「録音はしたけど、議事録は結局深夜に手で書き直している」。会議の多い職場ほど、この光景が消えません。AI議事録ツールはこの3年で実用域に達したが、ツールごとに得意分野がまるで違います。英語の海外会議をリアルタイムで字幕化したいのか、日本語の社内ミーティングを資産化したいのか。ここを決めずに選ぶと、月額数千円が完全に無駄になります。
本ガイドはリサーチ結果と編集部の評価を突き合わせ、9製品を「日本語強い/英語強い」「リアルタイム/録音アップロード」「個人〜エンタープライズ」の3軸で整理しました。料金は1時間あたりのコストに換算してあります。
AI議事録ツールとは何か:3年で実用域に達した理由

AI議事録ツールとは、会議音声を自動で文字起こしし、要約・ToDo抽出・話者分離まで一気通貫で行うソフトウェアです。Whisper系モデルの登場と各社の日本語チューニングで、2026年時点では会議終了と同時にドラフトが完成するレベルに到達しています。
ITmediaの整理では、1時間の会議で従来数時間かかっていた議事録作成が、人間の確認・修正を含めても従来の10分の1程度に短縮できます。ここが商談化される最大の理由です。書記担当という属人ロールが消えるため、参加者全員が議論に集中できる副次効果も大きいです。
会議体験の変化はAI全体の地殻変動の一部でもあります。Meta社の動向はMeta AI完全ガイドで別途まとめています。
編集部のおすすめ
会議の
ZoomやGoogle Meetの会議を文字にして、要点とやることを自動でまとめます。

初月10ドルオフ(新規ユーザー)
会議の録音でなく自分の声をその場で文章にするなら。Mac・Windows・iPhoneのどのアプリにも入力できる
AI音声・文字起こし / 最低料金 ¥0〜


比較の前に:選定軸を3つに絞る

選定軸を絞らないと、機能比較表を見るほど判断が鈍る。AIRAの整理が的を射ていて、まずは「リアルタイム字幕」か「録音アップロード」かを切り分けるべきです。
オンライン会議中に字幕表示が欲しいなら、NottaやOtter.aiのような会議連携型が向きます。取材や講演を後でまとめて処理したいなら、録音ファイルをバッチ処理できるタイプが便利。ここを混同すると、リアルタイム特化のツールに録音を流して精度が出ず「使えない」と切ってしまうことになります。
軸は次の3つで十分。
- 言語:日本語メインか英語メインか(ここで半分絞れる)
- 使い方:リアルタイムvs録音アップロード
- コスト:月額固定か従量か、1時間あたり何円か

主要9ツールの料金・機能・連携を一望する比較表

下表は経営デジタル・ITセレクト・ITmediaのリサーチ結果を編集部で再構成した、月80時間(1日4時間)利用を前提とした比較。価格は税込・税抜が混在するため括弧で明記します。
| ツール | タイプ | 月額 | 1時間 | 主な | 強み |
|---|---|---|---|---|---|
| Otter AI | クラウドSaaS | 無料〜有料プランあり | 英語会議で破格 | Zoom/Teams/Meet | 英語精度・自動参加 |
| Notta | クラウドSaaS | 約2,508円(年間契約) | 約31円 | Zoom/Teams/Meet | 日本語精度・UI |
| tl;dv | クラウドSaaS | 約3,080円(年間契約) | 約38.5円 | Zoom/Meet | 録画+AIサマリー |
| Fireflies.ai | クラウドSaaS | 約1,500円(年間契約) | 約19円 | Zoom/Teams/Meet | コスパ・CRM連携 |
| LINE WORKS AiNote | クラウドSaaS | 19,800円(年間契約) | 約247円 | Zoom/Teams | 認識精度・セキュリティ |
| Rimo Voice | クラウドSaaS | 4,950円(プロ、税込) | 約62円 | Zoom/Teams/Meet | 日本語特化・SRT出力 |
| YOMEL | SaaS+デスクトップ | 28,000円/月(30h、税抜き) | 約933円 | Zoom/Meet/Teams/Webex | リアルタイムフォロー |
| スマート書記 | SaaS+アプリ | お問い合わせ | 要問合せ | Zoom/Teams/Meet | 決定事項・ToDo抽出 |
| ACES Meet | クラウドSaaS | 要問合せ | 要問合せ | 各種Web会議 | 学習型・対面対応 |
AI PICKS調べ: AI会議・議事録カテゴリの有料プラン中央値は月2,100円(n=21、2026-10-22時点)。料金統計レポートで見る
要するに、英語会議の量産にはFireflies.aiとOtter AI、日本語の標準業務にはNottaとtl;dv、機密性とエンタープライズ要件にはLINE WORKS AiNoteとスマート書記、という三層構造になっています。
毎週月曜の朝に、今週のAIの主なニュース・新しく載ったツール・よく読まれた記事をまとめて届けます。登録特典は「AIツール選定チェックリスト 2026」。
確認メールのボタンを押すと登録が完了します。配信はいつでも解除できます。

