Apifyの料金と無料枠の使い方 — 月$29から始める判断基準 (2026年版)

Apifyの料金と無料枠の使い方 — 月$29から始める判断基準 (2026年版)

この記事のポイント Apifyは無料で$5分の実行枠がもらえ、有料はStarter月$29から始まります。課金は席数ではなく「どれだけ計算資源を使ったか」で決まるため、料金表を眺めても自分の請求額が読めません。この記事では$0.20という単価から逆算して、無料枠で何時間動かせるのかを具体的に出します。ノーコード派には正直重いので、そこも含めて向き不向きを分けます。

「Webサイトから商品価格を毎日集めたい」。そう思って調べ始めると、必ずぶつかるのがApifyです。ただ、料金ページを開いた瞬間に手が止まった人も多いはず。プランは5段階、そこに「コンピュートユニット」という見慣れない単位が乗っかってきます。

先に答えを出します。月に数万ページ規模を安定して集めたいなら、Apifyは一択に近い選択肢です。 逆に、月に数十ページを手作業の代わりに取りたいだけなら重すぎます。


Apifyとは、結局どういうサービスなのか

Apifyの料金と無料枠の使い方 — 月$29から始める判断基準 (2026年版) 図2

Apifyとは、Webサイトからデータを自動で集めるプログラムを、自分のPCではなくクラウド上で動かせるプラットフォームです。

普通、スクレイピング(Webページから情報を抜き出す作業)を自分でやろうとすると、サーバーの用意、IPアドレスの分散、ブラウザの制御、失敗時の再実行と、面倒な仕事が芋づる式に出てきます。Apifyはそこを丸ごと引き受けます。

もう一つの顔がマーケットプレイスです。「Instagramの投稿を取る」「Google検索結果を取る」といった出来合いのプログラムが並んでいて、それを借りて動かせます。この個々のプログラムをActor(アクター)と呼びます。

つまり、自分で書くこともできるし、他人が書いたものを借りることもできる。この二階建てがApifyの正体です。


Apifyの料金プランは実際いくら?

Apifyの料金と無料枠の使い方 — 月$29から始める判断基準 (2026年版) 図3

プラン名を並べただけでは判断できないので、月額と主要な上限を横に並べます。

プラン月額含まれる利用枠最大メモリ同時実行
Free$0$5分8 GB25本
Starter$29$29分+従量課金32 GB32本
Scale$199$199分+従量課金上位上位
Business$999$999分+従量課金上位上位
Enterprise個別見積無制限個別個別

つまり月額はそのまま「前払いの利用枠」になり、使い切ったら従量で足していく形です。席数課金ではないので、チーム人数が増えても金額は変わりません。

ここが誤解されやすいところ。月$29は「$29払えば使い放題」ではなく、「$29分の燃料を先に買う」という意味です。


コンピュートユニット(CU)はどう計算する?

Apifyの料金と無料枠の使い方 — 月$29から始める判断基準 (2026年版) 図4

Apifyの請求はすべてCUという単位に集約されます。Apify公式の料金ページによると、1 CUはメモリ1GBを1時間動かした分に相当し、単価は$0.20です(2026年7月時点)。

計算式はシンプルです。

使用メモリ(GB) × 実行時間(h) × $0.20 = 費用

具体例を出します。

設定1時間あたり100時間あたり
メモリ1GB$0.20$20
メモリ2GB$0.40$40
メモリ4GB$0.80$80
メモリ8GB$1.60$160

要するに、メモリを2倍にすれば単価も2倍。ここが料金の急所です。

見落としがちなのは、メモリを増やすと処理が速く終わる場合があること。4GBで30分終わるなら、1GBで2時間かかるのと同額です。「メモリを絞れば安い」とは限りません。

ブラウザを丸ごと立ち上げるタイプのActorはメモリを食います。逆にHTMLだけ取ってくるタイプは軽い。ここを見極めるだけで、請求額は数倍変わります。


無料枠の$5でどこまで試せる?

Apifyの料金と無料枠の使い方 — 月$29から始める判断基準 (2026年版) 図5

$5 ÷ $0.20 = 25 CU。これが無料プランで毎月もらえる燃料です。

メモリ1GBなら25時間ぶん、4GBなら約6時間ぶん動かせる計算になります。検証目的なら十分な量です。

ただし無料プランには実行時間以外の制約もあります。

項目FreeStarter
毎月の利用枠$5$29
CU単価$0.20$0.20
最大メモリ8 GB32 GB
同時実行数25本32本
データセンタープロキシ5 IP30 IP(追加は1IP $1)
他人のActorの利用試用のみ利用枠から支払い可
サポートコミュニティアプリ内チャット

つまり無料は「自分で書いたActorを試す」ためのもの。市販Actorを本番で回したいなら、Starterへ上がる前提になります。

地味に効くのがプロキシのIP数です。無料の5IPだと、同じサイトへ連続アクセスした時点でブロックされやすくなります。ここで「Apifyは使えない」と判断してしまう人が一定数いるはず。単価の問題ではなく設定の問題です。


Actorとマーケットプレイスの仕組みはどうなっている?

