耳コピしたい曲があってMoisesを開いたら、5分の曲が途中で切れた。あるいは月の途中で「今月はもう使えません」と言われた。ここにたどり着く人のほとんどが、そのどちらかです。
結論だけ先に置きます。Moisesの有料プランは月額1,180円。年払いにすると11,800円で、月あたり約983円まで下がります。そして無料版から有料版に上がる価値があるかどうかは、機能の多さではなく「月に何曲さわるか」だけで決まります。
Moisesとは、曲の音源からボーカル・ドラム・ベースなどのパートを自動で分け、コードやテンポも読み取ってくれる音楽練習向けのAIツールです。カラオケ音源を作る、ベースだけ抜き出して耳コピする、ドラムを消して自分で叩く。こうした用途のために使われています。
Moisesの料金プランは結局いくら?

無料・Premium・Proの3階層です。日本円での有料プランは月額1,180円、年額11,800円が基準になります。
まずは全体の並びを一枚にします。金額は2026年9月時点で確認できる範囲の値です。
| プラン | 月払い | 年払い | 月換算 | 位置づけ |
|---|---|---|---|---|
| 無料 | 0円 | 0円 | 0円 | 試用と軽い練習用 |
| Premium (有料) | 1,180円 | 11,800円 | 約983円 | 実用ラインの本命 |
| Pro (上位) | ドル建てで$9.99/月の水準 | 公式の料金ページで要確認 | 同左 | 長尺・重い用途向け |
つまり、日本のユーザーが実際に検討するのはほぼ「無料か、1,180円のPremiumか」の二択です。
ここで一つ注意があります。海外レビューではPremiumが$3.99/月、Proが$9.99/月という表記で紹介されています。円建ての1,180円とはかみ合いません。為替だけでは説明できない差なので、自分の課金画面に出る金額が正です。この点は後のセクションで整理します。
年払いの表示にも癖があります。月額換算で大きく見せておいて、請求は12か月分まとめて一括。途中でやめても月割りで戻ってくるとは限りません。年払いを選ぶのは、少なくとも半年は続けると決めたあとで十分です。
無料版でどこまでできる?

無料版は「月5曲・1曲5分・最大4トラック」の3つの天井に囲まれています。この3つが同時にかかるので、実際に使える範囲は数字の印象より狭くなります。
制限を並べて、それが実務でどう効くかを添えます。
| 項目 | 無料版 | 有料版 | 実務での意味 |
|---|---|---|---|
| 月の処理数 | 5曲まで | 無制限 | バンドの練習曲を1セット分入れると即枯れる |
| 1曲の長さ | 最大5分 | 最大20分 | J-POPは4分台が多く、ぎりぎり通る曲が多い |
| 分離トラック数 | 最大4 (ボーカル/ドラム/ベース/その他) | より細かい分離 | ギターとキーボードが「その他」で団子になる |
| 出力の扱い | 基本的な書き出し | 上位の書き出し設定 | 他のDAWに持っていくときに差が出る |
つまり無料版は「月に数曲、4分台の曲を、ざっくり4パートに分ける」用途に最適化されています。
この枠に収まるなら、無料版は破格です。カラオケ用にボーカルを抜く、ベースラインを耳コピする。月に2、3曲ならお金を出す理由がありません。
問題は5分の壁です。ライブ音源、プログレ、クラシック、アニメの劇伴。5分を超える曲は無料版だと丸ごと扱えません。曲の後半だけ練習したいのに、そこが切り落とされる。ここで多くの人が課金を考えます。
そしてもう一つ。月5曲は「成功した5曲」ではありません。分離の設定を変えてやり直したら、その分も消えていきます。試行錯誤するタイプの使い方とは相性が悪い設計です。
Premiumに払う価値があるのはどんな人?
月に6曲以上さわる人、5分超の曲を扱う人、パートを細かく分けたい人。この3つのどれかに当てはまれば、1,180円は安い投資です。
判断を曲数と曲の長さの2軸で整理します。
| 月の処理曲数 | 曲が5分以内 | 曲が5分超あり |
|---|---|---|
| 1〜3曲 | 無料で十分 | 有料 (5分の壁で詰む) |
| 4〜5曲 | 無料だがギリギリ | 有料 |
| 6曲以上 | 有料一択 | 有料一択 |
つまり、5分を超える曲を1曲でも扱うなら、曲数に関係なく有料側に落ちます。
具体的に効くのは次の場面です。
- バンドでセットリストを作るとき。10曲分のマイナスワン音源を一気に作る
- 楽器のレッスンで生徒ごとに違う曲を用意するとき
- ライブ音源やDJミックスなど、長尺のファイルを扱うとき
- 分離のやり直しを前提に、設定を変えながら追い込むとき
逆に、たまに好きな曲のボーカルを抜いて遊ぶだけなら、正直Premiumは過剰です。無料で回して、足りなくなった月だけ月払いで入る。これが一番損のない使い方です。
サブスクの判断軸そのものを整理したい人は、Perplexityの料金が高いと感じたときの考え方が参考になります。使用頻度から逆算する型は、ツールが変わっても同じです。
月額と年額、どちらが得?
