Fireflies.ai 代替ツール7選 日本語対応・無料枠・OSSで選ぶ (2026年版)

Fireflies.ai 代替ツール7選 日本語対応・無料枠・OSSで選ぶ (2026年版)

この記事のポイント Fireflies.aiから乗り換える理由は、だいたい3つに絞られます。会議に現れるボット、無料プランの800分という保存上限、そして日本語の精度。 代替は「ボットなし録音型」「日本語特化型」「オープンソース自己ホスト型」など7タイプに分かれ、選ぶ軸はツール名ではなくタイプです。 日本語の会議が中心なら国内製が一択。英語中心でCRM連携が要るなら海外製。社外に音声を出せないならOSS。この3分岐でほぼ決まります。

会議のあとに「あの話、誰が何を引き受けたんだっけ」と議事録を探し直す時間。あれをなくすためにFireflies.aiを入れたのに、今度は別の不満が出てきた。よくある話です。

不満の中身はだいたい共通しています。会議に「Fireflies Notetaker」という見知らぬ参加者が現れて、社外の相手に説明するのが面倒。無料プランの保存が800分で頭打ち。日本語まじりの会議になると、固有名詞が別の言葉に化ける。

乗り換え先を探すとき、いきなりツール名を並べても選べません。先に決めるべきは「どのタイプに移るか」です。


Fireflies.ai の代替を探す人が本当に困っていること

Fireflies.ai 代替ツール7選 日本語対応・無料枠・OSSで選ぶ (2026年版) 図2

Fireflies.aiの代替ニーズは、機能不足ではなく「運用上の摩擦」から生まれます。ボット参加・保存上限・言語精度の3つが主な引き金です。

海外の比較情報を見ても、乗り換え理由として繰り返し挙がるのは同じ項目です。会議に見えるかたちで参加する記録ボット、無料プランの800分という保存上限と月20回のAIクレジット、追加クレジットによる想定外の請求、そして訛りや発言のかぶりに弱い精度。

日本のユーザーにはここにもう1つ加わります。日本語です。

英語圏で「精度が高い」と評価されているツールが、日本語の社内会議では固有名詞をことごとく外す。「エヌイーディー社」が「ネッド社」になり、「与信枠」が「予診枠」になる。議事録として使えないわけではないものの、毎回直すなら手打ちと変わりません。

つまり、乗り換えの検討は「Firefliesより良いツール」を探す作業ではなく、「自分が何に困っているか」を先に言語化する作業です。

困りごと別・向かうべき方向

不満の種類ごとに、進むべき方向はきれいに分かれます。下の表で自分の位置を確認してください。

いまの不満向かうべきタイプ妥協が必要な点
会議にボットが現れるのが嫌ボットなし録音型対応する会議プラットフォームが限られる
無料枠がすぐ尽きる無料枠が広いクラウド型AI要約の回数に別の上限がある
日本語の精度が低い日本語特化の国内製英語や多言語の会議では優位性が薄い
音声を社外に出せないオープンソース自己ホスト型サーバー費用と運用の手間が発生する
対面の会議も記録したいハードウェア録音型端末代が初期費用としてかかる

要するに、5つの不満に対して5つの別々の答えがあり、それを1つのツールで全部満たそうとすると失敗します。


Fireflies.ai の代替とは何を指すのか

Fireflies.ai 代替ツール7選 日本語対応・無料枠・OSSで選ぶ (2026年版) 図3

Fireflies.aiの代替とは、会議の音声を自動で文字にして要約まで作る「AI議事録ツール」全般のうち、Firefliesが持たない特性(ボットなし録音、日本語特化、自己ホスト可能など)を備えた選択肢のことです。

まず前提の整理から。AI議事録ツールがやっていることは、大きく3工程です。

  1. 会議の音声を取り込む(録音・録画)
  2. 音声を文字に変換する(文字起こし)
  3. 文字から要点とタスクを抜き出す(AI要約)