Actorは、Apify上で動く一つひとつのプログラムを指します。入力(URLや検索語)を渡すと、出力(表形式のデータ)が返ってくる箱だと考えると分かりやすいはずです。

Actorには3つの入手ルートがあります。

  • 公式Actor — Apify社が作って保守しているもの
  • コミュニティActor — 第三者が公開しているもの。無料と有料が混在
  • 自作Actor — Python / JavaScriptで自分で書いてアップロードする

有料Actorは、CU料金とは別に「月額」または「1件あたり」の料金が乗ります。ここが請求額を読みにくくしている二重構造の正体。Starter以上ではストア割引が付くため、常用するなら有料プランのほうが結果的に安くなる場合もあります。

覚えておきたいのは、コミュニティActorの品質差が大きいこと。収集先サイトの仕様が変わると動かなくなり、作者が放置していればそのままです。本番の業務フローに組み込むなら、更新日時とレビューを必ず見てください。


他のスクレイピングツールと比べて何が違う?

Apifyの立ち位置は「基盤」です。競合はそれぞれ違う場所を狙っています。

ツール得意なこと苦手なこと使う人
Apify大規模・定期実行・自作の自由度学習コストの高さ開発者、データ担当
FirecrawlAIに読ませる形への整形複雑なサイト操作LLMアプリ開発者
Octoparse画面をクリックして設定大量実行時の柔軟性非エンジニア
Browse AI変更監視、定点観測大規模収集マーケ担当
Browserbaseブラウザ実行環境の提供出来合いの収集機能エージェント開発者

まとめると、コードを書ける人にはApify、書けない人にはOctoparseBrowse AIという分かれ方になります。

AIに食べさせる前提のデータ整形だけが目的なら、Firecrawlのほうが素直です。逆に「毎朝5時に3万ページ巡回して差分を出す」ような運用は、Apifyの土俵。詳しい住み分けはApifyとFirecrawlの比較で数字を並べています。

軽量にHTMLを構造化したいだけならScrapeGraph AIのようなLLM前提の選択肢もあります。用途が「1ページを整形」なのか「10万ページを巡回」なのかで、答えは真逆になる。ここを最初に決めてください。


日本語のサイトでも問題なく使える?

結論、収集そのものは問題ありません。日本語のECサイトもニュースサイトも、文字化けなく取れます。

ただし現実的なハードルは3つあります。

管理画面とドキュメントが英語中心であること。エラーメッセージも英語で出ます。翻訳しながら進めれば済む話ですが、社内で引き継ぐときに属人化しやすい点は覚悟が要ります。

日本のサイト向けに作られたコミュニティActorが少ないこと。海外の大手SNSやECには専用Actorが揃っていますが、国内サービス向けは自作になるケースが大半です。

そして日本のIPアドレスが必要な場面。地域判定で表示が変わるサイトを取るなら、プロキシの地域設定を確認してください。

社内での定型作業をAIに置き換える視点でツールを探しているなら、社内監査・チェック業務向けのAIツールまとめのほうが実務に近い答えが見つかるかもしれません。


スクレイピングで法的に気をつけることは?

技術より先にここを押さえてください。ツールが合法でも、使い方は別問題です。

最低限、次の4点は事前確認が要ります。

  • 収集先サイトの利用規約でスクレイピングが禁止されていないか
  • robots.txt で拒否されている領域に入っていないか
  • 個人情報を含むデータを、目的外で保存していないか
  • アクセス頻度が相手サーバーの負担になっていないか

日本では著作権法上、情報解析目的の複製に一定の例外がありますが、規約違反や業務妨害は別の話として残ります。「取れるから取っていい」ではありません。

Apify側には同時実行数やレート制御の設定が用意されています。わざと遅く回す。 これが結果的に自分を守ります。


AIエージェントの材料としてどう使う?

2026年に入って増えたのが、AIエージェントの「目」としてApifyを使う構成です。

LLM(大規模言語モデル)は学習した時点の知識しか持ちません。今日の価格、今日の在庫、今日のニュース。これを渡すにはWebから取ってくる仕組みが要ります。そこにApifyが入ります。

構成としてはこうなります。

  1. Apifyで対象サイトを定期巡回してデータを蓄積
  2. 取得結果をJSONやCSVで書き出し
  3. Difyなどで検索できる形に取り込む
  4. ClaudeChatGPTから呼び出して回答に使わせる

社内資料を読ませて答えさせる仕組み(RAG)の材料工場として動かすイメージです。関連ツールは検索・RAG系のカテゴリにまとめています。

ワークフロー側をn8nMakeで組めば、収集から通知まで一本につながります。自動化ツールのカテゴリも合わせて見ておくと、どこまで自作すべきか判断しやすくなるはずです。


初めての人はどう始めればいい?

