去年まで無料で回っていたのに、気づいたら「上限を超えています」の警告が出るようになった。あるいは英語の管理画面をチームの誰かひとりしか触れなくて、その人が休むと配信が止まる。Mailchimpからの乗り換えを考える理由は、だいたいこの2つに集約されます。

先に答えを出します。日本語のチームで、リストが数千件規模ならBrevoが本命です。送信数に応じた課金なので、リストが増えただけでは料金が上がりません。日本語UIを最優先するなら国産か日本法人のあるサービス、コストをゼロに近づけたいならオープンソースの自己運用。この3択で、たいていの状況は片がつきます。


Mailchimp AI 代替とは?乗り換えが増えている理由

Mailchimp AI代替とは?乗り換えが増えている理由

Mailchimp AI代替とは、Mailchimpが備えるAI機能(件名や本文の自動生成、配信タイミングの調整など)と同等以上の働きを、より安い料金で、あるいは日本語環境で使えるメール配信ツールのことです。

乗り換えの引き金は、機能不足ではありません。むしろMailchimpは300以上の外部サービス連携を持ち、AIアシスタント「Intuit Assist」も組み込まれていて、機能表だけ見れば上位に居続けています。

問題は3つ。

  • 無料プランが2026年時点で大幅に縮小され、コンタクト数と月間送信数の枠が実運用に耐えにくくなった
  • 管理画面もサポートも日本語に対応していない
  • コンタクトが複数のリストに載ると二重に数えられ、請求が想定を上回りやすい

「機能は足りているのに、日々の運用が回らない」。これが乗り換えの正体です。

だから代替選びも、機能表の勝ち負けでは決まりません。自分のチームがどこで詰まっているかを先に決める必要があります。


Mailchimp AI icon
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代替を選ぶ前に決める3つの軸

代替を選ぶ前に決める3つの軸

選定を始める前に、この3つに答えを出しておくと候補が一気に絞れます。

1. コンタクト数と送信頻度、どちらが多いか

リストは1万件あるけれど配信は月2回、というチームは「送信数課金」のツールが圧倒的に有利です。逆に3,000件のリストへ毎日送るなら、コンタクト数課金のほうが読めます。

2. 管理画面を触るのは何人か

配信担当がひとりなら英語UIでも回ります。営業やカスタマーサポートも触るなら、日本語UIは費用対効果の高い投資です。翻訳しながらの操作は、事故のもとになります。

3. 自社サーバーを管理できる人がいるか

いるならオープンソースが視野に入ります。いないなら選択肢から外してください。ここを曖昧にしたまま導入すると、配信が止まったときに誰も直せません。

この3問の答えが、次の比較表の読み方を決めます。


Mailchimp AI 代替10選の比較表

公開情報で確認できた範囲で10本を並べます。AI機能の欄は「公式サイトで機能として明示されているか」で判断し、確認が取れなかったものは正直に「確認できず」としています。

ツールタイプ無料枠日本語UIAI機能(確認できた範囲)
Brevo送信数課金あり英語中心文面のパーソナライズ生成、送信時刻の最適化
MailerLiteコンタクト数課金あり対応本文生成(トーン選択可)、件名生成、Smart Sending
Klaviyoコンタクト数課金小規模のみ英語中心商品レコメンド、行動ターゲティング、ROIレポート
OmnisendEC特化あり英語中心AIによるフォーム作成、傾向検出、インサイト提示
Moosend有料のみなし英語中心メール文面の生成
GetResponseコンタクト数課金あり対応確認できず
Benchmark Emailコンタクト数課金あり対応確認できず
Blastmail国産・通数課金試用のみ対応確認できず
Mauticオープンソース自己運用で無料コミュニティ翻訳標準では非搭載
listmonkオープンソース自己運用で無料翻訳ファイル差し替え標準では非搭載

つまり、AI機能をうたっているのは上位5本に集中していて、日本語UIを持つ3本はAI機能の情報が公開ページから読み取りにくい状態にあります。「確認できず」は「無い」ではありません。契約前に公式の機能ページで直接確かめてください。


無料で始めたいなら、どれを選ぶ?