年払いは2,360円の節約になりますが、7か月目以降使い続ける前提でないと元が取れません。
差額を計算します。
| 支払い方法 | 12か月の支払総額 | 月あたり | 月払いとの差 |
|---|---|---|---|
| 月払い1,180円 | 14,160円 | 1,180円 | 基準 |
| 年払い11,800円 | 11,800円 | 約983円 | 2,360円お得 (約17%) |
つまり年払いの割引率は約17%。サブスク全体の相場からすると標準的な水準です。
損益分岐はこう考えます。年額11,800円を月額1,180円で割ると10か月分。つまり10か月以上使うなら年払いが得、9か月以内でやめるなら月払いのほうが安く済みます。
ここが判断の分かれ目。音楽ツールは季節で使用量が大きく揺れます。発表会前の3か月だけ集中して使う、文化祭前に詰めて使う。そういう使い方なら、必要な月だけ月払いで入って抜けるほうが合理的です。
一方、レッスン講師やバンドで年間通して使うなら、年払いで固定してしまったほうが管理も楽になります。毎月の課金通知が消えるだけでも、地味に効きます。
ここまでの整理: 無料で足りるかは「月5曲・1曲5分」で決まる。有料に上がるなら月払い1,180円が基本で、10か月以上続く確信があるときだけ年払い11,800円。この2段階で考えれば迷いません。
なぜドル建てと円建てで金額が違う?
$3.99と1,180円は、単純な為替換算では一致しません。表示地域・課金経路・プラン改定のタイミングが絡むためです。
海外のレビュー記事ではPremiumが$3.99/月と紹介されています。日本のユーザーが目にするのは1,180円。$3.99をそのまま円に直しても、この数字にはなりません。
考えられる理由を並べます。
- アプリ内課金 (App Store / Google Play) を経由すると、各国の価格帯に丸められる
- 地域ごとに価格設定が分かれており、同じプラン名でも中身が違うことがある
- 海外レビューの数字が、記事執筆時点の旧価格のまま残っている
- 年払いの月額換算値と、月払いの実額が混ざって紹介されている
つまり、外部の記事に出ている金額をそのまま信じるのは危険です。
実務上の答えはシンプルです。Moises公式の料金ページを自分のブラウザで開き、ログインした状態で表示される金額を見る。これ以外に正解はありません。海外レビューの$3.99を期待して登録すると、請求額を見て驚くことになります。
同じ罠は他のAIツールでも起きます。円建てとドル建てで料金構造が違うケースの整理は、Amieの料金体系の読み解き方でも触れています。海外製ツールの料金を見るときの型として使えます。
料金を比べる前に決めておくこと
Moisesの料金が高いか安いかは、用途を先に固定しないと判断できません。3つのタイプに分けると答えが出ます。
自分がどれに当たるかを決めてから料金表に戻ってください。
| タイプ | 主な使い方 | 月の処理量 | 推奨プラン |
|---|---|---|---|
| 趣味の耳コピ | 好きな曲のパートを抜く | 月1〜3曲 | 無料 |
| 練習・バンド運用 | マイナスワン音源を量産 | 月10曲以上 | Premium (年払い) |
| 制作・レッスン業 | 長尺素材・細かい分離 | 常時 | Premium以上、Pro検討 |
つまり、料金の話に見えて実際は使用量の話です。ここを曖昧にしたまま比較表を眺めても結論は出ません。
判断の順番を間違えないでください。「1,180円は高いか」から入ると答えが出ません。「今月、何曲さわったか」から入ると10秒で決まります。
過去3か月に自分が何曲さわったか。思い出せないなら、まず無料で1か月回してみる。月末に上限に当たったかどうかが、そのまま答えになります。
他の音源分離ツールと料金の考え方はどう違う?