Fireflies.aiはこの3工程を全部やります。代替を名乗るツールも基本的には同じです。差が出るのは工程の中身。

とくに1番目の「音声の取り込み方」が、使い勝手を大きく左右します。ここが分かれ道。

音声の取り込み方は3種類ある

取り込み方式の違いは、そのまま「会議中に他の参加者から見えるかどうか」の違いになります。

ボット参加型は、ZoomやGoogle Meetに記録用のアカウントが参加者として入ります。Fireflies.aiがこの方式です。設定は楽ですが、社外との商談では相手に見えます。

ネイティブ録音型は、パソコンの音声を直接拾います。会議に余計な参加者が現れません。Laxisがボットなしの取り込みモードを持ち、Avomaにもボットを使わないネイティブ録音の選択肢があります。Zoom・Google Meet・Microsoft Teams自体にも内蔵のAIメモ機能があり、第三者ボットなしで録音できます。ただし内蔵機能はCRM連携やプラットフォーム横断の対応が弱い、というのが海外の評価です。

ハードウェア録音型は、専用のICレコーダー的な端末で録ります。対面の打ち合わせに強い方式です。

3方式のうちどれを選ぶかで、候補は半分に絞れます。


代替7タイプの全体像

代替候補は、個別のツール名ではなく7つのタイプで捉えると迷いません。それぞれ得意な場面がはっきり違います。

ここから7タイプを順に見ていきます。表で全体像を先に押さえてください。

タイプ向いているチーム代表的な特徴弱点
① ボットなし録音型社外商談が多い営業会議に参加者が増えない対応プラットフォームに制限
② 日本語特化型日本語会議が9割固有名詞・敬語表現に強い英語会議では優位性が薄い
③ 無料枠重視型個人・小規模チーム無料で試せる時間が長いAI要約の回数制限が別にある
④ オープンソース型情報を外に出せない組織自己ホストで音声が社外に出ない構築と運用の手間
⑤ ハードウェア型対面商談・現場取材オフラインの会話も記録できる端末代の初期投資
⑥ 会議プラットフォーム内蔵型単一ツールで完結する会社追加契約なしで使える横断検索やCRM連携が弱い
⑦ 汎用AI +文字起こし自作型少数精鋭・技術者チーム要約の指示文を自由に設計できる自分で仕組みを組む必要がある

7タイプのうち、日本のチームが実際に検討するのは②③④⑥の4つに集約されます。①と⑤は用途がはっきりしている人向け、⑦は技術者向けです。


① ボットなし録音型|商談で相手に見せたくないなら

ボットなし録音型は、会議に記録用の参加者が現れない方式です。社外との商談で「録音していることを説明する手間」を減らしたいチームに向きます。

Fireflies.aiから離れる理由として、この項目は上位に来ます。理由は感情的なものではありません。実務的な問題です。

社外の相手が「このNotetakerって何ですか」と聞いてくる。説明する。相手が渋る。商談の冒頭5分がその話で溶ける。月に20件の商談があれば、それだけで100分。

ネイティブ録音型なら、この摩擦がゼロになります。ただし注意点も。

録音の告知義務は消えないという点です。ボットが見えないからといって、無断録音してよいわけではありません。日本国内での商談録音は、相手に一言伝えるのが実務上の標準です。ツールの方式が変わっても、この運用は変わりません。

ここまでの整理: ボットなし録音は「手間の削減」であって「告知の省略」ではありません。冒頭に「記録を取らせていただきます」の一言は残してください。

対応する会議プラットフォームが限られる点も確認が要ります。Zoomは対応していても、社内で使っている別のツールが対象外、というケースがあります。

競合ツールとの機能差を細かく見たい場合は、FirefliesとFathomの比較を先に読むと、この後の話が早くなります。


② 日本語特化型|精度で選ぶならここが本命

日本語特化型は、国内で開発された文字起こしツールを指します。日本語の固有名詞・敬語・業界用語の認識で、海外製より安定する傾向があります。

日本語の会議が中心なら、ここが一択です。理由は精度の差ではなく、精度が「どこで落ちるか」の差にあります。

海外製ツールの多くは英語を主軸に学習しています。日本語にも対応しますが、崩れるポイントが日本語ネイティブの想定とズレます。たとえば会社名。「株式会社」を含む正式名称は、英語主軸のモデルだと分解されて別の語になりがちです。

