LANDRとは、AIマスタリングと音楽配信を1つのアカウントで完結させるカナダ発の音楽制作プラットフォームです。曲の最終仕上げから150以上のストアへのリリースまでを、別々のサービスに申し込まずに済ませられます。

曲は完成しました。ミックスも終わりました。なのに「この音量で世に出していいのか」が分からなくて、書き出したWAVがデスクトップに数か月置きっぱなし。LANDRを調べている人の多くは、だいたいこの状態です。

先に答えを置きます。年に3曲以上リリースする予定があるなら、配信プランだけでも入る価値があります。 年23.99ドル、月あたり200円ちょっと。缶コーヒー2本分で、SpotifyにもApple Musicにも自分の曲が並びます。

逆に「記念に一生で1曲だけ」なら、サブスクは向きません。単発でマスタリングを買う手段を探したほうが安く済みます。


LANDRとは?仕上げと配信がひと続きになったサービス

LANDRとは?仕上げと配信がひと続きになったサービス

LANDR(ランダー)は、カナダ発の音楽制作プラットフォームです。音源の最終仕上げ(マスタリング)をAIが自動でやり、そのまま150以上の音楽配信ストアへリリースまで持っていけます。

普通、この2つは別会社です。マスタリングはエンジニアに頼むか自分でやります。配信はTuneCoreやDistroKidに申し込みます。LANDRはそこを1つのアカウントでつないでいます。

用語を先に整理します。ここが曖昧なままだと料金表が読めません。

  • マスタリング — 曲の最終仕上げ。音量・音のバランス・広がりを整えて、他のアーティストの曲と並べても浮かない状態にする工程
  • ディストリビューション(配信代行) — SpotifyやApple Musicへ、個人の代わりに音源を納品してくれる仕組み。個人が直接ストアと契約するのはほぼ不可能なので、ここは必須
  • Studio(スタジオ) — LANDRの制作機能側。マスタリング使い放題、プラグイン(音を加工するソフト)、サンプル素材が入る

3つを別々に契約している人は多いはず。それを1社にまとめる提案、と捉えると理解が早いです。

曲づくりそのものをAIに任せる工程まで含めて考えるなら、AI音楽生成ツールの基本ガイドや、SunoUdioSOUNDRAWといった生成側の道具も並べて見ておくと、LANDRが受け持つ区間がはっきりします。

では、いくらかかるのか。


LANDR icon
この記事で紹介 / AI音楽・サウンド3.64無料あり最低料金 ¥0〜

LANDRの料金はいくら?「配信」と「Studio」で財布が2つある

料金は「配信」と「Studio」で財布が2つある

LANDRの料金がややこしく見える理由は1つ。性質の違う2系統が同じ料金ページに並んでいるからです。ここを分けずに比較すると、必ず判断を間違えます。

はっきりしている数字から。Distribution Basicは年額23.99ドル。 リリース本数は無制限、150以上のストアへ配信、ストリーミング収益は100%アーティストに残ります。歩合で抜かれる設計ではありません。

2系統の役割を並べた表です。契約前に「自分はどっちが要るのか」を決めるために使ってください。

系統中身課金の形目安
Distribution(配信)150以上のストアへ無制限リリース/収益100%受け取り年額年23.99ドルから
Distribution上位上記+付帯機能の追加年額(加算)プランにより変動
Studio(制作)AIマスタリング無制限、プラグイン、サンプル素材月額(年払いで割安)3段階構成
単発マスタリングサブスク不要、結果を1曲ずつ購入都度曲ごと

つまり、配信したいだけなら年額の1本で完結します。制作機能まで欲しい人だけが月額を上乗せします。この順番で考えると迷いません。

もう1つ数字を出します。海外レビューでは、マスタリングと配信を両方含むLANDR Proが月19ドル(年228ドル)として紹介されています。ここが「マスタリングも使い放題にしたい人」の価格帯です。

円建ての金額は為替と価格改定で動きます。申し込み画面の最終確認画面で見た数字が正、と考えてください。記事の数字をそのまま信じないほうが安全です。

Studio側は3段階。上のプランほど付いてくるプラグインとサンプルが増えます。プラグインを単品で買い集めている人には割安に映るはず。逆に、使い慣れたプラグインをもう揃えている人には、そこは価値ゼロです。

自分がどちらの財布に金を払っているか。 これを常に意識するのが、LANDRの料金を正しく評価する唯一のコツです。


AIマスタリングは実際に何をしているのか?

