つは守備範囲の外側にあります。

用途ごとの向き先を整理しました。

やりたいこと適した道具Grammarlyの役割
綴り・文法の最終確認Grammarly主役
構成の組み替えChatGPT / Claude仕上げのみ
日本語からの英訳DeepL訳文の推敲
長文のトーン統一Jasper誤り検出
日本語の校正AI editor Shodo対象外

つまり、構成と論理は生成AI、表層は校正ツール。この二段構えが現実的な運用です。

生成AIと組み合わせる具体的な手順はGrammarlyとClaudeの連携ガイドに、マーケ用の長文制作での比較はGrammarlyとJasperの比較にまとめてあります。

ここまでの整理: 精度の不満は「設定が空欄」「指示文が短い」「求めている仕事が範囲外」の3つに分解できます。前の2つは今日直せます。3つ目は道具を足す話です。


明日から回すチェックリスト

設定の見直しは一度きりですが、プロンプトと提案の取捨選択は毎回の作業になります。

書き始める前と提出前に、4項目だけ確認してください。

  • 文書の目標設定(読者・フォーマル度・分野・意図)を入れたか
  • 送り先に合った英語方言になっているか
  • 書き換え依頼に「変えない条件」を書いたか
  • 好みの範囲の提案を機械的に受け入れていないか

このうち1つ目と3つ目を守るだけで、体感の精度はかなり変わります。所要時間は1分。


よくある質問(FAQ)

Q. 設定を変えても赤線の量が減りません

赤線の量と精度は別物です。固有名詞や社内用語が辞書登録されていないと、本来無視すべき指摘で画面が埋まります。まとめて個人辞書に登録してから、残った赤線を評価してください。

Q. 提案どおりに直したら、ネイティブに「不自然」と言われました

明瞭さとトーンの層は、文脈を知らない状態での一般論です。目標設定を埋めていない状態の提案は、平均的な英文に寄せる力が強く働きます。読者とフォーマル度を設定してから、もう一度同じ文章を通してみてください。

Q. 無料版のAIプロンプト月100回は足りますか

英文メール中心なら足ります。1日3回ほどの計算になるためです。レポートや論文のドラフトを丸ごと書き換えにかけると、数日で使い切ります。使い切る頻度が有料化の判断材料です。

Q. 日本語の指示文でも動きますか

書き換えの条件を日本語で書いても、多くの場面で意図は伝わります。ただし出力される英文の精度を優先するなら、対象の英文と制約条件は英語で書いたほうが安定します。

Q. 学術論文に使っても問題ありませんか

文法・スペルの校正であれば一般的な範囲です。ただし提出先のジャーナルや大学によってAI利用のルールが違うため、規定を確認してください。生成機能で本文を書かせる行為は、校正とは別扱いになることがあります。

Q. 機密情報を含む文書を貼り付けても大丈夫ですか

校正はクラウド上で処理されます。社外秘の資料を扱うなら、上位プランの管理機能や社内規定を先に確認してください。オフラインでの校正には対応していません。

Q. Word や Google ドキュメントとの連携で精度は落ちますか

検出そのものは同じですが、長文で動作が重くなり、提案の表示が遅れることがあります。執筆中はエディタ側で書き、提出前の最終確認だけ連携機能を使う運用が快適です。


AI PICKS編集部の判定

Grammarlyの精度に不満を持つ人の大半は、設定画面を一度も開いていません。ここを埋めずに「使えない」と判断するのは、正直もったいない。目標設定と英語方言の2つを合わせるだけで、指摘の質は別物になります。無料版のままでも、この2つは全員が今日できます。

有料化の判断は、月100回のAIプロンプトを使い切っているかどうかで割り切ってよいと考えます。使い切っていないなら、投資すべきは料金ではなく指示文の書き方です。年払いと月払いで2.5倍の差がある点も踏まえると、続ける確信がないうちに月払いで始めるのは微妙な選択になります。

一方で、文章の構成を練り直したい、主張の弱さを指摘してほしいという期待には応えません。そこは生成AIの仕事です。表層の校正に絞れば重宝する道具、範囲を広げると期待外れ。この線引きを持てるかどうかが、満足度を決めます。


あわせて見たいツール・カテゴリ

英文校正の前後で使う道具を揃えておくと、Grammarly単体では埋まらない穴が塞がります。

次に読むならChatGPTとGrammarlyの使い分け記事です。今回触れた「構成は生成AI、表層は校正ツール」の分担を、実際の作業手順に落とし込んでいます。

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