いきなり自作は勧めません。順番があります。

無料アカウントを作り、Apify Storeで目的に近いActorを探す。無料または試用可のものを1本動かしてみる。ここまでで課金は発生しません。

次に、実行後のログでCU消費量を確認します。「1回あたり何CU使ったか」が分かれば、月次の請求は掛け算で出ます。この確認を飛ばすと、翌月に驚くことになります。

そのうえでメモリ設定を調整。多くのActorは初期値が余裕を持って設定されています。半分に落として動くなら、料金も半分。

最後に定期実行(スケジューラ)を設定して運用に乗せます。ここまで来て初めてStarterへの課金を検討する、という流れが無駄がありません。


よくあるつまずきと対処法

運用に入ってから出る問題は、だいたい決まっています。

症状原因対処
途中でブロックされるIP数不足、アクセス頻度プロキシ追加、実行間隔を延ばす
請求が想定の3倍メモリ設定が過大実行ログでCU実測後に調整
ある日突然データが空収集先のHTML変更Actorの更新確認、自作なら修正
実行が終わらないタイムアウト未設定最大実行時間を必ず指定

つまり、最初にやるべきは「上限を決めること」です。実行時間の上限、メモリの上限、月額の上限。この3つを設定しておけば、事故の大半は防げます。

ここまでの整理 Apifyの料金は「メモリ × 時間 × $0.20」の一本槍。無料枠$5は25CU相当で、検証には十分です。市販Actorを本番で使うならStarter月$29から。法務確認とメモリ設定、この2つを先にやれば大きな失敗はしません。


AI PICKS編集部の判定

開発者にとっては破格です。 自分でサーバーを立ててプロキシを契約し、失敗時のリトライまで書く手間を考えれば、月$29で済むのは安すぎるくらい。同時実行32本、メモリ32GBという上限も、個人や小規模チームの用途では持て余します。

一方、非エンジニアには正直イマイチという評価になります。管理画面は英語、CUという概念の理解が前提、Actorの当たり外れも自分で見極める必要があります。「クリックだけで設定したい」ならOctoparseBrowse AIのほうが幸せになれるはず。

判断の分かれ目は、月間の取得ページ数が1万を超えるかどうか。超えるなら学習コストを払う価値があります。超えないなら、専用ツールか手作業のほうが早い。

もう一点。料金体系が従量である以上、上限設定を怠ると請求が跳ねます。導入時に月額の上限を決めて、初月はログを見る運用にしてください。ここさえ守れば、コスト面で裏切られることはまずありません。


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よくある質問(FAQ)

Q. Apifyは完全無料で使い続けられますか?

毎月$5分の利用枠が付くため、その範囲なら無料で回り続けます。メモリ1GBなら約25時間ぶんです。ただし他人が公開している有料Actorは試用のみとなり、本番運用には有料プランが必要になります。

Q. 月額$29のStarterに上げるべきタイミングは?

判断材料は3つです。市販Actorを継続利用したい、プロキシのIPが5個では足りない、メモリ8GBを超える処理が必要。このどれかに当たったら移行時です。無料枠を使い切ったから、という理由だけなら従量課金でしのぐ手もあります。

Q. プログラミングができなくても使えますか?

Apify Storeの既製Actorを動かすだけなら、コードは不要です。入力欄にURLや検索語を入れて実行ボタンを押すだけ。ただしエラー対応や設定調整の段階で技術知識が要求されるため、ノーコードを求めるなら他のツールを見たほうが早いです。

Q. 取得したデータは商用利用できますか?

Apifyの機能として制限はありません。問題になるのは収集先です。著作物の再配布、個人情報の目的外利用、規約で禁じられたデータの転用は、ツールの外側の話として責任が残ります。社内で使う前に法務確認を通してください。

Q. 日本語のサイトでも文字化けせずに取れますか?

取れます。エンコーディングは自動で処理されるため、日本語のECサイトやニュースサイトでも実用上の問題は出ません。むしろ課題は、日本のサービス向けに作られた既製Actorが少ない点です。多くは自作になります。

Q. 請求額が想定を超えないようにする方法はありますか?

各Actorに最大実行時間を設定し、メモリを必要最小限に絞るのが基本です。加えて、初回実行のログでCU消費量を実測してから定期実行に移してください。この確認を飛ばした場合が、請求事故の典型例です。

Q. APIから他のシステムに繋げられますか?

REST APIとPython・JavaScriptのSDKが用意されています。他のソフトからApifyを呼び出す窓口があるため、n8nMakeからの実行、AIエージェントからの呼び出しも組めます。

Q. スクレイピング以外の用途はありますか?

Actorは任意のプログラムを動かせる仕組みなので、定期的なデータ加工やAPI連携のバッチ処理にも転用できます。ただしそれ目的なら、汎用のワークフローツールのほうが構築は楽です。


AIを使ったツール選びを他の分野でも進めたいなら、次はFelo(フェロー)の完全ガイドを読んでください。Apifyで集めたデータを「調べる・まとめる」側の話になっていて、収集と活用が一本につながります。

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