国内製は、この手の「日本のビジネス会話でよく出る型」に強い。

日本語精度をどう見極めるか

精度の数字はベンダーが自社に有利な条件で測ることが多く、公表値の比較にはあまり意味がありません。自分で確かめる方法を持つほうが確実です。

無料枠を使って、次の4つを含む10分の会議を録ってみてください。

  • 自社と取引先の正式な会社名
  • 社内でしか使わない略語(「与信」「粗利」「番管」など)
  • 数字の入った発言(金額・日付・件数)
  • 発言がかぶる場面

この4項目の再現率を見れば、ツールごとの実力はほぼ判定できます。カタログスペックより速い。

日本語対応をうたう海外製と国内製の違いをもう少し掘り下げたいなら、FirefliesとMeetGeekの比較が参考になります。多言語対応の実際の中身が見えます。


③ 無料枠重視型|「無料」の中身は3つに分かれる

無料枠重視型を選ぶときは、「録音時間」「保存時間」「AI要約の回数」の3つを別々に確認する必要があります。この3つは別の上限として設定されているのが普通です。

ここが一番の落とし穴。

Fireflies.aiの無料プランは、保存上限が800分、AIクレジットが月20回とされています。文字起こしはできても、要約を回せる回数には別の枠がある構造です。

つまり「無料枠800分」と聞いて「月800分ぶんの議事録が作れる」と考えると、実際には要約が20回で止まります。1回60分の会議なら、月20回。週5回の会議で使い切る計算です。

無料枠の3つの上限

無料プランを比べるときは、次の3項目を必ず分けて見てください。

上限の種類意味見落とすとどうなるか
録音・文字起こし時間月に何分ぶん文字化できるか月末に録音できなくなる
保存時間(ストレージ)過去分を何分ぶん残せるか古い議事録が消える・見られなくなる
AI要約の回数要約を何回生成できるか文字起こしはあるが要約が出ない

3つのうちどれか1つでも自分の使い方に足りなければ、その無料プランは実質使えません。

Otter.aiは無料枠が300分で、発言と同時に文字が出る同時表示に強い、というのが海外での一般的な評価です。個人向けの開始価格はFireflies.aiより低い水準にあるとされています。仮想会議の字幕と検索できる記録が主目的なら、この選択肢は現実的です。

無料枠で運用を回しきるつもりなら、AI要約の回数を先に数えてください。ここを外すと、月の後半に「文字起こしだけが溜まる」状態になります。


④ オープンソース型|自己ホストは本当に安いのか

オープンソース型は、文字起こしモデルを自社サーバーやローカル環境で動かす方式です。音声データが社外に出ない点が最大の利点で、代わりに構築と運用の負担が発生します。

「無料のOSSがあるなら、それでいいのでは」と考える人は多い。ただ、この判断は総額で見ないと危険です。

自己ホストで実際にかかるのは、次の3つです。

サーバー費用。文字起こしモデルを実用的な速度で動かすには、GPUを積んだ環境が要ります。クラウドのGPUインスタンスは、常時起動なら月額数万円規模になります。会議のたびに起動する運用にすれば下がりますが、その仕組みも自分で作ることになります。

構築の工数。文字起こしモデルを動かすだけなら1日で終わります。ただ「会議の音声を自動で取り込んで、話者を分けて、要約して、チームが見られる場所に置く」までを作ると、規模は別物になります。

