FullStory AIの代替7選 — 無料・日本語・オープンソースで選ぶ (2026年版)

FullStory AIの代替7選 — 無料・日本語・オープンソースで選ぶ (2026年版)

この記事のポイント FullStory AIの代替は「録画を見る系」「数字を追う系」「聞きに行く系」「自前で持つ系」の4タイプに分かれます。 無料で始めたいなら録画系、意思決定に使いたいならプロダクト分析系が本命。 オープンソースは費用より「データを自社に置きたい」動機で選ぶもの。 料金はセッション数課金で膨らむため、月間の計測対象を先に見積もるのが安全です。 過去の録画データは移行できません。乗り換えは「並走期間を作れるか」で難易度が決まります。

見積もりを取ったら想像の倍の金額が返ってきた、あるいは録画は貯まっているのに誰も見ていない。FullStoryの代替を調べている人は、だいたいこのどちらかです。

答えを先に置きます。録画を見る文化がまだ無いチームなら、無料または低価格の軽量ツールに落とすのが正解です。逆に、録画から施策を出すサイクルが回っているなら、値段だけで乗り換えると痛い目を見ます。

この記事では、代替候補をタイプ別に分け、どこで選択を間違えるのかを具体的に潰していきます。


FullStory AIとは、そもそも何をするツールなのか

FullStory AIの代替7選 — 無料・日本語・オープンソースで選ぶ (2026年版) 図2

FullStory AIとは、サイトやアプリ上のユーザー行動をまるごと記録し、後から再生・集計して改善点を探すためのデジタル体験分析ツールです。

やっていることは3層に分かれます。

  • 記録: クリック、スクロール、入力、画面遷移を自動で取得
  • 再生: 個々のユーザーの操作を動画のように再生(セッションリプレイ)
  • 要約: 怒りクリックや離脱の多い箇所をAIが自動で拾い上げる

Fullstoryの公式サイトは、自社を「人間の文脈を伴うAIアナリティクス」と位置づけています。単なる録画ツールではなく、行動データをAIで要約して次の打ち手につなげる、という立ち位置です。

ここで押さえておきたいのは、FullStoryは「どこで詰まったか」を教えてくれるが、「なぜ詰まったか」は教えてくれないという点。この境界線が、後で出てくるタイプ分けの基準になります。


なぜFullStoryの代替を探す人が増えている?

FullStory AIの代替7選 — 無料・日本語・オープンソースで選ぶ (2026年版) 図3

理由は3つに集約されます。どれも製品の欠陥ではなく、使う側との噛み合わせの問題です。

1つ目は費用。この手のツールは計測するセッション数で価格が変わります。サイトが伸びるほど請求も伸びる構造。トラフィックが増えた翌年に更新見積もりを見て固まる、という流れが典型です。

2つ目は稼働率。録画は貯まる一方なのに、再生するのは月に数回。「見る人が1人しかいない」状態で高額ツールを維持するのは、正直きついものがあります。

3つ目はデータの置き場所。個人情報を含みうる画面の録画を海外のサーバーに預ける構図に、社内の法務やセキュリティ部門が待ったをかけるケース。

ここまでの整理: 代替探しの動機が「高い」なのか「使いこなせていない」なのか「置けない」なのかで、選ぶべきタイプが変わります。動機を1つに絞ってから先へ進んでください。


代替ツールは4タイプに分かれる

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FullStoryの機能は広いので、「代替」を1製品で埋める必要はありません。むしろ分解したほうが安く済みます。下の表がタイプ分けの全体像です。

タイプ何が得意か代表的な製品向いているチーム
録画・ヒートマップ系どこで詰まったかを目で見るHotjar、Microsoft Clarity改善の当たりを付けたい小〜中規模
プロダクト分析系ファネルと継続率を数字で追うAmplitudeMixpanelHeap施策のKPIを持っているチーム
ユーザーリサーチ系なぜそうしたのかを本人に聞くMazeDovetail仮説の裏取りをしたいPM
セルフホスト・OSS系データを自社の管理下に置くPostHog、Matomo、OpenReplay法務要件が厳しい組織

つまり、FullStoryは上の1〜3をまとめて持っている製品であり、必要な列だけ抜き出せば費用は下げられます。

タイプが決まれば、あとは無料枠と日本語の2軸で絞るだけです。


無料で始められる代替はどれ?

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「無料」には2種類あります。ずっと無料の製品と、期間限定の無料トライアルです。ここを混ぜると計画が狂います。

ずっと無料で使える代表格がMicrosoft Clarity。録画とヒートマップを無償で提供しており、セッション数の上限も実質的に緩いのが特徴です。予算ゼロで録画文化を作りたいなら、ここから始めるのが一択でしょう。

一方、Hotjarのような製品は無料プランに月間の録画数上限を置く形が一般的。上限に当たったら有料へ、という設計です。

無料で選ぶときの判断軸を整理します。

  • 無料のまま何ヶ月運用するかを先に決める(試すだけなら上限は無視してよい)
  • チームの誰が録画を見るかを1人指名する(見る人がいないツールは無料でも損)
  • 有料に上がる条件を導入前に読む(セッション数か、機能か、席数か)
  • データ保持期間を確認する(無料枠は保持が短い製品が多い)

無料枠で3ヶ月回して、再生ログが月20本を超えないようなら、有料化は見送りで問題ありません。


オープンソースという選択肢は現実的?