無料プランを持つのは、この表の中ではBrevo、MailerLite、Omnisend、GetResponse、Benchmark Email。Moosendは有料のみで、公開されている入り口は月額$9から(2026年9月時点)と、有料専用のツールとしては最も安い水準です。

ただ、無料プランの比較は「上限の数字」だけ見ても意味がありません。見るべきはここ。

確認項目なぜ効くか
自動配信(ステップメール)が無料枠に含まれるかここが有料限定だと、無料枠の意味が半減します
メール下部に提供元のロゴが入るかBtoBの案内メールでは信用に響きます
コンタクト数と送信数、どちらで数えるか休眠リストを抱えていると請求が変わります
サポートの窓口が無料枠にもあるか配信停止トラブルは自力解決が難しい領域です

つまり無料プランは「何通送れるか」ではなく「自動配信が使えるか」で選ぶのが正解です。Mailchimpの無料プランは2026年時点で自動化機能が外れており、それが乗り換えの直接の引き金になったチームが少なくありません。

無料で始めて有料に上がる前提なら、有料プランの一段目の価格も同時に見ておくと後悔しません。Mailchimpの場合、公式の料金ページでいちばん安い有料プランはEssentialsの月額$13から(2026年9月時点)です。

配信メールに入れるバナーやサムネイルを内製したいなら、画像まわりのツール選びも同時に片づくと早いです。デザインツールの現在地はCanva AIとAdobe Expressの比較が参考になります。


日本語対応はどこまで進んでいる?

日本語対応には3段階あります。ここを混同すると、導入後に「思っていたのと違う」が起きます。

第1段階: 日本語のメールが正しく送れる

文字化けせず配信できるレベル。海外ツールのほとんどはここをクリアしています。

第2段階: 管理画面が日本語

配信担当以外も触れるかどうかの分かれ目。研究できる範囲では、MailerLiteとGetResponseが日本語対応の候補として名前が挙がる位置にいます。Benchmark Emailは日本法人があり、国内向けの案内が整っています。

第3段階: サポートが日本語

障害時に日本語で問い合わせできるか。ここまで揃うのは国産サービスか、日本法人を持つ会社に限られます。Blastmailのような国産ツールが選ばれ続ける理由は、この一点にあります。

Mailchimpは第1段階まで。管理画面もサポートも日本語非対応で、LINE連携も持ちません。日本のBtoC事業でLINEを主戦場にしているなら、この時点で相性が悪いと判断していいと思います。

言い換えると、日本語対応は「あると助かる機能」ではなく、チームの人数が増えたときに効いてくる運用コストの話です。


オープンソースという選択肢は現実的?

結論を言うと、社内にサーバーを触れる人がいれば現実的です。いなければ、やめたほうが安全です。

代表格は2つ。

Mautic はオープンソースのマーケティングオートメーション基盤で、スコアリングやキャンペーン設計まで含む重量級。Mailchimpの上位プランに近いことを自前でやりたいチーム向けです。

listmonk は単一バイナリで動くニュースレター配信ツール。軽さが取り柄で、大量配信を安く回す用途に振り切っています。

どちらも配信そのものは無料ですが、無料なのはソフトウェアだけ。実際にかかるコストを並べます。

項目想定される負担
サーバー費用VPS等の月額。リスト規模で変動
配信基盤外部の送信サービス契約が実質必須
ドメイン認証SPF / DKIM / DMARCの設定と保守
アップデート脆弱性対応を自分たちで追う
AI機能標準では無く、外部APIを呼ぶ実装が必要

つまりオープンソースは「料金がゼロになる」のではなく、「料金が人件費に置き換わる」選択です。エンジニアの時間が月に数時間しか取れないなら、素直にSaaSを払ったほうが安く済みます。

ここで注意したいのが、到達率です。自社サーバーから直接送ると迷惑メール判定を受けやすく、そこを外部の送信基盤で補う構成が定番になります。この設計を最初に描けないなら、OSSは見送りが賢明です。


AI機能はツールごとにどう違う?