運用の継続コスト。モデルの更新、サーバーの保守、障害時の対応。これを担当する人の時間が毎月消えます。

自己ホストが正解になる条件

それでもOSSを選ぶべきケースははっきりしています。

条件OSS自己ホストの適合度
音声・議事録を社外サーバーに置けない規定がある適合。ほかに手段がない
社内にインフラ担当がいて工数を確保できる適合。運用が回る
月の会議時間が数百時間規模適合。クラウド課金より安くなりうる
少人数で情シス担当がいない不適合。SaaSのほうが安い
とにかく費用を抑えたいだけ不適合。人件費で逆転する

上の2つ以上に当てはまるなら、自己ホストを検討する価値があります。当てはまらないなら、素直にSaaSの有料プランを買ったほうが総額は安く済みます。

音声を社外に出せない規定がある組織にとっては、OSSは「安い選択肢」ではなく「唯一の選択肢」です。この文脈でのみ、構築コストは正当化されます。


⑤ ハードウェア型|対面の会話を残したいなら

ハードウェア型は、専用の録音端末で会話を記録し、アプリ側で文字起こしと要約を行う方式です。オンライン会議に依存せず、対面の商談や現場での会話を記録できます。

営業が客先に出向く業態では、記録したい会話の大半がオンライン会議の外にあります。喫茶店での商談、工場での打ち合わせ、展示会でのブース会話。

パソコンを開いて録音ソフトを立ち上げるわけにいかない場面で、専用端末は効きます。

一方で、端末代という初期費用が発生します。クラウド型が月額数千円で始められるのに対し、ハードウェアは最初にまとまった額が要ります。オンライン会議しかない業態では、この投資は回収できません。

対面とオンラインの両方を1つの仕組みでカバーしたい場合の考え方は、PLAUD NOTEとFirefliesの比較にまとめてあります。端末型とクラウド型で運用がどう変わるかが分かります。


⑥ 会議プラットフォーム内蔵型|追加契約なしで始める

会議プラットフォーム内蔵型は、Zoom・Google Meet・Microsoft Teamsが自前で持つAIメモ機能を使う方式です。追加のツール契約なしで、第三者のボットも入りません。

コストがかからない点が最大の利点です。すでに支払っているプランの範囲で使える場合が多い。

ただし、海外の評価では明確な弱点が指摘されています。CRMとの同期がない点と、複数のプラットフォームをまたいだ管理ができない点です。

具体的にはこうなります。Zoomの会議はZoomに、Teamsの会議はTeamsに議事録が溜まる。「先月、A社と話した内容」を探すとき、どちらで会議したかを思い出す必要があります。検索が分断される。

社内の会議ツールが1つに統一されていて、CRM連携も不要なら、内蔵機能で足ります。逆に、顧客ごとに使うツールが違う営業組織では、早い段階で限界が来ます。

判断基準は単純です。過去3か月の会議を、いくつのプラットフォームで開いたか。2つ以上なら内蔵機能では足りません。


⑦ 汎用AI + 文字起こし自作型|要約の質を自分で決める

汎用AI +文字起こし自作型は、文字起こしだけを既存サービスに任せ、要約を汎用の生成AIに自分の指示文で作らせる方式です。要約の形式を完全に自分で決められます。

既製ツールの要約には、決まった型があります。「議題」「決定事項」「次のアクション」の3点セットが標準です。

これが自社の業務に合わない場合があります。たとえば採用面接なら、欲しいのは「候補者の発言のうち、評価軸ごとの根拠となる部分」です。決定事項の3点セットでは足りません。

文字起こしのテキストさえ手に入れば、要約は汎用AIに任せられます。AIへの指示文(プロンプト)を自社の評価シートに合わせて書けば、既製品にはない形式の議事録が出ます。