AIマスタリングは実際に何をしているのか

LANDRのマスタリングは、アップロードした音源を解析して、音量・周波数バランス・ステレオの広がりを自動で調整します。数分で結果が返ってきます。

人間のエンジニアがやる作業を、機械が代わりにやります。そう聞くと「本当に大丈夫か」と思うはずです。

正直に書きます。プロのマスタリングエンジニアの代わりにはなりません。 曲の意図を汲んで、この曲のここだけ少し前に出す、といった判断はしていません。やっているのは、統計的に「よく聴かれる音」の形に寄せる作業です。

ただ、比較対象が「何もしていない自分のミックス」なら話は変わります。ここは圧倒的にマシになります。音量が他の曲と揃い、低音が膨らみすぎず、スマホのスピーカーでも痩せません。配信ストアに並べたときに恥ずかしくない水準までは、確実に持っていってくれます。

判断基準を1つ。

ここまでの整理: マスタリングエンジニアに数万円払う予算がある曲なら、人間に頼んだほうがいい。予算ゼロで年に何曲も出すなら、AIマスタリングは重宝します。この線引きが全部です。

仕上がりのスタイルもいくつか選べる作りになっています。同じ音源で複数試して、しっくりくるものを選びます。この使い方ができるのが、単発購入ではなく使い放題プランの強みです。

音楽制作を丸ごとAIで進める話に興味があるなら、AI作曲ツールの比較を先に眺めておくと、LANDRがどの工程を埋める道具なのかが立体的に見えます。手前の工程の道具選びはAI作曲ツールの選び方、動画やゲーム用のBGMが目的ならBGM制作向けAIツールのまとめが近いところです。


「lander」と打ってしまう人へ|綴りと別物の整理

検索窓に「lander」と入れる人はかなり多いです。正式な綴りは LANDR。Eが入りません。読みは「ランダー」。

検索エンジンは綴り違いを吸収するので、たどり着けないことはほぼないはず。ただ、名前が似ているものが世の中にいくつかあって、そこで調べ物が遠回りします。

混ざりやすいものを並べます。

表記何のこと音楽と関係あるか
LANDRAIマスタリング+音楽配信のプラットフォームあり(この記事の対象)
lander英語で「着陸機」。宇宙探査の文脈で頻出なし
Landerランディングページ作成系の製品名なし
LANDR StudioLANDRの制作機能側の呼び名あり

つまり、音楽を調べているのに宇宙探査機や広告の話が出てきたら、別物を掴んでいます。検索語に「音楽」か「マスタリング」を足すと一発で解決します。


配信サービスとしてのLANDRは他社と何が違う?

配信代行だけを見るなら、選択肢はLANDRだけではありません。海外レビューで整理されている主要サービスの料金体系を並べます。

サービス料金の形マスタリング
LANDR Distribution年23.99ドルから/リリース無制限別系統(Studio)
LANDR Pro月19ドル(年228ドル)含む(無制限)
DistroKid年23ドル/リリース無制限なし
TuneCoreリリースごとに15〜50ドルなし
CD Babyリリースごとに10〜30ドルなし(収益から一定割合を控除)

つまり、配信の年額だけを見ればLANDRとDistroKidはほぼ同額です。ここでの差は「マスタリングが同じ屋根の下にあるかどうか」に集約されます。

数字で判断してみます。年に10曲以上出す人がLANDR Proに入ると、年228ドルで配信とマスタリングが両方賄えます。マスタリングを外注すれば1曲あたり数千円から数万円。10曲なら簡単に228ドルを超えます。ここが成立ラインです。

逆に年に1〜2曲なら、DistroKidの年23ドル+必要なときだけ単発マスタリング、のほうが安いことが多いです。

CD Baby型の「収益から一定割合を持っていく」方式との違いも押さえておきたいところ。LANDRとDistroKidは定額で、ストリーミング収益は100%残ります。曲が伸びたときの差が大きく出るのはこの部分です。

AIで作った音源をストアに並べる予定があるなら、AI音楽の商用利用と著作権を先に確認しておくと、リリース後に慌てずに済みます。


無料でどこまで試せる?

LANDRは、一定の制限つきで無料アカウントを作れます。利用条件にも「特定の制限に従って、サービスの一部の側面を無料で使用できる」と明記されています。同時に、通知の有無にかかわらず無料アカウントを終了する権利を留保するとも書かれています。

ここは正直に受け止めるべき点です。無料枠は恒久的な権利ではありません。無料で作った資産を業務の前提に据えるのは危険。

現実的な使い方は1つ。手持ちの音源をアップロードして、マスタリング結果のプレビューを聴きます。 自分の曲がどう変わるかを耳で確認してから、課金するか決めます。これがいちばん確実な判断方法です。