各社が「AI搭載」と言っていても、中身はほぼ3種類に分かれます。ここを分解すると、比較がぐっと楽になります。

AI機能の種類何をしてくれるか搭載が確認できたツール
件名の生成開封されやすい件名を複数案出すMailerLite
本文の生成目的を伝えると草案を書く。トーンの指定に対応する場合もMailerLite、Brevo、Moosend、Mailchimp
送信タイミングの最適化読者ごとに開きやすい時間へ配信をずらすMailerLite(Smart Sending)、Brevo
傾向の検出とインサイト読者層の変化を検知して知らせるOmnisend

つまり「AIで文章を書いてほしい」なら選択肢は広く、「AIに配信時刻を任せたい」なら候補は一気に絞られます。

正直なところ、本文生成の部分は外部のAIチャットで書いて貼り付けても大差ありません。付加価値が出るのは送信タイミングの最適化と傾向検出のほう。読者ごとの行動データはツールの中にしかないので、外から代替できないからです。

なお、AIが草案を書いてもキャンペーンの骨組みは人が組む必要があります。全自動にはなりません。ここは期待値を下げておいたほうが、導入後の落差が小さくて済みます。

メール本文と一緒に画像やスライドも作るなら、AIチャットとデザインツールをつなぐ流れを知っておくと作業が減ります。Canva AIとChatGPTを組み合わせる手順にまとめてあります。


ここまでの整理: 無料枠で選ぶなら自動配信が含まれるかを見る。日本語で選ぶなら管理画面とサポートのどちらまで必要かを決める。オープンソースは人件費との交換だと理解する。AI機能は文章生成より、送信タイミング最適化のほうに価値がある。


EC・Shopify連携で選ぶなら

ネットショップの売上をメールで作りたいなら、汎用ツールよりEC特化を選んだほうが結果が早く出ます。

Klaviyoは購読者数に応じた1本の料金体系で、WooCommerce、BigCommerce、Shopify、Magentoとの連携、行動ターゲティング、商品レコメンド、ROIレポートまで揃っています。カートに何を入れたかを起点にした自動配信を組みたいなら、有力候補です。

OmnisendもEC側に軸足を置いていて、AIによるフォーム作成と読者傾向の検出を持ちます。

BrevoはEC特化ではないものの、SMS、WhatsApp、ライブチャット、トランザクションメール(購入完了通知など)を一本で扱えるのが強み。メール以外の接点も同じ画面で管理したいチームには重宝します。

一方で、リストが数百件のうちはEC特化ツールの機能は持て余します。売上の何割をメール経由にしたいのか、その数字が先です。

判断材料をもう少し集めたいなら、AIメールツールのランキングで他の選択肢も眺めておくと、抜けが減ります。


料金は結局いくらかかる?

料金の見え方が、ツールごとに根本から違います。同じ「月額いくら」でも、増え方の形が別物です。

課金モデル増え方向いているチーム
コンタクト数課金リストが増えると上がる少数のリストへ高頻度で送る
送信数課金送った分だけ上がる大きなリストへ月数回だけ送る
通数の買い切り使った分だけ減る配信頻度にムラがある
セルフホストサーバー費と人件費技術者が常駐している

つまり、リストが1万件あって月に数回しか送らないなら、送信数課金のBrevoのようなモデルが効きます。逆に毎日送るならコンタクト数課金のほうが読めます。

見落とされがちなのが、Mailchimpのコンタクト二重計算です。同じ人が複数のオーディエンスに入っていると別々に数えられ、実質コストが膨らみます。乗り換えの費用対効果を計算するときは、契約プランの表示価格ではなく直近3か月の実際の請求額を並べてください。ここを取り違えると、比較そのものが狂います。

もうひとつ、年払い割引に飛びつく前に3か月は月払いで試すことをおすすめします。到達率が想定より低くて出戻る例は珍しくありません。


乗り換え作業の手順と、つまずきやすいところ

移行は半日では終わりません。実務としてはこの順で進めるのが安全です。

  1. 新ツール側で配信ドメインの認証(SPF / DKIM / DMARC)を設定して、テスト配信で到達を確認する
  2. コンタクトをCSVで書き出し、配信停止済みの人を必ず除外して取り込む
  3. セグメント条件とタグを手作業で組み直す
  4. 2週間ほど新旧を並走させ、開封率と到達率を比べる
  5. 数字が並んだらMailchimpを解約する

いちばんの落とし穴は3番です。セグメントの条件式はツール間で互換性がなく、自動移行されません。「見た目は移行できたのに、送るべき人に届かない」という事故はここで起きます。

