Google、防御側向け「Gemini 3.8 Flash Cyber」を公開 650超の組織に限定提供
- Googleが、サイバー防御に特化した「Gemini 3.8 Flash Cyber」を公開しました。
- 弱点発見の社内評価では成功率70%超、修正性能も最上位クラスに迫ります。
- 使えるのは審査を通った政府・医療・通信など650超の組織です。

Googleが、サイバー防御に特化したAIモデル「Gemini 3.8 Flash Cyber」を公開しました。使えるのは、審査を通った組織を集めた「Fairwind Program」の参加者だけです。
対象は政府機関や医療機関、通信事業者など、社会の基盤を守る立場の組織です。参加組織は世界で650を超えます。ソフトの修正を自動で進める「CodeMender」と組み合わせた使い方もできます。
弱点の自動発見を測るCyberGymでは、前世代の3.5 Flash Cyberと、規模のより大きい最上位モデルの両方を上回りました。20種類のプログラミング言語にまたがる社内評価では、発見の成功率が70%を超えています。
修正の性能を測るCWE-Benchでは、正解率47.2%を記録しました。47.8%のFable 5に迫りながら、費用は大きく下回ります。プロンプトインジェクション(外部の文章でAIに不正な指示を出す攻撃)への耐性も高まりました。
利用は、社内のセキュリティ部門や事故対応、侵入テストの担当者に限られます。参加組織は多要素認証を導入し、誰がいつ使ったかを記録します。用途は防御と学術研究に絞られ、その範囲で弱点の発見から修正までを任せられます。
つまり、ソフトの弱点を探す調査員を、安く大量に雇えるようになった、という話です。しかも見つけて終わりではなく、直すところまで面倒を見ます。
これまでは時々まとめて点検する使い方が中心でしたが、費用が下がった分、常に見張らせる運用が現実的になります。ただ、同じ力は攻撃側にも使えます。だからGoogleは、審査を通した組織にだけ配る形を取りました。
目を引いたのは性能より利用条件のほうでした。多要素認証、担当部署の限定、利用記録の管理。ここまで縛る発表はなかなかありません。弱点を見つける力は、そのまま弱点を突く力でもあります。筆者はその怖さを、条件の細かさのほうから受け取りました。
ただ、価格の話も効いています。修正の性能で最上位クラスとほぼ互角の数字を出しながら、費用はかなり安いままです。年に数回の点検を、毎日の見回りに変えられる水準になってきました。
そういえば、防御側を先に強くするという建て付けは、競合も追いかけそうです。次はCodeMenderが一般の開発現場まで降りてくるのか、そこを見たいです。
社内のセキュリティ対応を担っている人は、弱点の発見から修正案づくりまでを、費用を抑えたモデルに任せられるようになります。
出典: Google DeepMind ↗/ ITmedia AI+も報道