向いているのは、要約の型が業務に強く紐づいているチームです。逆に、標準的な議事録で足りるなら、この方式は手間が増えるだけ。

汎用AIツールの選び方から入りたい場合は、AIチャットツールのカテゴリを先に見ておくと選択肢が整理できます。


乗り換えのとき何が失われるのか

ツールを移行すると、過去の議事録データ、CRM連携の設定、チームの検索習慣が一度リセットされます。移行前にデータの持ち出し可否を確認しておくのが安全です。

ここを軽く見て後悔するケースが多い。

Fireflies.aiに1年ぶんの議事録が溜まっている状態で乗り換えると、その1年ぶんが検索できなくなります。エクスポートできる形式と、移行先が受け入れられる形式が一致するとは限りません。

移行前チェックリスト

乗り換えを決める前に、この4点を確認してください。

  • 過去の議事録をまとめてエクスポートできるか(形式も含めて)
  • 移行先がその形式を取り込めるか
  • CRMやカレンダーとの連携を組み直す工数はどれくらいか
  • 解約後、旧ツールにデータが残る期間はどれくらいか

4点目は見落とされがちです。解約と同時にデータが消える設計のサービスもあります。

現実的な対応は、1か月の並行運用です。新旧2つを同時に動かして、新しいほうで問題がないと確認してから旧ツールを止める。二重の月額が1か月ぶん発生しますが、議事録が消えるリスクに比べれば安い保険です。

読み書き両方の連携を重視するなら、FirefliesとRead AIの比較で連携面の違いを確認しておくと判断材料が増えます。


料金はいくらかかる?

AI議事録ツールの費用は「月額」だけでは決まりません。ユーザー数、AI要約の追加クレジット、ストレージの超過分が積み上がる構造になっています。

Fireflies.aiの無料プランは0円で、800分の保存とアップロードによる文字起こしが使えます。統合機能は付かず、基本機能のみです。有料のProプランは年払いで月額18ドル(1ユーザーあたり)とされ、文字起こしの制限が緩みます。

注意したいのは、月額に含まれない部分です。

見えにくい追加費用

議事録ツールの請求が想定を超える主な原因は、次の3つです。

追加費用の種類発生する場面対策
AIクレジットの追加購入要約の回数が上限を超えたとき月の会議数から必要回数を先に計算する
ユーザー数の増加チームメンバーを追加したとき実際に使う人だけに絞る
ストレージ超過過去の議事録が上限を超えたとき古い分の削除ルールを決めておく

3つのうち、想定外の請求として最も多いのはAIクレジットの追加分です。海外でも「クレジット追加による請求の驚き」が乗り換え理由に挙がっています。

対策は単純です。契約前に「月の会議数 × 要約1回」で必要クレジット数を計算し、それが含まれるプランを選ぶ。上限ギリギリのプランは避ける。


日本語の会議ではどれを選ぶべき?

日本語の会議が全体の8割以上を占めるなら、国内開発のツールを第一候補にすべきです。固有名詞と業界用語の認識精度が、日常の手直し工数を直接左右します。

判断を数字にすると分かりやすい。

1時間の会議の文字起こしを手で直すのに、精度が90%なら15分、95%なら7分程度かかります。週5回の会議なら、この差は月に約2.7時間。時給換算で考えれば、月額料金の差など簡単に飛びます。

だから日本語の会議が中心なら、月額の安さより精度を優先すべきです。

言語構成別の推奨

自分のチームがどこに当てはまるかを確認してください。

会議の言語構成推奨タイプ理由
日本語が8割以上② 日本語特化型手直し工数が最小になる
日英が半々③ 無料枠重視型で両方試す実データで精度を比べるしかない
英語が中心海外製のクラウド型英語精度とCRM連携が成熟している
日本語かつ機密性が高い④ オープンソース型音声を外に出さずに済む

言語構成は、料金や機能より先に見るべき軸です。ここを外すと、どれだけ高機能でも毎回の手直しが残ります。


セキュリティと社内規定はどう確認する?