配信停止済みリストの取り扱いも慎重に。移行時に混ざり込むと、法令違反と苦情の両方を招きます。書き出しの段階で除外するのが鉄則です。

そしてドメイン認証。ここを飛ばすと、届いていないのに送れているように見えます。テスト配信は自社ドメインの受信箱だけでなく、主要なフリーメールにも投げて確認してください。


乗り換えないほうがいいケース

正直に言うと、Mailchimpを使い続けたほうがいい状況もあります。

300以上の連携のうち、どれかに深く依存している場合。 他ツールで同じ連携が用意されているとは限りません。代替先の連携一覧を先に確認してから動いてください。

チームが英語UIに慣れていて、有料プランで問題なく回っている場合。 移行コストのほうが節約分を上回ります。

リストが数百件規模の場合。 どのツールを選んでも料金差は小さく、時間を使う価値が薄い領域です。

乗り換えは目的ではなく手段。いま何に困っているかを言葉にできないなら、その状態のまま動くのは早いです。


AI PICKS編集部の判定

公開情報を突き合わせた見立てとして、日本のチームがMailchimpから移るならBrevoが一択です。送信数課金なので休眠リストを抱えていても請求が膨らまず、メール以外にSMSやライブチャットまで同じ画面に載る。この構成は、少人数で複数チャネルを回す会社にとって圧倒的に効率が良いと見ています。

管理画面の日本語化を最優先するならMailerLiteかGetResponse。MailerLiteは本文生成のトーン指定と送信時刻の最適化まで持っていて、価格帯を考えると機能の詰まり方が破格です。

オープンソースは、正直イマイチな選択になりがちです。ソフトが無料でも、到達率の設計とドメイン認証の保守は消えません。技術者の時間が月数時間しか取れない組織では、SaaSの月額を払ったほうが安く上がります。

逆に、Mailchimpの豊富な外部連携に業務が食い込んでいるなら、乗り換えは微妙。連携を作り直す工数が節約額を食い潰します。

判断の軸はひとつ。困っているのが料金なのか、言語なのか、機能なのか。それを言い切れる状態にしてから動いてください。


よくある質問(FAQ)

Q. Mailchimpの無料プランは今も使えますか?

使えます。ただし2026年時点でコンタクト数と月間送信数の枠が縮小され、自動配信(オートメーション)機能も外れています。個人のニュースレターなら成立しますが、ステップメールを組みたいチームには足りません。

Q. 日本語で使えるMailchimp代替はどれですか?

管理画面の日本語対応で名前が挙がるのはMailerLiteとGetResponse。日本法人があるBenchmark Email、国産のBlastmailは、サポートまで日本語で受けられます。サポートの言語まで必要かどうかで、この2グループを選び分けてください。

Q. オープンソースのメール配信ツールは本当に無料ですか?

ソフトウェアは無料です。ただしサーバー費用、外部の送信基盤、ドメイン認証の保守、脆弱性対応の工数がかかります。技術者の人件費まで含めると、小規模チームではSaaSのほうが安く済むことがほとんどです。

Q. コンタクトを移行すると到達率は下がりますか?

一時的に下がることがあります。新しい配信元から突然大量に送ると、受信側が警戒するためです。ドメイン認証を先に済ませ、少量から段階的に送信量を上げていくと影響を抑えられます。

Q. AI機能はどのツールが一番充実していますか?

文章生成に限れば各社の差は小さいです。差が出るのは送信タイミングの最適化と読者傾向の検出で、この2つを両方持つツールは限られます。MailerLiteのSmart SendingとBrevoの送信時刻最適化が、確認できた範囲では該当します。

Q. 移行にはどのくらい時間がかかりますか?

リストの取り込みだけなら1日。ただしセグメント条件とタグの組み直しに時間を取られます。並走期間を2週間ほど設ける前提で、全体で3〜4週間を見ておくと無理がありません。

Q. LINEと連携させたい場合はどうすればいいですか?

MailchimpはLINE連携を持ちません。国内向けのマーケティングツールか、間に自動化ツールを挟む構成を検討してください。日本のBtoCでLINEが主戦場なら、そもそもメール中心のツール選びから設計をやり直したほうが早いです。


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料金・機能・対応範囲は各社公式が一次情報です。本記事は公開時点の検証に基づきますが、最新かつ正確な条件は必ず各公式ページで確認してください。

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