耳で聴いて「変わらない」と感じたら、そのミックスにはマスタリングより前の工程に課題があります。その場合は課金しても解決しません。


誰が使うべきか|5タイプで判定する

料金と機能が分かっても、自分が当てはまるかは別問題です。タイプ別に振り分けます。

タイプ状況推奨
年に数曲出す個人制作者ミックスまで自分でやる。予算は月数千円配信年額+Studio下位。ここが本命
量を出すトラックメイカー月に複数曲。ビート販売もするPro(年228ドル)一択。単価が崩壊する
記念に1曲だけ一生に一度のリリースサブスクは不要。単発マスタリング+安い配信
プロ志向のアーティストレーベル契約を狙う。音質が最優先マスタリングは人間に。配信だけLANDR
すでに機材が揃っている人プラグインもサンプルも所持Studio上位は無意味。配信年額だけ

つまり、判定の軸は「年間リリース本数」と「マスタリングを人間に頼む予算があるか」の2つだけです。ここが決まれば、あとは自動的にプランが決まります。

自分のリリースペースが読めないなら、まず配信の年額だけで始めるのが安全です。足りなくなってからStudioを足せます。


始め方|完成した音源から配信までの流れ

手順を1本の線にします。詰まりやすい箇所も一緒に置きます。

  1. アカウント作成 — 無料で登録し、手持ちの音源をアップロードしてマスタリング結果を試聴する
  2. プラン選択 — 配信だけか、Studioも要るかを前章の表で決める
  3. マスタリング適用 — 仕上がりのスタイルを複数試して選ぶ。書き出し形式は配信用のWAVを選ぶ
  4. リリース情報の入力 — アーティスト名・曲名・ジャンル・アートワークを登録する

ここでいちばん詰まるのがアートワークです。配信ストアは画像サイズと解像度に要件があり、満たさないと弾かれます。ジャケット画像は先に用意しておくのが正解。

もう1つ。リリース日は余裕を持って設定すること。各ストアへの反映には時間がかかります。当日設定はまず間に合いません。SpotifyのプレイリストにPitchする(申請する)なら、さらに前倒しが必要です。

ジャケット画像を自分で作りたいなら、画像生成AIの使い分けを見ておくと、コストゼロで1枚仕上げる道が見えます。ナレーションやボーカル素材をAIで用意したい場合は、AI音声ツールのカテゴリAIナレーションツールの選び方が入口になります。


編集部の評価

公開されている料金と仕様、および海外レビューの数字をもとに、率直に書きます。

配信サービスとしては破格です。 年23.99ドルでリリース無制限、収益100%は、DistroKidと並ぶトップ水準。ここに文句のつけようがありません。

マスタリングとの抱き合わせは、人を選びます。 年に10曲以上出す人にはPro(年228ドル)が圧倒的に得。年に1〜2曲の人には、正直イマイチな買い物になります。この分岐がはっきりしすぎているので、自分がどちらかを先に決めないと後悔します。

料金表の見せ方は微妙です。 配信とStudioが同じページに並んでいるせいで、初見では何にいくら払うのかが読み取りにくい。ここは公式サイトの改善余地。この記事の表を横に置いて読むと迷いません。

AIマスタリングの品質は「何と比べるか」で評価が反転します。 未処理のミックスと比べれば圧倒的にマシ。腕のいいエンジニアと比べれば及ばない。この当たり前の線引きを、宣伝文句に流されず持っておくことが大事です。

年に3曲以上出す個人制作者にとっては、契約する側に倒れる選択肢だと考えています。


よくある質問(FAQ)

Q. LANDRの配信プランはいくらからですか

年額23.99ドルからです。この価格でリリース本数は無制限、150以上の音楽配信ストアへ届きます。ストリーミング収益は100%アーティスト側に残り、歩合で控除されません。

Q. マスタリングだけ使うことはできますか

できます。サブスクに入らず、1曲ずつ結果を購入する単発の形が用意されています。年に1〜2曲しか出さないなら、この使い方のほうが安く済みます。

Q. 無料でどこまで使えますか

一定の制限つきで無料アカウントを作れます。マスタリング結果の試聴で仕上がりを確認するのが現実的な使い道です。ただし公式の利用条件に「通知の有無にかかわらず無料アカウントを終了する権利を留保する」とあるため、無料枠を前提に運用するのは避けてください。

Q. DistroKidとどちらがいいですか

配信だけならほぼ互角です。DistroKidが年23ドル、LANDRが年23.99ドルで、どちらもリリース無制限。マスタリングも同じアカウントで済ませたいならLANDR、配信機能だけで十分ならどちらでも構いません。

Q. 綴りは「lander」ではないのですか

LANDRが正式です。Eは入りません。「lander」は英語で着陸機を指す別の単語で、宇宙探査の記事が検索結果に混ざる原因になります。


音源を仕上げる前の工程、つまり曲そのものをAIで作るところから始めたいなら、AI音楽生成ツールのまとめを次に読んでください。LANDRが担当するのは「完成した曲を世に出す」区間なので、その手前を埋めると全体がつながります。