会議の音声には、未公開の商談条件や人事情報が含まれます。導入前に確認すべきは、データの保存場所、第三者提供の有無、学習利用の可否の3点です。

情シスに止められる導入の理由は、だいたいこの3つのどれかです。

データの保存場所。海外のサーバーに保存される場合、業種によっては規定に抵触します。金融・医療・官公庁向けの案件を扱うチームは、先に確認が要ります。

学習への利用。入力した音声やテキストがモデルの学習に使われるかどうか。有料プランでは学習利用しない設計のサービスが多いものの、無料プランでは条件が違うことがあります。無料で試すときこそ、ここを見てください。

認証の有無。SOC2やISO27001の取得状況は、各社の公式ページで確認できます。認証があれば安心というわけではありませんが、社内稟議を通すときの材料にはなります。

稟議を通すための3点セット

社内承認が必要な場合、次の3つを揃えると通りやすくなります。

  • 公式サイトのセキュリティページのURL(認証状況が載っているもの)
  • データ保存リージョンの記載箇所
  • 学習利用に関する規約の該当部分

この3点を先に集めておけば、情シスとのやり取りが1往復で済みます。

録画ツールとの併用を考えている場合は、FirefliesとLoomの比較で、録画と文字起こしの役割分担を整理しておくと重複契約を避けられます。


導入して失敗するパターン

AI議事録ツールの導入失敗は、ツール選定より運用設計で起きます。全会議に入れる、要約を誰も読まない、タスクが転記されない、この3つが典型です。

順に見ていきます。

全会議に入れてしまう。雑談混じりの定例まで記録すると、議事録が量産されて誰も読まなくなります。記録する会議を「決定が生まれる会議」に絞るほうが、結果的に活用されます。

要約を読む習慣がない。ツールが要約を作っても、Slackに流れて終わるなら意味がありません。会議後に要約を確認する担当を決める。それだけで定着率が変わります。

タスクが転記されない。AIが「次のアクション」を抽出しても、タスク管理ツールに入らなければ実行されません。連携で自動化するか、確認担当が手で移すか、どちらかを決めておく。

3つとも、ツールの機能ではなく運用の問題です。だからツールを乗り換えても解決しません。


導入前に試すべき最短の検証手順

無料枠を使った検証は、実際の会議データで1週間回すのが最も確実です。デモ動画や公式のサンプルでは、自社特有の用語の再現率が分かりません。

具体的な手順を示します。

  1. 候補を2つに絞る(3つ以上は比較が雑になる)
  2. 同じ会議を両方のツールで同時に記録する
  3. 固有名詞・数字・略語の誤りを数える
  4. 要約の内容が会議の決定事項と一致しているか確認する

同じ会議を同時に記録するのがポイントです。別々の会議で比べると、会議自体の難易度の差が結果に混ざります。

検証は1週間で十分。それ以上かけても判断は変わりません。


AI PICKS編集部の判定

Fireflies.aiの代替探しで最初にやるべきは、ツール比較ではなく「不満の言語化」です。ボットが嫌なのか、無料枠が足りないのか、日本語が外れるのか。この3つは別々の問題で、答えも別々。

そのうえで判定を述べます。日本語の会議が8割を超えるチームなら、国内製の日本語特化型が一択です。月額の差は、手直し工数の差で簡単に逆転します。精度が5ポイント違えば月に数時間が消える計算になるので、そこをケチるのは正直イマイチな判断。

無料枠だけで運用を回そうとするのは、ほぼ確実に失敗します。Fireflies.aiの無料プランが保存800分・AIクレジット月20回という構造である以上、週5回の会議で月内に尽きます。無料枠は「検証用」と割り切るのが健全です。

オープンソースの自己ホストは、音声を社外に出せない規定がある組織にとっては重宝します。逆に「タダだから」という理由で選ぶと、GPU費用と運用工数で確実に逆転する。安さを理由にOSSへ行くのは微妙です。