有料にすると 1回5時間・月1,800分まで文字起こし(プレミアム ¥1,185/月(年間一括払い、総額¥14,220・税込))
Otter AI:英語会議の自動議事録ならまだ一択級

Otter AIは英語会議のリアルタイム文字起こしと要約で長くトップを走ってきた老舗。Zoom・Teams・Google Meetへの自動参加(OtterPilot)が圧倒的に滑らかで、招待しなくてもカレンダー連動で勝手に入って録る。
日本語精度は2026年時点でも英語ほどではありません。海外クライアントとの定例、英語ポッドキャストの文字起こし、英語講演の要約で重宝します。逆に、日本語のみの社内会議で使うのは正直イマイチ。ここを誤ると「思ったより精度が出ない」と不満が残ります。
英語が中心ならOtter AI、日本語が中心なら次のNottaに切り替える、という二刀流が現実解です。
Notta:日本語の標準解として最有力
Nottaは日本語精度・UI・コスパのバランスが取れた、国内ユーザーにとっての標準解。経営デジタルの試算では年間契約2,508円/月、1時間あたり約31円で、議事録作成の人件費を考えればほぼ無料に近いです。
Web会議自動参加、録音アップロード、リアルタイム文字起こし、AI要約までワンアプリで揃います。個人事業主から100名規模のチームまで、まずここから入るのが安全。
「迷ったらNotta」で大きく外しません。失敗するパターンは、英語会議が多いのにNotta1本で粘ってしまうケースくらいです。
tl;dv:録画と要約を1本化したい人向け
tl;dvは「会議録画+AIサマリー+ハイライト共有」をひとつにまとめた構成が刺さります。経営デジタルの試算では年間契約3,080円/月、1時間あたり約38.5円。Nottaよりやや高いが、録画クリップを切り出してSlackに投げる運用には抜群に合います。
セールス・カスタマーサクセスの「商談録画レビュー文化」を持つチームに重宝します。一方、文字起こしの精度だけで言えばNottaやRimo Voiceに分があるため、「録画も含めた共有資産」を作りたいかどうかで決めるのが筋。
Fireflies.ai:1時間あたり約19円という破壊的コスパ
Fireflies.aiは年間契約で約1,500円/月、1時間あたり約19円という価格が異常値。CRM連携(Salesforce・HubSpot)と検索性に強く、商談ログを自動で蓄積して後から横断検索したい組織に向きます。
ただしUIは英語前提で、日本語の細かい話者分離はNottaに比べて荒いです。コスパ最優先・英語混じりの会議が多い・CRM連携が必須、この3つが揃うならFireflies.ai一択級です。
AIエージェント全般の自動化思想はAutoGPT完全ガイドで深掘りしている。議事録もエージェントの一部に組み込む発想で見ると、Firefliesは部品として優秀。

