米Google、Geminiと端末内AIの連携機能を提供 処理の97.2%をローカルで完結
- クラウドの「Gemini」と端末内の小型AIを連携できるようになりました。
- 2026年9月23日から追加費用なしで開発者向けに提供しています。
- 機密データを社外のサーバーに出せない企業の開発担当者が対象です。

米Googleは2026年9月23日、開発者向け基盤「Antigravity SDK」において、クラウドの「Gemini」と端末内で動くAIモデルを連携させる仕組みを発表しました。指示の組み立てだけをクラウドに任せ、重い処理は手元のパソコン内で実行できます。
公開された実演では、設計役の「Gemini 3.8 Flash」がファイル名と指示内容から作業手順を組み立てました。この設計に使った通信量は95トークン (AIが扱う文字の単位) にとどまります。ソースコード自体は手元の端末から一度も送信していません。
その後のプログラム修正や安全性の検査は、手元の端末内のAIが担当しました。作業全体のうち97.2%にあたる3,322トークンの処理を、外部と通信しないオフライン環境で完了しています。動作環境として、24GBを超える画面用メモリーなどを推奨しています。
社内の機密データやプログラムを扱う人は、外部サーバーにデータを預けることなく、クラウドAIの計画力と端末内処理の安全性を組み合わせて作業を進められます。
たとえるなら、遠隔地にいるベテラン上司と現場の作業員による共同作業です。上司である「Gemini」はおおまかな段取りだけをメモで指示し、実際の書類作業は手元のパソコンにいる作業員がすべて部屋の中で終わらせます。
会社の書類を外に持ち出さずに済むため、情報漏えいの心配がありません。通信にかかる利用料もほとんどゼロに抑えられます。

クラウドAIの賢さを保ちながら、コードの流出を完全に防ぐ。この役割分担はかなり実用的です。
通信量を97.2%も削れるなら、これまでAPI利用料の都合でAI導入をためらっていた現場でも一気に検討が進みそうです。自前で用意するパソコンの推奨メモリーが24GB以上とやや高めな点だけが、導入時のハードルになる印象を受けました。
企業向けのAI活用は、すべてをクラウドに任せる運用から、端末内で完結させるハイブリッド型へシフトしていくはずです。2026年末に予定される各社の開発者向けイベントで、同様のローカル連携機能がどこまで広がるか確かめたいところです。
社内規定で外部クラウドにコードを送信できない開発者は、機密を保持したまま「Gemini」を使った自動修正作業を進められるようになります。