最も見落とされているのは移行時のデータ損失で、ここだけは1か月の並行運用を強く推します。


あわせて見たいツール・カテゴリ

議事録まわりのツール選びは、周辺カテゴリも一緒に見ると全体の設計が決まります。

  • Notta — 日本語の文字起こしを軸に検討するなら、まずここの無料枠で自社用語の再現率を測るのが早いです
  • Otter.ai — 英語中心の会議で同時字幕を重視する場合の定番。無料枠で挙動を確かめられます
  • 文字起こしAIのカテゴリ — 会議以外(取材・講演)の用途も含めて選択肢を眺めたいとき
  • AIチャットツールのカテゴリ — 文字起こしテキストを自分の指示文で要約する方式を採るなら、ここから母体を選びます
  • 業務効率化AIのカテゴリ — 議事録の先にあるタスク管理・自動化まで含めて設計したい場合に

カテゴリから入ると、議事録ツール単体では見えない「連携先とセットで選ぶ」という視点が持てます。


よくある質問(FAQ)

Q. Fireflies.ai の無料プランでどこまで使えますか

無料プランは0円で、800分の保存上限と、月20回のAIクレジットが割り当てられる構成とされています。手動アップロードによる文字起こしは可能ですが、統合機能は付きません。個人での試用や、乗り換え前の検証には足りますが、業務での常用は月の後半で止まります。

Q. 会議にボットを入れない代替はありますか

あります。Laxisはボットなしの取り込みモードを持ち、録音と文字起こしの間に別の参加者が通話に現れません。Avomaにもボットを使わないネイティブ録音の選択肢があります。Zoom・Google Meet・Microsoft Teamsの内蔵AIメモも第三者ボットなしで録音できますが、CRM同期とプラットフォーム横断の対応が弱い点は割り切りが要ります。

Q. 日本語の精度はどう比べればいいですか

公表されている精度の数字を比べても意味は薄いです。自社の会議を10分録って、会社名・社内略語・金額・発言のかぶり、この4項目の誤りを数えてください。無料枠で2ツールを同じ会議に同時投入すれば、1回で差が出ます。カタログより速くて正確な方法です。

Q. オープンソースの自己ホストは本当に無料になりますか

ソフトウェアのライセンス費用はかかりませんが、総額では無料になりません。GPUを積んだサーバー費用、構築の工数、月々の保守が発生します。少人数で情シス担当がいないチームなら、SaaSの有料プランのほうが総額は安く収まります。OSSが正解になるのは、音声を社外に出せない規定がある場合と、月の会議時間が数百時間規模の場合です。

Q. 乗り換えると過去の議事録はどうなりますか

旧ツールに残ります。ただし解約後の保持期間はサービスごとに違い、解約と同時に見られなくなる設計もあります。移行前にエクスポートの可否と形式を確認し、1か月の並行運用を挟むのが安全です。二重の月額1か月ぶんは、1年ぶんの議事録を失うリスクへの保険と考えてください。

Q. Otter.ai は Fireflies.ai より安いですか

個人向けの開始価格はFireflies.aiより低い水準にあるとされ、無料枠は300分です。発言と同時に文字が表示される同時表示に強く、仮想会議の字幕と検索できる記録が主目的なら合います。ただし日本語中心の会議では、国内製との精度差を自分で確かめてから決めるべきです。

Q. 対面の打ち合わせも記録できますか

専用の録音端末を使うハードウェア型なら記録できます。オンライン会議に依存しないため、客先訪問や現場での打ち合わせに向きます。端末代の初期費用が発生するので、記録したい会話の大半がオンライン会議の外にある業態でのみ元が取れます。

Q. 社内の情シスに止められないためには何を準備すべきですか

データの保存場所、学習利用の有無、認証の取得状況、この3点の公式ページのURLを先に集めてください。とくに学習利用は、無料プランと有料プランで条件が違うことがあります。無料で試す段階でも規約の該当箇所を確認しておくと、後で差し戻されません。


議事録ツールの検討を進めるなら、次はFirefliesとFathomの比較を読んでください。ボットなし録音とAI要約の質を実際の機能単位で並べているので、この記事で決めた「タイプ」を具体的なツールに落とし込む段階で役に立ちます。