有料にすると 会議の録画と1080p以下の動画保存(Pro 年払い$10/席/月 (月払い$18))
LINE WORKS AiNote:認識精度とセキュリティに振り切ったエンタープライズ向け
ITreviewによれば、LINE WORKS AiNoteは独自の音声認識技術で文字正解率90.8%、数字認識率80.3%。事前設定なしの話者分離、フィラー除去、業界特化モデルまで備えます。二段階認証や権限管理など、機密会議で必要なセキュリティが揃っているのが強いです。
価格は経営デジタル試算で年間契約19,800円/月、1時間あたり約247円。個人で使う額ではないが、金融・医療・法務のように「議事録が漏れたら終わり」の領域では、この値段でも安いと感じる現場が多いです。
Rimo Voice:日本語特化の定額制、会議が多いほど単価が下がる
Rimo Voiceは月4,950円(税込)の定額制で、文字起こしの時間に上限がありません。月80時間起こせば1時間あたり約62円まで下がります。かつて公開されていた時間ぶんの課金は現在の料金ページに無く、会議が多いほど得になる形へ変わりました。
日本語特化の文字起こし精度に加え、雑音除去・SRT出力(字幕用)まで備えます。動画コンテンツ制作と相性が良いです。ただし1時間あたりの単価ではNottaやFirefliesがなお安いので、日本語の仕上がりにいくら払えるかで線を引きたい。
OCRや文書のデジタル化も含めて自動化したい場合は、AI OCRツールガイドも併読をすすめます。
YOMEL/スマート書記/ACES Meet:エンタープライズの本命3製品
ITセレクトとITreviewの整理から、組織導入の本命3つを抜粋します。
- YOMEL:スタータープラン28,000円/月(30h、税抜き)。リアルタイム文字起こし+話者識別+AI要約+Q&A抽出+リアルタイムフォロー。会議中に「いまの論点」を可視化したいチームに刺さる。
- スマート書記:リアルタイム文字起こしに加え、決定事項とToDoを自動抽出。議事録というより「会議運営そのもの」を効率化する設計。価格は問い合わせベース。
- ACES Meet:使えば使うほどAIが学習する設計。オンライン・対面どちらの会議も高精度に記録。組織の会議データを資産化する観点で評価が高い。
これら3つは「個人で試して便利」より「全社導入で運用フローごと変える」前提のツール。導入時は情シスとセキュリティ部門の合意形成が前提になります。
用途別の最適解:4パターンで一気に絞る
ここまでの比較を運用別に圧縮すると、ほぼ4パターンに収れんします。
- 個人・スモールチームの日本語会議:Notta一択級
- 海外取引・英語会議が中心:Otter AIまたはFireflies.ai
- 商談録画を資産化したい営業組織:tl;dv+CRMにFireflies.ai補助
- 金融・医療など機密性最優先:LINE WORKS AiNoteまたはスマート書記
正直、ここから外れる選択は提案書のロジックが弱くなります。動画系のAI活用全般はSora AIガイドも合わせて見ると視野が広がります。
よくある質問(FAQ)
Q. AI議事録ツールの日本語精度は実用レベルに達していますか?
達しています。LINE WORKS AiNoteは文字正解率90.8%、Nottaも日常会話レベルなら違和感なく使えます。固有名詞の事前登録と、話者分離の補助設定をすれば、人手の修正は議事録1本あたり10分前後に収まります。英語精度を期待するならOtter AIやFireflies.aiが優位。
Q. 無料プランだけで業務利用できますか?
短時間・低頻度なら可能。Notta・Otter AIには無料枠があり、Fireflies.aiも一定機能は無料で使えます。ただし月10時間を超える会議があるなら、年間契約の有料プラン(1時間あたり19〜38円)に切り替えたほうが、精度・容量・連携で破格の費用対効果になります。
Q. リアルタイム字幕と録音アップロード、どちらを選ぶべきですか?
オンライン会議中に発言を追いたいならリアルタイム字幕型(Notta・Otter AI・YOMEL)。取材・講演・対面会議の録音をまとめて処理するならアップロード型(Rimo Voice・tl;dv)。両方使いたいならNottaやスマート書記のように両モード対応の製品が無難。
Q. セキュリティが厳しい業界でも導入できますか?
LINE WORKS AiNoteは二段階認証・権限管理・業界特化モデルを備え、機密性の高い会議向けに設計されています。スマート書記やACES Meetも企業導入実績が豊富。情シス審査では、データ保管リージョン・暗号化・SOC2やISO27001の有無を確認すると話が早いです。
Q. CRMやプロジェクト管理ツールとの連携は可能ですか?
可能。Fireflies.aiはSalesforceやHubSpotとの連携が強み。スマート書記やACES MeetもAPI・Webhookで決定事項とToDoを外部に流せます。「議事録を作る」だけでなく「議事録から次の業務を起動する」段階まで設計すると、AI議事録の価値が一段跳ね上がります。
関連記事
- 【2026年最新】AI議事録ツール比較15選|料金・精度・連携で選ぶ最適解
- Plaud Web版の使い方と限界、ブラウザ完結型の代替5つ (2026年版)
- Krisp 代替ツール12選|無料・日本語対応・オープンソースで選ぶ(2026年版)
- Granola 代替を無料・日本語・オープンソースで選ぶ完全ガイド
- 文字起こしAI 無料おすすめ11選|料金と精度で選ぶ正解 (2026年版)
各ツールの公式サイト(一次情報)
料金・機能・対応範囲は各社公式が一次情報です。本記事は公開時点の検証に基づきますが、最新かつ正確な条件は必ず各公式ページで確認してください。
- Otter.ai:公式サイト(AI PICKSの詳細)
- Notta:公式サイト(AI PICKSの詳細)
- Fireflies.ai:公式サイト(AI PICKSの詳細)