Moisesは定額サブスク型、LALAL.AIは分数の買い切り型に近い設計です。料金体系そのものが違うので、月額の数字だけを並べても比較になりません。
課金モデルの違いを整理します。
つまり、使用量が読めないなら分数買い切り型、毎月使うなら定額型。この一点で選べます。
Moisesの強みは音源分離だけではありません。コード検出やテンポ変更といった練習支援機能が同じ料金に含まれます。分離だけが目的なら割高に見えますが、練習道具として使うなら1,180円で収まるのは重宝します。
なお、既存の曲を分けるMoisesと、曲そのものを作るSunoやUdioは用途が別物です。カラオケ音源が欲しいならMoises、オリジナル曲が欲しいなら生成側。ここを取り違えて課金する人が少なくありません。
声の加工が目的なら、ElevenLabsのような音声特化のツールが射程に入ります。各ツールの位置づけはAI音楽・サウンドのカテゴリ一覧で横並びに確認できます。
解約と支払いで損をしないために
日割り返金は期待しないでください。契約期間の終わりまで使える形が一般的で、途中解約しても残り期間分が戻るとは限りません。
やりがちな失敗を先に潰します。
- 無料トライアルの終了日を把握せず、自動で有料に切り替わる
- アプリ内課金で契約したのに、Web側で解約しようとして見つからない
- 年払いを選んだ直後に使わなくなり、11,800円が丸ごと残る
- 解約したつもりでアプリを消しただけになっている
つまり、契約した経路と同じ経路で解約するのが鉄則です。
App Storeで契約したならiPhoneの設定アプリのサブスクリプション欄、Google PlayならPlayストアの定期購入欄。Web経由ならMoisesのアカウント設定。この3経路が混ざると迷子になります。契約時にどこで払ったかをメモしておくだけで、解約時のストレスがゼロになります。
支払い方法を変えたいときも同じです。アプリ内課金からWeb課金に移したい場合、いったん解約してから契約し直す形になるのが普通です。二重課金にならないよう、切り替えのタイミングだけは慎重に。
商用利用や権利まわりで気をつけること
料金を払っても、分離した音源を自由に使える権利が手に入るわけではありません。元の曲の著作権はそのまま残ります。
ここは料金プランとは別レイヤーの話です。Premiumに課金したからといって、市販曲から抜いたボーカルをYouTubeに上げていいことにはなりません。
安全な使い方と、注意が要る使い方を分けます。
| 使い方 | 判断 |
|---|---|
| 自分の練習用に手元で使う | 問題になりにくい |
| 自作曲・許諾済み音源を分離する | 問題なし |
| 市販曲から抜いた音源を公開・配布する | 元曲の権利者の許諾が必要 |
| 分離音源を使った動画の収益化 | 許諾なしでは危険 |
つまり、Moisesの料金は「処理する権利」に対する対価であり、「公開する権利」は含まれません。
バンドの練習音源として内部で回す分には現実的な問題は起きにくいものの、SNSや配信プラットフォームに出す段階で話が変わります。カバー動画の許諾範囲は配信先ごとに違うので、そこは各プラットフォームの規約を見るのが確実です。
AIツール全般の利用規約の読み方に自信がないなら、Claudeの完全ガイドの規約まわりの整理が参考になります。商用利用の可否をどこで確認するかという型は共通です。
課金前に確認する5つのチェック
登録ボタンを押す前の30秒で、後悔の大半は防げます。
順番に見てください。
- 直近1か月で、音源分離を何曲使ったか
- その中に5分を超える曲があったか
- Moises公式の料金ページを開き、自分の画面に出る金額を確認したか
- 契約する経路 (アプリ内課金かWebか) を決めたか
- 10か月以上使う確信があるか (あるなら年払い)
つまり、1と2で有料かどうかが決まり、5で月払いか年払いかが決まります。
3を飛ばす人が本当に多い。海外レビューの$3.99を見て登録し、請求で1,180円が来て「話が違う」となる。表示価格は地域と課金経路で変わるので、自分の画面が唯一の正解です。
無料版の上限に一度も当たっていないなら、課金はまだ早い。1か月使い切ってから判断しても、失うものはありません。
AI PICKS編集部の判定
Moisesの料金設計は、音楽系サブスクの中ではかなり良心的な部類です。月額1,180円で処理数が無制限になり、コード検出やテンポ変更まで同じ料金に入る。音源分離だけを提供して同等の金額を取るサービスもあることを考えると、練習道具としての総合力で見たときのコスパは圧倒的です。
ただし無料版の設計は正直シビアです。月5曲・1曲5分・4トラックという3重の制限は、体験版というより「まず有料の必要性を分からせる」構造になっています。J-POPの標準的な尺なら5分の壁は越えにくいものの、ライブ音源やクラシックを扱う人は最初の1曲で詰まります。ここを「無料で十分」と紹介している記事は、実際の使用シーンを見ていません。
年払い11,800円については慎重でいいと思います。割引率17%は標準的で、飛びつくほどの破格ではありません。音楽ツールは使う月と使わない月の落差が大きいので、最初は月払いで入って、3か月続いたら年払いに切り替える。この順番が無駄になりにくい形です。
判定としては、月6曲以上さわるなら有料一択、月3曲以下なら無料で粘るのが正解。中間の4〜5曲の人は、5分超の曲を扱うかどうかで決めてください。公開情報を突き合わせた見立てとして、この線引きが最も損が少ないところです。
よくある質問(FAQ)