現実的です。ただし「安くするため」に選ぶと高くつきます

PostHog、Matomo、OpenReplayあたりが定番の顔ぶれ。いずれもソースコードが公開されており、自社サーバーやクラウド環境に置いて運用できます。ライセンス費用はかからないか、大幅に下がります。

問題は運用側。サーバー代、アップデート対応、障害時の切り分けは全部自社持ちです。録画データはサイズが大きく、ストレージ費用が地味に効いてきます。

観点SaaS型(FullStory等)セルフホスト型OSS
初期費用ほぼゼロ、タグ1本で開始サーバー構築が必要
月額セッション数に連動インフラ費のみ(ただし人件費は別)
データ保存先ベンダーのクラウド自社が指定した場所
アップデート自動自分たちで実施
障害対応ベンダーのサポート自社エンジニア

つまりOSSは、「データを社外に出せない」という要件があるときに真価が出ます。費用削減だけが目的なら、無料SaaSのほうが総額は安く収まるはずです。

自社に運用できるエンジニアが常時1人以上いるか。ここが分岐点。


日本語対応はどこまで期待できる?

誤解されがちなのですが、日本語のサイトを計測できるかと、管理画面が日本語かは別の話です。

計測については心配いりません。どの製品も日本語のページを問題なく記録・再生します。日本語入力のフォームも録画されます。

分かれるのは次の3点です。

項目状況
管理画面の日本語UI製品差が大きい。英語のみの製品も珍しくない
日本語ドキュメント大手は一部翻訳あり、細部は英語
日本語でのサポート国内代理店経由なら可能な場合あり。直契約は英語が基本

つまり、英語UIに抵抗があるメンバーが分析の主担当になるなら、そこは事前に触らせて確認しておくべきです。無料トライアルの本当の使いどころは、機能の確認より「担当者が迷わず操作できるか」の確認にあります。

なお、AIが生成する要約文が英語で出てくる製品もあります。読む頻度が高いなら地味に効いてくる差です。


目的別のおすすめはこれ

代替候補を目的から逆引きできるようにまとめました。迷ったらこの表の一番上から検討してください。

やりたいこと第一候補理由
予算ゼロで録画を見たいMicrosoft Clarity無償で録画とヒートマップが揃う
離脱率の高いページを直したいHotjar録画とアンケートを1画面で扱える
施策の効果を数字で示したいAmplitude / Mixpanelファネルと継続率の分析が本業
計測設計に手が回らないHeap自動取得の思想が強く、後から掘れる
機能の使われ方を追いたいPendoプロダクト内ガイドと分析が一体
なぜ離脱したかを知りたいMaze / Dovetail本人に聞く・聞いた内容を整理する
データを自社に置きたいPostHog / Matomoセルフホスト運用が可能

つまり、FullStoryの置き換えは「録画系1つ+分析系1つ」の組み合わせで足りることが多い、というのが実務的な結論です。

行動データを社内の他部門と共有するなら、可視化側の設計も要ります。数字の見せ方に悩んでいるなら、LookerTableauのようなBI側に寄せる手もあります。


料金はどこで膨らむ?

見積もりが跳ねる原因は、ほぼ4つに絞られます。契約前にこの4つを潰しておくと、更新時の事故が減ります。

セッション数。最大の変動要因。キャンペーンやSNSでの拡散でトラフィックが急増すると、そのまま料金に跳ね返ります。月間セッション数の上振れを1.5倍で見積もっておくのが安全です。

データ保持期間。過去何ヶ月分の録画を残すかで価格が変わる製品があります。実際には直近3ヶ月しか見ないのに、1年保持で契約している例は多い。

席数。閲覧できる人数の課金。「全社に開放したい」で一気に膨らみます。

追加モジュール。AI要約、モバイルアプリ計測、上位のデータ連携などが別枠になっている場合。基本料金だけ見て判断すると後から乗ってきます。

膨らむ原因事前にやること
セッション数直近12ヶ月の最大月を確認し、1.5倍で見積もる
保持期間実際に遡って見る期間をチームで決める
席数閲覧専用の安い枠があるか確認
追加モジュール見積書の内訳を項目単位で出してもらう

つまり、値段交渉より先に「自社が本当に必要な計測量」を決めるほうが効きます。ここが曖昧なまま商談に入ると、上位プランを勧められて終わりです。


乗り換えで失敗しやすい3つの落とし穴

移行そのものは難しくありません。落とすのはたいてい別のところです。

過去データは持っていけない。これが最大の注意点。セッション録画も、集計済みの指標も、原則として移行できません。年次比較をしているなら、旧ツールを数ヶ月並走させる期間が必要です。

