Sakana AIの発表内容

Sakana AIは2026年10月、AIが自律的に性能を高める新手法「MASS」を発表しました。米カリフォルニア大学バークレー校の研究者と共同で開発した仕組みです。

MASSは1つのモデルが複数の仮想的な担当者に分かれて作業を進めます。作業の実行役に加えて、業務の流れを改善する役と成果物を評価する役を同じモデルが兼任します。AI自身が最適な業務手順を選び出し、その実行結果を学習データとしてモデル本体へ還元します。

単一のAIによる作業記録と比べて、複数AIの連携記録を学習させるほうが効率よく改善できることも確認しています。

人間による評価が追いつかない専門作業でも、AI同士の分担と自己評価を通じて性能を高められる基盤が整います。

つまり、どういうこと?

ざっくり言うと、新人社員がチームを組んで仕事を回し、自分たちで反省会を開いてスキルアップする仕組みです。

これまでは人間が手取り足取り正解を教えて学習させていました。MASSでは、1つのAIが作業役や監督役に分かれて仕事を進め、うまくいった仕事のやり方を自分で学習して賢くなります。

編集部の見方

AIが自分自身を評価して賢くなる仕組みには感心します。人間の専門家ですら判定が難しい領域で、AI自身に監督役を任せる発想はかなり割り切ったアプローチです。

自作自演の評価ループ。

自分の出した答えを自分で褒めて学習すると、間違った癖まで強化しかねません。発表資料でも安全性の検証に触れていましたが、誤った知識が固定化するリスクの克服が実用化への課題になりそうです。

自己改善の手法がどこまで汎用的な業務に広がるか、年内の追加検証を見届けたいところです。

誰に関係するか

複数のAIを連携させて複雑な業務を自動化している開発者は、人間の手作業による学習データの用意を減らしながらAIの処理効率を高められるようになります。