Q. Moisesの無料版はずっと使えますか?
はい、期間の制限なく使えます。ただし月5曲・1曲あたり最大5分・分離は最大4トラックという上限がかかります。月が変われば処理数は回復します。
Q. 月額1,180円と年額11,800円、どちらを選ぶべきですか?
10か月以上使う見込みがあるなら年額です。年額11,800円は月額換算で約983円、月払い12か月分の14,160円と比べて2,360円安くなります。使う月と使わない月の差が大きい人は月払いのほうが総額は下がります。
Q. 海外サイトに $3.99/月 と書かれていました。どちらが正しいですか?
自分のアカウントの課金画面に表示される金額が正しい値です。表示地域やアプリ内課金の経路によって価格帯が変わり、海外レビューの数字が旧価格のまま残っていることもあります。登録前にMoises公式の料金ページで確認してください。
Q. 無料版で5分を超える曲を扱う方法はありますか?
音源を5分以内に切ってからアップロードすれば処理自体は通ります。ただし曲を分割した回数だけ処理数を消費するので、月5曲の枠がすぐ尽きます。長尺を日常的に扱うなら有料に上げたほうが結果的に安上がりです。
Q. 解約したら残りの期間は使えなくなりますか?
一般的なサブスクと同じく、契約期間の終わりまでは使えて、その後に自動更新が止まる形です。日割りでの返金は期待しないでください。契約した経路 (App Store / Google Play / Web) と同じ場所から解約手続きをします。
Q. 分離した音源をYouTubeに公開しても大丈夫ですか?
料金を払っても元曲の著作権は変わりません。市販曲から抜いた音源を公開・配布するには権利者の許諾が必要です。自分の練習用に手元で使う範囲なら問題になりにくいものの、公開の段階では配信先の規約を確認してください。
Q. LALAL.AIとどちらが安く済みますか?
使用量で変わります。毎月コンスタントに使うならMoisesの定額制、使う月と使わない月の差が大きいなら処理分数を買う形のほうが総額を抑えられます。月10曲を超えるあたりから定額制の優位が出ます。
Q. 支払い方法を途中で変えられますか?
アプリ内課金からWeb課金への移行など、経路をまたぐ変更は一度解約してから契約し直すのが基本です。切り替えのタイミングが重なると二重課金になる可能性があるので、旧契約の終了日を確認してから新規契約してください。
あわせて見たいツール・カテゴリ
音源分離まわりを検討するなら、この並びで見ると判断が早くなります。
- Moises : 本記事の対象。練習支援まで込みの定額型
- LALAL.AI : 分数購入型。使う月に偏りがある人向け
- Suno : 曲を作る側。既存曲の分離とは用途が別
- Udio : 同じく生成側。オリジナル音源が欲しいとき
- ElevenLabs : 声の合成・加工に寄せたい場合
- AI音楽・サウンドのカテゴリ一覧 : 同種ツールを横並びで比較
- AI音楽・サウンドの評価一覧 : 編集部スコア順で全体を眺める
- AI音声・文字起こしのカテゴリ : 話し声の処理が目的ならこちら
- AI音声・文字起こしの評価一覧 : 音声系ツールの全体像
料金の考え方をもう一段深く詰めたいなら、次に読むならPerplexityの料金が高いと感じたときの代替検討が効きます。使用頻度から逆算してサブスクを切る判断軸が、そのままMoisesにも当てはまります。
AIツールを業務や教育の現場に入れる話に広げたい人は、AIチューターサービスの実態レビューやmiiboの導入ガイドも合わせてどうぞ。料金以外の判断材料の集め方が見えてきます。
各ツールの公式サイト(一次情報)
料金・機能・対応範囲は各社公式が一次情報です。本記事は公開時点の検証に基づきますが、最新かつ正確な条件は必ず各公式ページで確認してください。
- Moises — 公式サイト(AI PICKSの詳細)
- LALAL.AI — 公式サイト(AI PICKSの詳細)
- Suno — 公式サイト(AI PICKSの詳細)
- Udio — 公式サイト(AI PICKSの詳細)
- ElevenLabs — 公式サイト(AI PICKSの詳細)