イベント名の設計をやり直す羽目になる。手動でイベントを設定していた場合、名前の付け方が製品ごとに違うため、そのまま移せません。移行を機に命名規則を作り直すくらいの覚悟が要ります。

個人情報のマスキング設定が引き継がれない。旧ツールで「この入力欄は録画しない」と設定していた項目は、新ツールでゼロから設定し直しです。ここを忘れると、クレジットカード番号や氏名が録画に残ります。事故になるのはここ。

移行の週にやることを順番に並べます。

  1. 新ツールの計測タグを設置し、旧ツールと並走させる
  2. マスキング設定を先に入れ、テスト環境で録画を確認する
  3. 主要ファネルのイベントだけ再定義する(全部やらない)
  4. 2〜4週間、両方の数字がズレないか突き合わせる
  5. 問題がなければ旧ツールを解約する

並走期間を取らない移行は、たいてい「数字が合わない」で止まります。


個人情報とセキュリティで確認する項目

録画ツールは、性質上どうしても個人情報に触れます。導入判断の前に、以下は社内で握っておいてください。

  • マスキングの粒度: 特定の入力欄だけ、要素単位で除外できるか
  • 保存先リージョン: データがどの国に置かれるか
  • 削除リクエストへの対応: 特定ユーザーのデータを消せるか
  • プライバシーポリシーの記載: 行動データの取得について自社サイトに明記しているか

認証の取得状況(SOC 2やISO 27001など)はベンダーごとに違うため、公式のセキュリティ資料で個別に確認するのが確実です。営業資料の口頭説明ではなく、公開されているドキュメントで。

社内の監査やチェック体制そのものを整えたいなら、監査業務向けAIツールの整理が土台づくりの参考になります。ツール選定と統制設計はセットで考えたほうが後が楽です。


AI PICKS編集部の判定

FullStoryは完成度の高い製品です。録画・分析・AI要約が1つに収まっている点は、いまも他にない強みでしょう。ただ、その広さを持て余しているチームが多いのも事実です。

編集部の見立ては明確で、「録画を月に何本見たか」を数えて、20本を切るなら乗り換えて構いません。その水準の稼働率なら、無償のClarityと軽量なプロダクト分析ツールの組み合わせで十分に回ります。逆に、録画から週次で改善案が出ているチームが値段だけで移るのは正直イマイチな判断。ツールを替えた瞬間に、蓄積した分析のクセと過去データの両方を失います。

オープンソースは、費用対効果で選ぶと運用工数で相殺されます。選ぶ理由は一つ、データを自社の管理下に置く必要があるとき。この条件に当てはまらないなら、素直にSaaSを使うほうが速いです。

最も多い失敗は、ツールを替えたのに見る人を決めないまま運用を始めること。担当者を1人決める。これだけで、どの製品を選んでも成果は変わってきます。


よくある質問(FAQ)

Q. FullStoryの代替を1つだけ選ぶなら?

用途によりますが、汎用性で選ぶならHotjarです。録画・ヒートマップ・アンケートが1画面に揃っており、非エンジニアでも扱えます。予算をかけずに始めたいならMicrosoft Clarityが対抗馬。

Q. 無料ツールでもFullStoryと同じことができますか?

録画とヒートマップに限れば、かなり近いところまでできます。差が出るのはAIによる自動要約、大量セッションの検索性、細かい権限管理です。分析を組織で回す段階になると有料版の価値が出てきます。

Q. 過去の録画データは移行できますか?

原則できません。セッション録画は各製品の独自形式で保存されており、書き出しにも制限があります。年次比較が必要なら、旧ツールを数ヶ月並走させてから解約してください。

Q. 管理画面が英語だと運用は厳しいですか?

分析担当が1〜2人なら大きな障害にはなりません。全社に開放する予定があるなら話は別で、日本語UIの有無は事前に確認すべきです。無料トライアル中に、実際に見る予定のメンバーへ触らせてみるのが確実。

Q. オープンソース版と有料SaaSはどちらが安いですか?

サーバー費用だけを見ればOSSが安く見えます。ただ、構築と保守にかかる人件費を入れると逆転することが多い。運用できるエンジニアが常駐していない組織では、無料SaaSのほうが総額は下がります。

Q. セッションリプレイとプロダクト分析は両方必要ですか?

理想は両方です。録画は「どこで詰まったか」、分析は「どれだけ影響があるか」を担当します。片方だけだと、直すべき箇所が分かっても優先順位が付けられません。予算が限られるなら、録画系を無料枠で入れて、分析系に費用を寄せる形が現実的。

Q. 個人情報の録画で気をつけることは?

入力欄のマスキング設定を、計測開始の前に入れてください。設定前に取得したデータは後から遡って消せない製品もあります。テスト環境で実際にフォームを入力し、録画に文字が残っていないか目視で確認するのが確実です。

Q. 導入にエンジニアは必要ですか?

計測タグの設置だけなら、タグマネージャー経由で非エンジニアでも可能です。エンジニアが要るのは、カスタムイベントの設計とシングルページアプリの計測調整。ここは設計次第で後から効いてきます。


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